R33 GT-R 「大先輩号」の仕様変更を考える⑥

今日も朝から雨、、、
まぁ、気温的にはちょっと涼しいくらいで丁度良いんですけどねぇ、、、
325i Cabrioletの幌のお裁縫はちっとも進まない
雨漏りが完全に直っていないから、リアシートは全部取り外して室内保管
ちょっと買い物に行ったりするのに乗って出かけると車内がガーガーゴーゴ煩いです(笑)

って事で、
今日もR33 GT-R 「大先輩号」のサスペンション設定を進めます

今日は「大人の小物」第2弾
「リア ツインスプリング仕様」の考察です

HKS Max4 GTのリアスプリング構成はメインスプリング 7kgfmm + ヘルパースプリング 2.01kgfmm
80230-an007_kit
ヘルパースプリングの密着荷重が不明ですが基本的にはメインスプリングの遊び消し
スプリングが遊んでいると車検通らないし、
そもそも走行中にバネが遊ぶのは非常に危険

豊富なストロークを確保しているダンパーなので仕様変更の自由度が高く
一番評価できるのはヘルパースプリングを使うほど伸び側ストロークを確保している事

「ヘルパースプリングで隙間埋めするくらいならそんなストロークいらねー!!」って
むやみやたらにケース長やロッド長を切り詰めてショートストローク化すると、
エライ目に合います

特にVSCだのDSCって姿勢制御系の電子装備バリバリの車はね、、、

確かにメインスプリングが伸びきるような領域のメイン+ヘルパーの合成レートを計算すると

(7kgfmm x 2kgfmm) ÷ (7kgfmm + 2kgfmm) = 1.55gkfmm

1.5kgfmmのスプリングなんて意味無しに見えますが
重要なのはレートじゃなくて「伸び側ストロークがヘルパースプリングの要素分だけ長い」こと

この伸び側ストロークの確保はロードカーでは特に重要で、
たとえヘロヘロレートの領域でもタイヤが地面に接地できることは大きな違いを生みます

ノーマルサスペンションから大幅にレートUPしたチューニングサスペンションでは伸び側ストロークは一気に減少して
「大先輩号」の諸元でHKS Max4 GTを計算すると、
メインスプリングが作る伸びストロークは
リア1輪辺りのバネ上重量 323kgに対して ホイールレートは6.42kgfmm
伸び側ホイールストロークは 50.31mm

たったの5cm!! 
指で5cmくらいの幅を見るとトンでもない事になってると実感できると思います

バネ上固有振動より低い領域なら片輪走行するまでは接地出来るんですが
問題になるのはバネ上固有振動数以上の早い入力

路面不整を越える時の入力はバネ上固有振動数より遥かに速い周波数なので、バネ上はもちろん動かずにバネ下だけが自由運動して路面追従します

高速道路で観光バスと併走してボディの動きとタイヤの動きを見るとわかりますよね
ボディは船のようにゆっくりと上下しながら、タイヤは忙しく上下して路面追従しています

この周波数領域になると接地性の確保は完全にサスペンション(ダンパー)ストローク量の勝負になります

「路面も綺麗に舗装されてるから大丈夫なんじゃね?」って思いますが
公道って物凄く荒れてるんですよ、、、

ちょっとした減速帯でも10mmくらいは平気であるし、下手クソな路面改修されると20mmくらいの段差あったりします

さらに、
バネ上固有振動数より低い入力周波数の「路面のうねり要素」を入れて考える事が大切で
バネ上に上下方向の慣性が加わり、伸び、縮み双方のストロークがバネ上の動き喰われた状態で路面不整を越えると
50mm程度の伸び側ストロークはあっさり使い切っちゃいます。

「ヘルパースプリングいらね!!」ってダンパーを切り刻んでショートストローク化すると、
伸びストロークを使い切ったら慣性を持ったボディに引っ張られて
タイヤは路面から離れてジャンプします。

「全長調整式だからヘルパー不要 俺のサスペンションはバッチリだぜ!」
ってのはちょっと違う、、、
ショートストロークダンパーにネジ切ってロアブラケットねじ込んだのが「全長調整式」です

