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Guinand 耐Gテスト

日本での最後のトレーニングを使って、Guinand S-90スペシャルモデルの最初の耐Gテストを行いました
テスト前の1G環境での日常使用での誤差を計測の後に、トレーニングフライトでGを掛け、
12時間後にもう一度誤差を測り変化を比べます
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最初にこの時計の持つ誤差を測定すると
24時間毎にゼンマイを全巻きして+12秒の誤差 5日 120時間毎に1分進みます。
12時間で+6秒の誤差を持ちます

日曜日の0800に時報との誤差を比べると 
時報+32秒

4回のトレーニングを実施、
このときのピークGは+5.5G インメルマンで不要なGを掛けてエネルギーロスを招いたようです。
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トレーニング終了後、機体を分解してトレーラーに格納
航空日誌とフライトログの整理をしたあたりで2000
時報との誤差を確認すると
時報+38秒

12時間で+6秒は変わらず。

5Gx4回程度じゃビクともしないって事ですね、
初回の耐Gテストはまったく問題無し、
来週からポーランドに一緒に渡り、トレーニングと競技会を通じて2週間の連続テストに入ります。
ギナーンのムーブメントの精度はGに影響されるかがテストを通じて明確になります。


あと1ヶ月しかない!!

7月1日~19日、日本を離れます。
もちろん目的は”Advanced&Unlimted Glider Aerobatic Polish Championships”「ポーランド グライダー曲技飛行選手権」に出場するため
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この先の世界選手権へ進むためにFAI公式戦でリザルトを残す必要があります、
(もちろん出来る限り高成績で!!)

予定としては7月1日に出国して、去年と同じポズナンでポーランドチームと一緒に1週間のトレーニングキャンプを行い
7月10日~15日にポーランド選手権に参戦
7月19日に帰国の予定

いよいよ実戦です、、、

もちろん、かなり追い込まれています。
FOXでの曲技飛行回数も100回を超えてきていますが、”乗りこなす”感覚は薄く、飛ぶ毎に曲技飛行の難しさを感じています。
「FOXに貢いでいる金額が少ない」とか「グライダーはカネだ!!」と敬愛する教官は申しております(笑)

まぁ、、、、ミもフタもありませんが実際に競技ってそうですよね、
同じ才能だとしても「練習量が多く、優れた機体に乗る者」が勝つのは道理ですから
極論として「リザルト=カネ」です。
って事は「ひたすらカネと時間を突っ込めば勝てる可能性が高くなる」って方向で考えましょう(笑)
(君の場合才能にも問題がねぇ、、、って聞こえてきますが、何か? イマニミテロヨ、、、)

「シーケンスをいくら飛んでも進歩が見えない」と感じたので違う方法で技量向上を目指します。
普段の練習の合間の冗談交じりの会話の中で気がついたこと、「ロール系よりループ&垂直系方が簡単に感じている」
「テールスライドやハンマーヘッドはエルロンロールより簡単」なんて冗談半分で言っていた時に気がついたのが、、、

科目の好き嫌いを並べてみると、嫌いな科目の出来がことごと悪い

エルロンロールは1/2~2/2の背面領域がダメ
キューバン8は背面45度ダウンラインの姿勢が嫌い
インメルマンも背面からの1/2ロールでラインが沈む
背面飛行、背面旋回 安定感不足

まぁ、上手く出来ないから嫌いって思っていたのですが、偏りが激しい
背面飛行に対して気持ち悪いとか怖いって感覚があるから体に無駄な力が入ったり、不要な緊張状態になっているんじゃないかと考えてみると
単純に考えれば「背面飛行への馴れと精度の問題」って事です
基礎の部分のレベルが低いって事ですね、、、orz

で、ド直球な解決方法として「背面飛行祭り♪」でした 
いつもと同じく1200mから練習開始、200km/hから1/2ロールで背面に
あとは、ひたすら背面直線飛行と背面旋回を繰り返しBOX内でオーバルトラックを描いたり、360度背面旋回してみたり
速度を変えてみたり、、、

