さて、、、
今日もR33 GT-R 「大先輩号」のサスペンションセッティングの続き
昨日のレンタルガレージでの実車作業で
リアヘルパースプリングの自由長を実測したのでリアの計算を進めます
リアのポイントは、
ツインスプリング化によるプリロード設定
大幅に仕様変更するのでサグを把握して初期プリロードを決めないと
組んでリフトから降ろそうとしたら
「着地するほどのシャコタン」になっちゃったりしますので、
計算して「おおよそのプリロード」を設定します。
「おおよそのプリロード」になるのは、
車両重量は
HKS車両実測値なので大先輩号との関係は誤差を含みます
バネ下重量は
実測ではなく諸元が近いM3のリアサスペンションの値を仮値として流用
スプリングレートは
初期ストローク部分のレート立ち上がり特性のグラフが無いのでレート特性不明
これらの誤差を含むので計算プリロード値は「おおよそ」になります。
レート設定を考える段階でこの誤差が問題にならないのは、
同じ車両条件で固有振動数を見ているので対比には関らないから
計算値で追い込むには諸元が正確なほど後が楽になります。
で、、、
今日はリアのサグ設定
第二世代GT-R系のリアサスペンションはとにかく全長が長い！！
ストローク量が厳しくなる全長調整式でも
ダンパーストローク量は170mm
サグを見てみると
縮み 115mm
バンプラバー長さ 60mm
準スプリングストローク 55mm （50％）
伸び 55mm (50%)
伸びと縮みの関係は1:1
ヘルパースプリングを採用して伸び側ストロークを残して「タイヤを路面から離さない」設定ですね
ストローク量も十分確保されているので
リアもサグ変更はしないでHKS基準値のサグを使います。
サグ変更無しで今回の仕様変更を確認すると
スプリングレートは
メイン 8.04kgfmm
プライマリー合成レート4.98kgfmm
プライマリー密着荷重 300kg
ダンパーストローク 170mm
バンプラバー長さ 60mm
縮みサグ 55mm
伸び メインレートサグ 2.8mm
伸び プライマリーサグ 60.3mm
プリロード 8.1mm
ホイールレートは
メインレート 7.37kgfmm
プライマリー合成レート 4.57kgfmm
こんな感じになります、、、
バンプラバータッチまでのダンパーストロークは55mm
荷重は442kg 想定荷重倍数は 2.37g.
バンプラバータッチまでの想定荷重倍数が2gを超えているので車両運動にバンプラバーは関らないのでイイ設定、
リアはバンプラバーに触るとかなり怖い動きしますので出来るだけ余裕があるほうがイイです。
実用領域で最大加速力を発揮する2ndフル加速での荷重移動量計算すればバンプラバータッチまでの残ストロークを見ることは出来ますが、
余裕たっぷりなので大丈夫でしょう
リアも実走でフィーリングが悪ければバンプラバーの形状変更を考えます。
計算上でのプリロードは8.1ｍｍなので
ツインスプリングでもスプリングは遊ばないので大丈夫そうですが、、、
車両諸元側での誤差があるのでちょっと怖い
（誤差の方向はプリロードを計算値より掛ける方向って予測していますが）
誤差が悪い方向に集まってスプリングが遊んだ場合「プリロード０で全長調整で車高合わせ」って方法もありますが、
サグ設定を正しく行うことは基本なので
今回はヘルパースプリングを追加したツイン＋ヘルパースプリング仕様を選びました
ツイン＋ヘルパースプリング仕様にすると、
こんな感じ
ヘルパースプリングの密着荷重100kgfが効いて
車両運動に関わる伸びストロークは55mmから42.8mmになるので
ピッチ方向ではフルブレーキング時のリアサスペンションの伸び切り対策になりリアホッピングでのABS介入が少なくなり
減速旋回時の対角ロールが少なくなるのでフロントアウト側の負担が少なくなります。
サグ調整幅も広がりますから
実走で縮み側のストロークが余った場合に
・プリロードを抜いて
(縮みサグを減らして伸びサグを増やして)
・ケース長を伸ばせば
車高を変えずに縮みサグを伸びサグに振ることができます。
大先輩！！
最初はツイン＋ヘルパーで走らせてみて様子を見てみましょう
慣れた頃に一度ヘルパーを外して問題がでなければツイン仕様でもOKです、
(たぶんリアツイン+ヘルパーで決まりだとは思いますが)
残ったヘルパー＋スプリングジョイントでフロント8kgfmm L=200mm＋ヘルパー仕様も作れます
これで未だフロントメインスプリングが 7kgfmmL=250mmの暫定仕様ですが
今のお買い物プランで4仕様試せるのでガッツリ楽しめますよー♪
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