「なんでかそーなる?」って
ショートストロークダンパーにロアブラケットの組み合わせって全長調整幅が広いからです
車高の下げ幅を最重視したんですね
「車高下げ幅≒商品性」ってヤツ

コレが「ショートストロークの車高調」の最大の欠点
サーキットのような平滑路面なら問題は表面化しないけど、
殆んどの車は生涯90%以上を公道で暮らします
ぴょんぴょんと地面から離れちゃうんじゃ危なくて乗ってられない

もちろん「サーキット仕様」のサスペンションkitはより高レートなのでドンドン事態は深刻化します。
「それじゃダンパーの伸び側減衰力を高めて脚を伸ばさずに路面にボディを引き寄せる」
なんて考えてもダメ
ボディ vs タイヤの重量差ですよ、、、
どんなに頑張っても最終的にはボディに引っ張られます。

所詮は程度問題、

無い袖は触れないし金が無ければ買い物できない!!
サスペンションセッティングにはローンもリボ払いも無い
いつもニコニコ現金決済です

加速や巡航中ならで真っ直ぐ走っているなら乗り心地悪くてトラクション抜け起こすだけですが(でも結構危ないよ)

問題は旋回中、、、、
浮き上がった駆動輪はもちろん空転しますし、
そもそもタイヤが地面に着いてないんだから使えるタイヤ面積はアウト側1本
いきなりグリップ半減、
フロントだったらスコンとアウト側に抜けるし、
リアだったら突然流れて巻き始める

流れる感覚は
トラクションが掛かった状態の
「タイヤを擦りつける様なズリズリズリ、、」って感触じゃなくて

すぱっと突然流れる怖いアノ動き、、、

「うーんトラクション抜けてダメだ、怖ぇえ」って感じて
イン側タイヤが浮き上がっても空転しないようなイニシャルトルクガチガチのLSDを組むって散財ストーリー

公道がメインのスポーツモデルが目指すサスペンションセッティングの方向は
「サーキット仕様」じゃなくて「ターマックラリー仕様」なんだと考えます。

まぁ、、、
最終的にはLSD付けないと危ないんだけど、、
それはまた別の機会に

古い車ならこんな感じだけど
最近の電子制御バリバリの車だとタイヤが浮くのは「人の生死に関る」レベルで危ない

姿勢制御系はABSにも使われる4輪の回転数をモニターしいて、
加速に関してはパワー絞ったりする「お仕置きモード」発動のトリガーですが

減速時にリアタイヤが浮き上がってロックしたり、極端に前後での回転数差が発生すると「リアタイヤのスリップ量過多(ロック)」って判断されて
ABS作動でブレーキ圧抜かれて減速できなくなったり
姿勢制御系でエラー処理されてブレーキが石になってコントロール不能に陥ります。

最近の車のサスペンション交換で姿勢制御系のエラーが発生するのは多分コレが原因
リアタイヤの接地って凄く重要です。

自責で刺さるならマダ納得できるけど、制御系エラー&誤作動で刺さったら納得できないでしょ
もちろんメーカーに文句言ってもダメですよ、、、
弄ったのはオーナードライバー自身なんだから

ちょっと長くなりましたが、ココからが本題
ストローク量は確保出来ている「メイン+ヘルパー仕様」のサスペンションを
「メイン+プライマリー(ツインスプリング)仕様」に変更する理由

まずは
「ヘルパースプリング」と「プライマリースプリング」の違いから、、

基本的にどっちも同じです(笑)
通称としてスプリングレート違いでカテゴリー分けされているだけで
「ヘルパー」→「テンダー(アシスト)」→「プライマリー」の順でレートが高くなる

メインスプリングとの一番の違いは使い方

サブスプリング系は最終的には線間密着(プリングを全部潰した状態)まで使うスプリングで

仕様の違いは
スプリングレートと密着荷重

ヘルパースプリングはレートも低く、密着荷重も小さい「遊び止め」のスプリングですが
プライマリースプリングは10~25kgfmmの高レートと高い密着荷重を持つスプリングで
伸び側レートとストロークの管理(車両姿勢管理)に使います