航空機の基礎練習の直線飛行と旋回の背面版です。

数回の飛行を繰り返して体力を削られヘロってきて脱力したときに、技術的ブレイクスルー!!
背面直線飛行でハーネス(シートベルト)とラダーーペダルのつま先ストラップのにすべてを預けるように全身の力を抜くと
-Gにひたすら我慢していた感覚が消えて機体姿勢が安定、
速度も安定して視界も広がり頭上に広がるR/Wが思ったよりゆっくりと流れていく
緊張感も薄れて視界が広がるような感覚

「力を抜けば良い」って聞いてはいましたが
背面飛行に慣れるってコノ感覚なんですね!!
いままで、力を入れていた認識はこれっぽっちも無かったんですが、物凄く緊張していたんですね(笑)

技量的には僅かな精度向上だとは思いますが、精神的には一気に楽になりました。
曲技飛行って考えてみれば通常の飛行状態とは異なる状態での飛行精度を競う事なので
初期段階では「-G環境下でのコントロール能力」が重要だと思います。
この「コントロール能力」は技術的な面より精神的な要素が大きいと思います。
どんな乗り物のコントロールも「恐怖」や「緊張状態」ではまともな判断とコントロールなんてできませんよね、、、

残り少ない日本での練習を上手に使って少しでも上位を目指します。
S井教官と話した基本戦略は、、、「10点満点を目指しての精度」より「フィギュアを確実に飛んで0点だけは避ける」方向
「せめて赤点取らずに進級することを目指しましょう」って事ですね、、、orz

とにかく、、、ビビッてます


妻沼グライダーフェスタ 無事終了

3/3の妻沼グライダーフェスタでのRED FOX2のデモフライトは無事成功となりました
前日の夜まで雨が続き、前日の機体陸送後の機体組み立てと練習フライトが当日の朝にズレ込み、
午前中のスケジュールが詰まりストレスの掛かった運航状況になりましたが、素晴らしいデモフライトを披露することが出来ました。
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何とか天候は回復、、、ほっと一安心

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早朝から機体を組んで準備を進めます

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デモフライトならではのスモークシステムを取り付けます

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両翼に特大煙幕花火装着!!

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デモフライトパイロットは世界選手権9位の梶 智就さん
離陸前のチェックが終わり、曳航機を待つ一瞬
一気に集中力を高めます

コンペスタイルの普段のトレーニングとは違う、梶さんとスモークを引くFOXの”魅せるアクロ”は優雅さとエネルギーに満ちた曲技専用グライダーならではのフライト
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僕の”町内会盆踊りアクロ”とはレベルが違います、、、orz

特に歓声が上がるのは動きの大きいスナップロール系、今回は空域による高度制限でキャンセルになったラムシェバックなんかは更にウケが良さそうです。
圧巻なのは280km/hでのローパスからのインメルマン、
地上数メートルを280km/h近くでパスして7G近くで引き起こして1/2ループ+1/2ロールで反転
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最後のインメルマンの連続写真です、強烈な引き起こしのGで翼がしなっています。
このFOXの写真は航空写真家の山さんから頂きました、
これでも画質はかなり下がっているんです、出来が違いますね、、、

風切り音を引きながらインメルマンで駆け上る
普段、FOXで飛んでいても、、、思うことは単純 「かっこいい、、」(笑)

「グライダーは滑空して降下する」って紙飛行機的な漠然としたイメージしか持たない方には衝撃的な光景だったようで
聞こえてくる言葉は「エンジン無いのに垂直に昇ってる!!」とか「飛行機のアクロバット並みにできるんだ!!」、「ジェット機みたいな音がする!」などなど、、、

フライトが終わってブースの隣で地上展示と写真撮影&サイン会に移ると、、、
機体清掃もままならない程の大盛況、この熱気は高校の時の文化祭を思い出します
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梶さんは取材、サイン、写真撮影にひっきりなし
(意外なほどのサービス精神を見せて思わずチーム全員が驚く(笑))

豊富な知識と人当たりの柔らかさなHさんがコクピット担当してお父さん&子供への機体説明とコクピット体験
僕の周りははじいちゃん&ばあちゃん(笑)

