雲まで行こう!!

雲まで行こう!!

今週末はグライダー曳航
先日、考察したフォワードスリップによる最大降下率でのアプロー チを試してみようと思いましたが、、、

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西高東低のガチ冬型
今シーズン初の北風の洗礼です(笑)
大陸の高気圧帯から吹き込む乾いた冷たい風が日本海を渡る際に湿度を含み
日本海に面した地域に積雪と雷をもたらし
山脈を超え、雪を降らせて再度乾燥した冷たい空気が山から吹き下 ろす。

冷たく乾いた「~下ろし」って北風になります。
(~は山の名前ね)
日本の滑空場の多くは河川敷に設営されているので
北風びゅんびゅんで超寒いのがオヤクソク

たから女の子が寄り付かないスポーツなんだよ、、、

って余計な事を嘆いていても北風が弱まる訳もなく
機体を準備している間に強い北西風が入って1030で5~7m/ s吹いてます。
dsc_4679

機体のエンジン試運転を終えて
朝のブリーフィングを済ませた頃には
本格的に吹き始めて10m/s(20kt)越えてきました
dsc_4681

dsc_4673
これだけビュンビュンに吹いちゃうと凄い事になります。
ただでさえ速度が遅いハスキーやグライダーが風上に進路を取ると
風に押されて進まない(笑)

飛行機等の空飛ぶ乗り物は空気の中を進むから、空気の流れ(風) の影響をモロに受けます。
たとえば、、、
対気速度 秒速27m/s(100km/h)で飛ぶ飛行機が 秒速27m/sの向かい風を受けると

27m/s-27m/s=0m/s

つまり対地的に全く進まない状況になります
悲しい、、、

この風の影響ですが、上空ほど風が強い傾向にあります。
ハスキーがグライダーを曳航している時の速度は70mph(マイ ル/時)=112km/h
10m/s(36km/h)の向かい風が吹けば対地速度は76k m/hになっちゃいます。
海外旅行で東西方向の長距離フライトに乗ると行きと帰りで飛行時間が違うのはコレが理由です。

ハスキーはエンジン付いてますから時間と燃料を注ぎ込めば解決ですが
深刻なのはグライダー
グライダーも向かい風を喰らうと情け容赦なく前進出来る距離が削られます。
つまり風が穏やかな日ならたどり着ける場所に届かないって事態になりかねない
基本的に強風は「初心者お断り」の気象状況って事です

上級者になると強風が山に当たる事により生じる山岳波(ウエーブ)を使ってより高い高度を目指すので
強風条件でも離陸します。
image2
山の風下側の大波を使って一気に高度を上げて、山脈に沿って高速飛行して一気に長距離を飛びます
酸素を吸いながら20000feet(6000m)以上の高高度フライトになることもあるんです!!

ッて事で僕も引っ張らなきゃならない、、、

僕の飛ばす曳航機が強風条件で問題になるのはもちろん着陸
風が真正面から吹いていればまだマシな方で
滑走路に対して横から吹く強風は泣きが入ります。
さらに風が強くなれば地上付近では建物や地形の影響を受けて乱気流や突風が発生します

だいぶ機体にも慣れてきましたが、強風が怖いことに変わりはありません、、、
ミスったら一瞬で機体を壊しますから

このフライトは板倉から北上して栃木付近の風の境目(コンバージェンス)を狙う曳航
6000ftまで昇ります
上手くすればウエーブにも手が届くかもってグライダー乗りの欲望丸出し(笑)


(15分近いので適当に送って下さい)

風の境目に出来た大きな雲の近くまでグライダーを連れて行ったら
運航費用節約で出来るだけ急いで滑空場に帰って着陸

風速10~13m/sは吹いちゃっている状況だと普通の着陸とはかなり違います。
先週のほぼ無風のフライトとは様子が違うのは見比べれば一目瞭然ですよね

エンジンパワーで吊らないアプローチを作るので風に流され押し戻される分を見越してかなり高い高度からアプローチを作ります。
風の影響でパス角が深くなってヘリの着陸みたいなスティープアプローチ

さらに僕の場合は「エンジンパワーを使わないアプローチ」=「スラストによる安定成分が無い」ので乱気流に対して安定成分が弱くなるのを修正舵で押さえ込む
(映像でも着陸進入で少しふらふらするのを抑え込んでるのが見えます)

地表付近の摩擦抵抗による風速減少(ウィンドグラジェント)による
アプローチ対気速度減少を見越して対気速度は風速の1/2分増速
計算はこんな感じ
10m/s (20kt) ÷ 2 = 5m/s(10kt)
10kt = 11.25mph増速
普段のアプローチは55mphだから66mph位でアプローチします。
この速度マージンを取らないと地表付近まで降りた際に向かい風が地面との摩擦抵抗で急激に弱まり、機体は対気速度を失い急激に沈下、
リカバリーに失敗すると落着して機体を壊します。

基本的に飛行機やグライダーは対気速度が急激に減少すると「安定性」により自然と機首が下がり降下して
対気速度を回復させますが
着陸寸前の場合は回復に使える高度が少ないので対気速度が十分に回復する前に地上に接してしまうって理屈です。

進路維持にも気を使う必要が増えて、、、
比較的高度が高い時は
8-15_crabbed_appr
あらかじめ風に流される量を予測して機体の進路を風上に振って狙ったコースと飛ぶクラブ
(カニ(クラブ)の横ばいが語源です)方を使い

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接地させるときは機軸と進路をそろえないとタイヤが斜めに接地して引っかかるので
機体が風に流されるのを機体を風上側に傾け横滑りさせて進路を維持(ウイングローって技術です)
して接地させます。

wing-low
エアライン機でも強風時はこんな勢いでウイングローしてます
手加減しないとエンジンぶつけそう(笑)

また着陸経路(トラフィックパターン)を飛ぶときにも風に流される分を予測してに風上に進路を振る「偏流修正(クラブ)」も大きくなります。
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こんな具合に無風状態と比べて強風状態での着陸は難易度が上がります。
セスナみたいな前輪式に比べ地上滑走での安定性が悪い尾輪式飛行機の強風&横風着陸って難しいんですよー


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