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ポーランド選手権 3日目

今日も天候不良、、、飛べない日々が続きます。
朝のブリーフィングでスタンバイが決定

ブリーフィング解散後、プラプラしていてもしょうがないので
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アクロのシーケンスを描くソフト”OpenAero“の使い方勉強会

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担任の先生はカーシャ先生、

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クラスメイトはポリーナちゃん、、、
うーん、、、集中出来ないって(笑)

午後からは旧市街に出かけてカフェでうだうだ、、、

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飛べない日のアクロパイロットって時間を持て余しますねぇ~


ポーランド選手権 2日目

朝起きて窓の外を見ると、、、空は雲に覆われて真っ白
ポズナンでの灼熱の日々から、一気に気温が下がり15℃程度の冷たい雨
ブリーフィングで天候確認しても前線が接近していて天候回復は難しそう
今日は競技中止の線が濃厚に、、、

朝のブリーフィングでスタンバイが決定した後にUnknownの希望フィギュアの発表

Unknownとは、、、競技24時間前に発表される「未知(unknown)のシーケンス」で
各クラブ(国)から1~2個任意で希望するフィギュア(ループ、ロールなどの科目)を提出して
オフィシャルによりシーケンスが組立てられて発表されます。

このunknownで複座FOXは苦しい戦いを強いられます。
なにせ単座機より重く、固定脚で空気抵抗が大きいのでエネルギーロスも大きく
単座機でらくらく飛べるシーケンスも複座FOXだとかなり厳しくなります。

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で、、、出そろったフィギュアがこれ、、、
記号ばかりですが、アレスティカタログで定められている曲技飛行の科目を表す記号で
大体、線の形に添って飛ばします。
これが数時間後にはシーケンスになって発表されます。

ちなみに僕が提出したフィギュアはこれ
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水平飛行から45度の角度で上昇、そののちにそのまま機首を垂直降下まで下げて
1/4ロールの後に引き起こし
90度軸が変わって科目が終了します。
そんなに難しくはないけど、Gが±に振れるのでちょっと嫌な科目
45度上昇で速度を抜きすぎると降下へのループが綺麗に描けずに失速状態に入ってラインが折れます。
失敗するとラインの折れがジャッジに見えちゃうので
操縦桿を押し込んで確実にアウトサイドループに入れる事が重要です

ブリーフィングの後とりあえず朝食を済ませて、部屋で昨日飛んだKnownのオンボード映像を見直していると、
なんとなくSoloFOXが気になって、用も無いのに格納庫へ

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特に汚れてはいないけどウエスで翼をやキャノピーを磨いたり、コクピットに掃除機を掛けていると
、、、なんとなく、、、VHF無線機のスイッチに手が伸びる
”ぱちっ”っとスイッチを入れて液晶画面をみて周波数と電圧を確認、、、出来ない!!
液晶画面は何も反応せず、無線も沈黙

あ、、、バッテリー空っぽ。

昨日、機体格納を他のパイロットに任せて最終確認しなかったのが悪かった。
無線機のスイッチ入れっぱなしで一晩放置されてたらしいです。

慌てて機体からバッテリーを外して充電開始

SoloFOXが僕を呼んだのかなぁ、、、
過去何回かあったんですよ、
乗り物が意思を持つかのように振る舞ったり呼んだりして助けられることが

助かったぁ、、、競技日だったら一悶着でした。

結局、午後のブリーフィングで競技中止が決定
生殺しな緊張感が解けて気分が軽くなる
昨日までの中間順位発表では78%で暫定3位
残る7人が飛んでどこまで粘れるか!?
強敵のマクダとカーシャが控えているのでかなり厳しい状況ですが、次のFreeで5位以内に残ればUnknownに勝負を持ち込めます
まだKnownを飛んでいないパイロットには悪いけど、終わった側は気楽です

さて、飛べないならば開き直って観光です!!
みんなでヤスナグラ修道院に行くことに。
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車で旧市街に繰り出して、街を歩き、カフェでコーヒーとスイーツを楽しみながら大聖堂へ

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ヤスナグラ修道院は14世紀からあるポーランド最大の修道院でカトリックの総本山です。
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「黒いマドンナ」というマリアのイコンが強い信仰の対象になっています。
この「黒いマドンナ」にまつわる奇跡があります。
1655年にスエーデンが攻めて来た時にワルシャワからクラコフまで占領されて行く中でチェンストホーヴァだけは最後まで屈しなかった。
それは「黒いマドンナ」の御蔭だというものでした。

荘厳な只ならぬ雰囲気に包まれたまさに「聖地」そのもの、、、
中はバロック様式の非常に手が込んだ美術品のような仕上がり
讃美歌が聞こえてきて、とてもシャッターを切れるような雰囲気じゃありません、、、
もう、声が出ないくらい感動しました、、、
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ポーランド選手権 1日目

夜が明けて、いよいよポーランド選手権が始まりました。
今年の選手権はポーランド各地から選手が集まり、参加17名、昨年度の2倍以上のエントリーです。
ところが、、、ここにきて天候が悪化 雲が低く競技に必要な高度まで昇れません
朝のブリーフィングで天候回復までスタンバイの指示