これは合成レートを計算すると見えてきて
リア1輪辺りのバネ上重量 323kg ホイールレートは6.42kgfmmの車の1Gのストロークは
323kg / 6.42kgfmm = 50.31mm

50.31mm以上のストロークはヘルパースプリングの領域になります
HKSの基本仕様だと伸びきり手前の4.7mmはヘルパー領域ですね

それに対して密着荷重323kg スプリングレート20kgfmmのプライマリースプリングを組むとどうなるか
※比較を単純化するために伸び側100%を合成レートで動かします

まずは合成レートの計算
メインスプリングのホイールレートは6.42kgfmm プライマリースプリングのレートは20kgfmm これをACF1.09を織り込んでホイールレートにすると18.34kgfmm

(6.42kgfmm x 18.34kgfmm) ÷ (6.42kgfmm + 18.34kgfmm) = 4.71gkfmm
1G以上(≧密着荷重)では6.42kgfmm
1G状態(<密着荷重)までは4.75kgfmm 
の可変レートスプリングが作れます

このツインスプリングで作れるストロークは
リア1輪辺りのバネ上重量 323kg ホイールレートは4.75kgfmmの車の1Gのストロークは
323kg / 4.75kgfmm = 67.9mm

17.6mmほど活きた伸びストロークが増えるって計算ですね
たったの17.6mmって思いますが、
35%も使えるストローク量が増えるんです!!

さらに伸び側レートが下がってストロークが増えるので
シングルレートで荷重抜けしてメインが伸びきってヘルパースプリング領域に入る状況でも
ツインスプリング仕様だと増えた伸び側ストロークでヘルパー領域に入らない

ダンパーのC/Cc(減衰率)の変動も良い方向に作用して
メインレートで設定したC/Ccで合成レート領域に入ると、C/Ccは増える方向
縮み側は減衰力が低く伸び側は減衰力が強いバランスになるのでロール&ピッチスピードは遅くなり安定方向

スペースに余裕があるR33 GT-Rのリアサスペンションならその気になれば
メイン+プライマリー+テンダー(アシスト)スプリングの3段構成で、ストロークを余すことなく活かせます

実際にツインスプリング化したM3は
伸び側ストロークが活きて乗り心地も良いし
トラクションもガッチリ
リアが多少スライドしても少し舵角を抜けは自然と止まるくらいヨー収束性の良さ

「コレは良い!」って事で、
ノーマルサスペンションと同じ位のロングストロークのダンパーをワンオフして作ったのが今のM3の仕様です

ツインスプリング仕様の密着荷重でのレート変化は殆んど体感できないのが不思議なところで
「長いストロークの美味しい部分だけを使う」って感触

走っているときは「すぱーん」と伸びきらないで良いトコで止まってくれて
路面のうねりで飛びそうになると、更に伸びてタイヤは路面に着いたまま

樽型コイルスプリングで可変レートを使うBMWのリアはこの設定で、
タイヤがそのまま取れるんじゃないか?って位伸び側ストロークを確保しています。
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まぁ、、、
「みんなでニュルブルクリンクを楽しく走ろう」ってマジメに考えちゃってる「イカれた走り屋メーカー」ですからねぇ(笑)

こんなメリットがあるリアツインスプリング化なので
「大人味」としては是非とも必要なのですが

問題は短いスプリングのくせに少々お高くて、
べステックス社製のプライマリースプリング 2本セットで 13200円
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大先輩!!
伸び側ストローク活用のために採用していただけますでしょうか?
レートと密接荷重の設定は現在考察中です

従兄弟のYくん
S660「ガチャピン号」のリア ツインスプリングを勧める理由はコレです。
電子装備特盛りの車だし「トラクションが生命線」のMRだから必要なんだよ~

実際に僕が軽く走らせただけでリアのヘルパースプリングが浮いた「ガチャン!」って音聞いたでしょ

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