ポーランド選手権 2日目

朝起きて窓の外を見ると、、、空は雲に覆われて真っ白
ポズナンでの灼熱の日々から、一気に気温が下がり15℃程度の冷たい雨
ブリーフィングで天候確認しても前線が接近していて天候回復は難しそう
今日は競技中止の線が濃厚に、、、

朝のブリーフィングでスタンバイが決定した後にUnknownの希望フィギュアの発表

Unknownとは、、、競技24時間前に発表される「未知(unknown)のシーケンス」で
各クラブ(国)から1~2個任意で希望するフィギュア(ループ、ロールなどの科目)を提出して
オフィシャルによりシーケンスが組立てられて発表されます。

このunknownで複座FOXは苦しい戦いを強いられます。
なにせ単座機より重く、固定脚で空気抵抗が大きいのでエネルギーロスも大きく
単座機でらくらく飛べるシーケンスも複座FOXだとかなり厳しくなります。

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で、、、出そろったフィギュアがこれ、、、
記号ばかりですが、アレスティカタログで定められている曲技飛行の科目を表す記号で
大体、線の形に添って飛ばします。
これが数時間後にはシーケンスになって発表されます。

ちなみに僕が提出したフィギュアはこれ
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水平飛行から45度の角度で上昇、そののちにそのまま機首を垂直降下まで下げて
1/4ロールの後に引き起こし
90度軸が変わって科目が終了します。
そんなに難しくはないけど、Gが±に振れるのでちょっと嫌な科目
45度上昇で速度を抜きすぎると降下へのループが綺麗に描けずに失速状態に入ってラインが折れます。
失敗するとラインの折れがジャッジに見えちゃうので
操縦桿を押し込んで確実にアウトサイドループに入れる事が重要です

ブリーフィングの後とりあえず朝食を済ませて、部屋で昨日飛んだKnownのオンボード映像を見直していると、
なんとなくSoloFOXが気になって、用も無いのに格納庫へ

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特に汚れてはいないけどウエスで翼をやキャノピーを磨いたり、コクピットに掃除機を掛けていると
、、、なんとなく、、、VHF無線機のスイッチに手が伸びる
”ぱちっ”っとスイッチを入れて液晶画面をみて周波数と電圧を確認、、、出来ない!!
液晶画面は何も反応せず、無線も沈黙

あ、、、バッテリー空っぽ。

昨日、機体格納を他のパイロットに任せて最終確認しなかったのが悪かった。
無線機のスイッチ入れっぱなしで一晩放置されてたらしいです。

慌てて機体からバッテリーを外して充電開始

SoloFOXが僕を呼んだのかなぁ、、、
過去何回かあったんですよ、
乗り物が意思を持つかのように振る舞ったり呼んだりして助けられることが

助かったぁ、、、競技日だったら一悶着でした。

結局、午後のブリーフィングで競技中止が決定
生殺しな緊張感が解けて気分が軽くなる
昨日までの中間順位発表では78%で暫定3位
残る7人が飛んでどこまで粘れるか!?
強敵のマクダとカーシャが控えているのでかなり厳しい状況ですが、次のFreeで5位以内に残ればUnknownに勝負を持ち込めます
まだKnownを飛んでいないパイロットには悪いけど、終わった側は気楽です

さて、飛べないならば開き直って観光です!!
みんなでヤスナグラ修道院に行くことに。
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車で旧市街に繰り出して、街を歩き、カフェでコーヒーとスイーツを楽しみながら大聖堂へ

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ヤスナグラ修道院は14世紀からあるポーランド最大の修道院でカトリックの総本山です。
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「黒いマドンナ」というマリアのイコンが強い信仰の対象になっています。
この「黒いマドンナ」にまつわる奇跡があります。
1655年にスエーデンが攻めて来た時にワルシャワからクラコフまで占領されて行く中でチェンストホーヴァだけは最後まで屈しなかった。
それは「黒いマドンナ」の御蔭だというものでした。

荘厳な只ならぬ雰囲気に包まれたまさに「聖地」そのもの、、、
中はバロック様式の非常に手が込んだ美術品のような仕上がり
讃美歌が聞こえてきて、とてもシャッターを切れるような雰囲気じゃありません、、、
もう、声が出ないくらい感動しました、、、
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