R33 GT-R 「大先輩号」慣らしの旅と減衰力セッティング①

日曜日はR33 GT-R 「大先輩号」のダンパー慣らしと減衰力セッティングの旅に行ってきました
「サスペンションを理解しよう合宿 2日目」です

サスペンションは「取り付ければ終了」じゃありません
ここからが「長い旅」の始まりです!

まぁ、、、
旅に出る前に現在位置と目的地の確認をキッチリしてから出発すれば
迷子にはなりにくいので大丈夫

・スプリング設定
・サグ調整
・車高管理
この3項目が出来ていれば
残るはダンパー減衰力だけなので、
「好みの硬さ」を探すだけ

新品ダンパーの慣らしも同時進行なので
サスペンションブッシュやスプリングが馴染むにしたがいサグが少しずつ変化していくので
慣らし完了したらもう一度サグ調整です。

朝10時に伊勢原で合流して
減衰力の初期設定からスタート

大先輩号は「大人仕様」としてスプリングレートを
フロント8→7kgfmm
リア 7→8kgfmm
仕様変更したので
HKSの推奨値を参考に初期設定

HKS推奨ダンパー減衰力
(FR 8kgfmm RR 7kgfmm)
フロント 23/30段
リア 21/30段

大人仕様でスプリングレート変更により
シンプルに減衰力を前後入れ替えて
( FR7kgfmm RR 8kgfmm)
フロント 21段
リア 23段

ツイン+ヘルパー仕様のリアが動き過ぎる事を警戒して+3段締め
フロント 18/30段
リア 20/30段
DSC_8241

この仕様で慣らしの旅のスタート
R246を西へ下り一般道での動きを見ると

確かに硬い、、、

リアはサスペンションメンバーをセミリジット化したので入力が逃げないから脚の硬さがモロに入力されてくる

硬さの質は
「スプリングが硬すぎて弾かれる」ようなフィーリングじゃなくて
「ボディ上屋が路面をなぞるように揺さぶられる」硬さ

硬いダンパーがバネ下の自由運動を押さえ込んでボディを揺らしているので
悪さをしているのはダンパーの減衰力ですね~

接地感もペタッとした感触じゃなくて ゴツゴツバタバタ、、、
確かに脚が動いてない

大先輩の感想は
「リアメンバーを固めたから先入観もあるかもしれないけど、リアが動かないでフロントがピッチングしている」
「ラーメン食べた後には乗りたくない」

まぁ、、、そうですね
硬いセッティングなので路面が良ければ姿勢変化が少なくて「ガシッ」としたフィーリングで旋回するからサーキットとかなら使えそう

あれ!?コレって、、、
「街乗り仕様のサスペンションキット」だったよなぁ、、、

そんな感じの減衰力設定で、
富士山スカイラインに入ると、

路面のうねりによりモロにボディが路面に引っ張られる動きが散見
ここでも減衰力が強すぎて
「適度にボディ上屋が浮いて逃げない」状態
路面のうねりをサスペンションで一旦吸収して、
時間軸を伸ばしながらボディを追従させるって動きが無い!!
もちろんボディが揺すられちゃうから「車の座り」もイマイチ

路面状況が良い場所だとグイグイ曲がるし、
パワーを掛けて立ち上がれば噛み付くようなトラクションが掛かって立ち上がっていくんだけど

狙っているトラクション感とも違うから
こりゃ、どう考えても硬すぎ、、、

って事で
富士宮側に降りたところで減衰力調整
「ボディ引き落とし感」と「座り不良」で減衰力過多判断で3段緩めて
フロント 21/30段
リア 23/30段

コレで富士宮から富士山スカイラインへ再スタート
さっきまでのセッティングに比べたら脚が動くようになってきて
なかなか好感触かと思っていたら、、、
不具合事項発見

ダンパー減衰力セッティングには関係ないけど、
「左右の旋回特性が違う」(笑)

