E36 325i Cabriolet「質感の向上」を考える①

R33 GT-R「大先輩号」の仕様変更も見えてきたので
久しぶりにE36 325i Cabrioletに手を入れます。

「ノーマルのフィーリングを維持して可能な限り費用を抑える方針」ですから
社外品を使うのは慎重になります。

特に運動性能に関わる部分はヘタな部品を使うと
「一個の部品で総崩れ」なんて泣ける状況になりかねないので良く考えないと、、、

で、、、
現状でのE36 325i Cabrioletは、
ノーマルスプリング+Mテクニックスタビライザーの組合せでサスペンションストローク維持して
ノーマルの前後バランスを維持したままロール剛性をちょっとだけ強化
ダンパーは乗り心地と運動性能のバランスを考えてKoni FSDを組合せて
ブッシュ類は無闇に固めずにMテクニック仕様

これで乗り心地は悪くは無いし
ワインディングを楽しく走り回れるので全く不満は無いんですが、、、

唯一の不満点は「スカットルシェイク」
Roadstar & Cabriolet等の屋根無しモデル共通の泣き所
路面が良ければシナヤカで楽しい車なんだけど
路面が荒れてきてボディ固有振動数近い入力になると共振して「ブルッ」と震えて
ステアリングに不要な振動が伝わってくる
この瞬間がイヤなんですよねぇ、、、

これを改善するのが今回の目的で
「走りの質感の向上」を狙います。

まぁ、、、
振動するなら補強してクーペ&セダン並みのボディ剛性を追いかけたくなりますが
そこはユーザーレベルじゃ難しい

Cabrioletにロールケージ回してA,B,Cピラーに溶接止めしちゃえば一気に屋根付きと同じ剛性を作れますが、、、
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Roadstarならまだしも
Cabrioletの意味無いでしょコレ(笑)
って事で

フロアにガゼットや補強バーやプレートを追加してフロアを補強するのがメーカーの手法なんだけど
ユーザーレベルでAピラーから後ろのフロア補強って難しいんです、、、

市販品の補強部品ってタワーバーやフロアメンバー等の補強部品はありますが、、、
E36にはタワーバー以外は殆ど設定が無いし、
基本的に屋根付きモデルを前提にした補強部品なので
Cabrioletには向かないんですよね、、、

何で屋根付きがOKでCabrioletがダメなのかは、
幌を下ろしてドアを開けば一目瞭然
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バルクヘッド(垂直方向の隔壁)を中心として補強されたフロントセクションとリアセクションを
垂直方向の補強が全く無い板同様のドライバー&パッセンジャーセクションが繋いでいる構造
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ドアを締めれば前後曲げ方向にはちょっとは足しになりますがたかが知れてますよね、、、

この部分を補強して乗り心地の質感を良くしたのが
S2000のフロアトンネル上部を補強したハイXボーンフレーム
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社外品だと「ドアスタビライザー」です
images (2)

S2000は補強箇所がボディ中央線上ですし
ドアスタビライザーはドアストライカー部分での一点補強なので
効果がより現れるのはボディの前後方向の曲げ剛性
これだけでも劇的に変化します。
前後曲げ方向の補強は違和感を感じにくいので「補強の美味しい感触」だけを楽しめちゃいます。

ホンダの技術者さんが頑張って考えた「ハイXボーンフレーム」を持ってしても
ちゃんと入力は弱い場所を見つけて捻り倒すので
センタートンネル後方に捻れ応力が集中して変形しちゃうみたいです
Typeoneさんがセンターブレースバーの取り付けを紹介していますが
変形したセンタートンネルをパンタグラフジャッキで広げながらの作業になってます
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ちょっと脱線しましたが、、、
前後に隔壁を持った構造体を板で繋いで捻れば
絶対に板が捻れますよね
だからメーカーはAピラーからBピラーまでの間のフロアを補強して「何とかバランスを取った形」にして市販しているのが現状

「形状による剛性」が期待できない「板の部分」を補強するから簡単に100kg以上の重量増になるけど
それでも足りないからブルブル震える「スカットルシェイク」が発生する

「それならサイドシルをデカくしちゃえば垂直方向にも稼げるゼ!」
って力任せに考えたのが田宮のラジコンみたいなロータスエリーゼのバスタブフレーム
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サイドシル断面積で稼ぐ方法は効率的ですが
「専用設計のスポーツカー」だから出来る手法
普通のCabrioletじゃ無理だよ、、、

以上の事から
メーカーが頑張ったけど絶対にCabrioletモデルは屋根付きに並みの捻れ剛性は確保出来ない

この真ん中ヘロヘロのフロア剛性しか無いCabrioletに「ボディ補強だ!」ってタワーバーを突っ込んでフロントセクション&リアセクションを更に固めると、、、
今まで捻れて入力を逃がしていた部分が補強されちゃうので入力は弱い部分に更に集中する事になり

・一番弱い「Aピラー~Bピラー間」の変形量が増え
・ボディを補強した分だけボディの固有振動数が上がるので共振したらより早い周波数で揺れる
・Aピラー(=フロントバルクヘッド)にはステアリングコラム Bピラー付近にはドライバーシートがあるのでステアリングを握るドライバーは振動を感じ取りやすい

この事から「ボディ剛性感」が下がり「質感」が悪くなります。
だから「質感」に関してはタワーバー追加はマイナス要素しか生みません。

簡単にはスカットルシェイクは消せないんですよねぇ、、、

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