お昼ごはんを食べる事すら忘れ、気が付いたら夕方で機材撤収、
東海大学航空部の方々に機体清掃を手伝っていただいている間に落ち着いて遅い昼食を取ることが出来ました、

コレはとても助かりました、、、、ありがとうございました。

今回のイベントを通じて、Web等のヴァーチャルな情報ではなく、リアルでグライダーアクロを感じて存在を知っていただき
少しでも日本にグライダーアクロを根付かせる基盤を整え、将来のグライダーアクロパイロットの種を撒くことが出来たはずです
僕の場合は幸運にも(笑) FOXのアクロを見た初日に体験搭乗してGを喰らい精神的、肉体的に衝撃を受けてオチた訳ですから
やはり実物を見て感じてもらうのが一番だと思います。

今後も機会ある度に「グライダーアクロの魅力」と「曲技飛行への入り口」を伝えていきたいと思います。

今の日本では数千人、数百人に一人かもしれませんが”変わった鳥”は確実に日本の何処かに居るはずですから

最後になりましたが、
関係者各位のご尽力により素晴らしいデモフライトを安全に滞りなく実施できました
チームの一員として感謝申し上げます。

ありがとうございました。


グライダーエアロバティックチーム「RedFox Ⅱ」始動

2012年1月よりグライダーエアロバティックチーム”RedFoxⅡ”が結成されました。
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競技曲技飛行の認知、普及と選手育成の日本の基盤となるために活動していきます。
基本的な活動は競技曲技飛行トレーニングや異常姿勢からの回復訓練、ベーシックエアロバティックトレーニングであり
対外的な活動としては、グライダーでの曲技飛行を知っていただく為に、エアショー等でのデモフライトを行っていきます。
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エアショーで認知を広め、パイロットの勧誘、チームに参加、日本での基礎トレーニング
海外での集中トレーニング、選手権出場、の流れを作ることを目標とします。
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チーム内での僕の役割は”マネージャー”です。
「グライダー陸送から組み立て、地上支援、撤収」の運航全般から弁当手配まで何でもって事で
つまり、、、何でも屋(笑)
器用貧乏のお手本の様な人生を歩むタイラップですから、適任かもしれません

何でもやりましょう、やらせていただきましょう♪

もちろん僕の選手としてのトレーニングも順調(前途多難、進行遅々との評価もありますが)に進んでおります
「大人の部活」として一気に面白くなってきました!!
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“REDFOX2”としての初仕事は3月3日埼玉県熊谷市の妻沼滑空場で開催される
「全日本学生グライダー競技選手権大会」の開会式のデモフライトを行います。

パイロットは世界選手権アンリミテッドクラス9位の「梶 智就」さん

当日のスケジュールは未だ未定ですが、午前、午後の2回フライト予定です。
「グライダー曲技飛行がどんなものか?」興味のある方は是非遊びにいらしてください


初牽引 グライダートレーラー陸送♪

日曜日にFOXのトレーラーを車検に出す為に板倉滑空場から大利根滑空場へ陸送しました。
もちろん、牽引免許を取ったので今後の陸送要員としてOJTです。

0830頃に板倉到着、
滑走路横のトレーラー駐車エリアから格納庫前に引っ張り出して洗車
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車検を機会に一年分の埃を落とします。
冬の朝の手洗い洗車、最初は水が冷たいですが、そのうち麻痺してわからなくなります(笑)

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トレーラー内の片付けと書類の確認、
機体の固縛を確認していざ出発♪

最初は助手席から動きと減速感を掴んで、
残り30km地点から運転交代

初グライダートレーラーの牽引は、、、
おっかなびっくり(笑)

引いているトレーラーは約1200kg 長さ約8m 全長は12mほどになります。
慣性ブレーキは付いていますがABSは無いので急制動はジャックナイフを誘発するから絶対禁止
とにかく先を読みながら丁寧に、、、

ヒヤヒヤしながらも無事に大利根に到着
う~ん、、、変な汗が出る