まぁ、、、
リアサスペンションメンバー弄って脚変えて 車高も変わっちゃっているんだからアライメントはメチャクチャだからねぇ

パワーONで加速二次旋回状態に入ると、
右旋回だと車が巻き込む動きを見せて
左旋回だとリアのスラスト軸がビシッと決まって、車を前に押し出しながら綺麗な二次旋回に入る

左後ろタイヤのキャンバーが起きて、トゥINが抜けちゃってますね~

大先輩に「右旋回で踏むと巻き込みますよー」って伝えてセッティング続行

2速で回る左旋回で、
一次旋回が終わってパワーを入れて二次旋回に入ると
車がポヨンポヨンと1Hz程度の周期で柔らかくバウンス方向に動く

まだ減衰力が高すぎるってぇ、、、

縮み側高速領域の減衰力が高すぎて
旋回中の路面不整を越えた時にダンパーが突っ張って
タイヤの面圧がコロコロ変わっちゃう

しかもサイドウォール剛性が低い「風船タイヤ」のミシュランだからモロに撓んで「ポヨンポヨン」感を伝えてくる
この一発で減衰力を下げる事が決定

って事で、、、
富士山スカイラインを登って水ヶ塚の駐車場で再度減衰力変更
sketch-1596452210311

「タイヤ縦バネに対して縮み高速減衰力過多でのタイヤ撓み感」で減衰力過多で3段緩めて
フロント 24/30段
リア 26/30段

HKSさん、、、
このダンパーぜんぜん街乗り用じゃないよ
「操作に対する車体のレスポンス」を狙って縮み側低速の減衰力を欲張り過ぎだと思います。
高速側の縮み減衰力がつられて上がってしまっていて脚が入りませんよ~(泣)

硬い国産ハイグリップタイヤなら大丈夫かもしれないけど、柔らかいミシュランやピレリとの相性が悪すぎませんかぁ?

全体の減衰力も高すぎて普通の感覚じゃ20/30段より硬い段数は使えません、、、
もしかしたら30/30段でC/Cc 30%くらいで作ってます?

ちょっと宣伝文句とイメージ違うなぁ
どうせ攻めるヤツはSPを選ぶからGTはもっと緩く作ってよ!!

減衰力を下げて走らせてみると、
ストローク感が出てタイヤの「ポヨン感」も消えて良い感じになってきました♪

スロットルON/OFFでもピッチングを感じる事が出来るようになったので
なかなかの好印象
ニアピンってトコまできていないけどグリーンには乗っている感じ(笑)

このタイミングで富士山にガスが掛かってきて視界不良で場所移動
山中湖に抜けて道志道に向かいます。
sketch-1596452141425
車高が高く見えますが、
サスペンションジオメトリー重視でノーマル比-23ミリ、
これでロァアームが水平くらいです。
 
フロントのサスペンションアーム角度はとても重要
ステアリング操舵量「指2本~拳一つ分」の操舵と車両反応をリンクさせています

すごくシンプルなんですが
水平の棒を押せば力が逃げずに反対側に伝わるので
ステアリング操舵と回頭反応がリニアになります。
微小舵角からリニアに車体が反応するので安心感が違います、

道中の市街地での動きも良くなっていて
大先輩からも
「減衰を下げたこともあるけど、慣らしも進んで動くようになってきたね!」
って感想
硬いけど角が丸いって感触ですね~♪

大先輩の「ステアリングの触れ方」も路面不整に対しての修正舵も少なくなってストレートでの保舵力も抜けてきて
だいぶ「車の座り」も良くなってきたみたい

これで大丈夫かと思っていたけど、、、、
減速帯でのブレーキング時にリアの接地感がイマイチな気がする、
タイヤ面圧の変化が少し多いし、
リアから荷重が抜ける状況だと少しガツガツした雰囲気に気が付く

一回気が付くと状況が良く見えるようになるんですよねぇ

考えられる要因は、
リアのツインスプリング
伸び側の殆んどを合成レートで動かすので
縮み側の8kgfmmに対しては減衰力がチョイ固めで合っている感触だから
伸び側の合成レート5kgfmmには過減衰って事