この時間は助かりました。
今朝到着したSoloFOXを組み立てて各部を点検
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本音はこの時間で慣熟フライトしたけど、競技が始まっているので練習できません。
ポズナンで撮影した動画を見ながらイメージトレーニング程度しかできません

まぁ、いまさら1~2回練習してもさして変わりませんって。。。

午後になってくると次第に天候が変化
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雲底高度が上がり雲の隙間が広がってきて、競技開始
とは言っても、、、視程は悪いしタイミングが悪いと雲がBOX(競技空域)の中に流れてきます
僕の搭乗順は4番目
天候だけは運任せ、、、

先の4人が終わり、いよいよ僕の番
曳航機に曳かれて1300m上空へ昇って競技開始

前半のスピン テールスライド ハンプティバンプ ハンマーヘッド チャイニーズループは上出来
チャイニーズループから5/8ループでポジションが悪い事に気が付きミス
背面で45度の角度で降下するところが角度が浅くなり十分に加速できず、
230~250km/hまで加速する予定が200km/hで背面飛行に入ってしまう。
背面旋回中に加速させてリカバリーするも
次の2/4ロール(90°毎に止める4ポイントロールで背面から戻る)もキレが甘い
大崩れはなかったけど、後半の崩れとOut of BOX(空域逸脱)をどこまで誤魔化せたか、、、

僕のフライトが終わり他の選手のフライトが進むにつれ次第に天候が悪化
10人を消化したところで、またもや競技中断
速めの搭乗順でラッキーでした!!

フライトが終われば宿舎に帰ってシャワーを浴びてノンビリ明日の作戦を考えるかと思いきや、、、
やっぱりお約束のビールのお誘い
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みんなで部屋に集まってソーセージやハム&チーズを持ち寄りライトビアーで乾杯!!
ちょっとした宴会になってるのは気のせいです(笑)
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ヤッてくれるじゃないかっ!!

フライトの合間のおやつにハッピーターンを持って行ったんですが、
カーシャが目敏く見つけて「これは何味?」って興味シンシン
アミノ酸による旨味成分を、、、なんて難しい事は答えられないから、とりあえずお試しに封を切って
まぁ、挑戦してみてよ♪

その後すっかり忘れてポリーナと飛んで帰ってきたら、、、

ハッピーターン からっぽ、、、(涙)
隙を見せたのが間違いだったか、、、orz

ふと周りを見ると一緒に飛んでいたポリーナちゃん以外は自然と車から離れていく、、、
「俺のせんべいどこだ?」
って聞いたらさぁ~っと逃げ出す。
逃げ遅れたトメックを逮捕して尋問したら、、、

「美味しくって止まらなかった。。。」

マクダはしれっと「もうないのか?」なんて聞いてくるし
カーシャまで「ポケットにいくつか突っ込んで、気がついたら食べちゃった」なんて言ってる

ぬおーーーっ この恨み忘れんぞォ~


チェンストホヴァで空域慣熟

到着翌日、
朝からブリーフィング
滑空場と競技空域の確認、着陸進入経路の確認をして、フライト準備開始

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早速トレーラーからSWIFTを降ろして組立て、、、30分ほどで準備完了

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FOXはチェンストホヴァ所有機をレンタルするので格納庫から引っ張り出して離陸前点検、

僕の乗るSoloFOXは、、、まだ到着してない!!
どうやらマクラさんが急な予定が入って到着が遅れている様子、、、うーん困った
ここにきてSoloFOXに乗れないのは少々きついですが、到着してなきゃどうにもならない
明日の朝には到着する予定なので、複座のFOXを使って空域確認です。

機体の準備が終わってフライト開始、
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一人2回程度の空域確認と練習が出来るみたいです。

運航のお手伝いをしながら地上目標やフィールドを確認
しかし、、、むちゃくちゃ広いなぁ、、、
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他の機体の離陸と重なって、ちょっと気を使って離れたところに降りちゃうと、、、
スゲー遠いんですけど、、

搭乗順が近くなってきたところで、ポリーナちゃんからちょっとした提案が、
「複座のFOXだからお互いの後席に乗れば二人で4回空域確認できるでしょ♪」
ナイスアイディア♪ もちろん断る理由なんてありません

ポリーナちゃんは今年からアクロトレーニングを始めたばかりで、まだ20回程、ちょうど僕の3年前位ですね
この練習回数で選手権に出て実戦経験を積ませるのが凄いですね、、、
僕の最初の選手権は100回程飛んだ後でしたから

空域慣熟フライトは最初は僕が先に飛んでポリーナちゃんは空域確認に徹する事に、

小雨がパラつく空、BOXと空域を確認したらFreeシーケンス崩れの練習フライト
せっかく後席に乗って一緒に飛ぶなら、参考に出来る事は何でも持って行って欲しいです、
前席と後席を入れ替えながら合計4回飛んで、空域確認とポリーナちゃんにいくつかのアドバイス

確認したBOX(競技空域)は滑空場の北側の道を基準としていて、最大のランドマークになる
滑走路や誘導路とはオフセットした位置関係、
競技中に嫌でも見えてくる滑走路や誘導路に気を取られると、無意識に引っ張られてBOX内での軸がズレちゃいます。
ちょっと難しいなぁ、、、

明日からいよいよポーランド選手権が始まります。