平均レートは6.5kgfmm付近だから減衰力を下げた方がリアの動きが良くなるはず

って事で、
道志の道の駅でリアだけ2段減衰力を抜く事を提案
大先輩もそこそこ気に入ってきたセッティングだったので、「このままでOK」って返答も考えられたので
「試してみたい」ってレベルの最後の詰めで前後バランスを変更

旅の前半で
「リアメンバーを固めたから先入観もあるかもしれないけど、リアが動かないでフロントがピッチングしている」
って大先輩のコメントも引っかかってましたから

「減速帯でのブレーキング時にリア路面追従感不足」でリア減衰力過多判断でリアのみ2段緩めて
フロント 24/30段
リア 28/30段
だいぶ追い詰められてきたなぁ、、、
もう緩め段数も残り少ないよ

このセッティングで駐車場を出て軽く加速した時のリアの接地感で
僕は一発OK

ハイパコが縮む時のゴムボールを潰すようなモチッとした感触と
ミシュランのしなっと撓む感触が伝わってきたので
コッチで正解!

大先輩もリアの接地感が改善されて車の信頼度が上がったようで
積極的にピッチングを使って曲げて
パワーを掛けてリアタイヤを押し付けてヒラヒラと踊らせるようにR33 GT-Rを曲げ始める

明らかに路面不整に対する修正舵も減ったので車の動きが滑らかになって
助手席に乗っていても気持ちイイ!!

コレ、、、ツボにハマってますね♪

最後の一発でなんとかニアピン状態に持ち込みました~
ヤバかったぁ、、、
あと2段しか緩められなかったよ(笑)

道志道からの帰り道に少しだけ運転させて頂きました。

運転したフィーリングと助手席でイメージしていた動きがほぼ一致していたので違和感なしですんなり身体に馴染む

今日は大先輩の運転スタイルに合わせて「パキ切り」は封印して、
軽くブレーキを当てながらクリップに滑り込むような旋回お作法で走らせる(笑)

まだ少し硬さは残るけど車は十分座っているので
ステアリングは軽く触れて
車に動いて欲しい時だけピッチングを軽く入れながら操作して車に意思を伝えるイメージで運転出来ます。

3速2000rpm付近のGT-Rにとっては歩くようなペースでも
舵角一定のアクセルON/OFFで僅かにピッチングを伝えてきて旋回軌跡がコントロールできるのでドライバーと会話出来る車になりました。

うーん バッチリじゃん♪

ちょっと気になった今後の改善課題は
あまりに好戦的なフィーリングで「戦闘機感」丸出しなので
もうすこし「おしとやか」にしたいなぁ、、、
この部分はもう少し考えます。

さて、、、大先輩!
サグ、車高、減衰力のセッティングがほぼ見えてきました
このまま慣らしをもう1タンク分進めて、もう一度サグ調整したらアライメントですね~

前後のバネ上固有振動数バランスはV-specや400Rに近いので
V-specのアライメントデーターを横目で見ながら設定する事をオススメします。
特にフロントとリアのトゥバランスの設定がポイントになると思います。

減衰力調整は、
前24段 後ろ28段を基準として進めてください
全体的に2段抜いて 前26段 後ろ30段で もう少し柔らかく動かす方が市街地走行も含めてのベストバランスになるかもしれません

前後バランスを変更する場合、
リアの減衰を抜く時は要注意です。
ツインスプリング化でリアの実効ストロークが伸びているので、リアの減衰を抜くとピッチング過多で巻く動きが出るかもしれません

sketch-1596452294147
楽しい車になってきましたね
まだまだ伸び代ありますよぉ~♪

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「R33 GT-R 「大先輩号」慣らしの旅と減衰力セッティング①」への2件のフィードバック

  1. 中々の仕上がりになりましたね。楽しくて富士山スカイラインから道志道が近く感じましたよー。

    1. ダンパー減衰力グラフがあれば、
      臨界減衰力を計算してC/Cc設定して減衰力グラフに付き合わせて段数との関係が見えるので
      もうちょっと早く段数が決まるんですが(笑)

      実走セッティングで追い込むのも楽しいですね~♪

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