M-07 Concept 【ダブルカルダンジョイントへ変更】

今回の駆動系メンテナンスでもう一点新規部品を投入

「ダブルカルダンドライブシャフト」

M.07の標準フロントドライブシャフトは
「シングルカルダンドライブシャフト」
最近気になってきたのが
旋回中の走行抵抗の大きさ

減速一次旋回での速度落ちが大きく、
舵角が深くなるほど走行抵抗が増えてブレーキが掛かった状態になり
フロントOut側タイヤに荷重が集まって
高ロック率のLSDでIn側タイヤにバックトルクを逃がす事が出来ないのでアンダーステアを誘発、
荒いステアリング入力だと一気に横転しちゃう

加速二次旋回は
ワイドラインを取ってコーナーのつなぎ区間を緩い曲線で結ぶと明らかに加速が鈍い
トルク落ちしてヘロヘロ加速になっていた時期に特に顕著に表れていました

標準装備のカルダン(ユニバーサル)ジョイントは

「とりあえず駆動力を伝えてステアリング操作できます」って部品で
折れ角が大きいフロントドライブシャフトで使うには不向きなジョイント

操舵時に走行抵抗が増えるのは、
カルダンジョイントは「不等速ジョイント」で
定速回転する入力側に対して、
出力側は加速～減速～加速を繰り返す不等速特性を持っている事が原因
sketch-1619070676523

定速回転でのトルク変動はタイヤたわみを戻すことでスリップ率限界付近でトラクションを生みますが
回転変動はブレーキング現象しか生まないので「百害あって一利なし」
※現代の実車はもちろん全て等速ジョイントになっています
不等速だったら乗ってられないよ(笑)
（FWD創成期の車は不等速ジョイントだったらしい）

って事で等速化して走行抵抗を下げるには
実車だったら、ハブ周りのスペースを使って溝とボールを使ったCVJ(こんすたんとべろしてぃじよいんと)なんですが
images
1/10スケールのRCでコレを作るのは機械加工が大変

って事で不等速のカルダンジョイントを2個つないで等速化したのが
「ダブルカルダン　ジョイント」
sketch-1619070774489
ハブ径方向で難しければシャフト方向を使って作ろう！って考え方ですね～

<br />

部品が小さくて組立てが大変だけど、
構造は実に簡単

2個のカルダンジョイントをジョイントドラムで接続しただけの部品、

ポイントになるのはジョイントドラムに接続したカルダンジョイントの位相
「必ずジョイントピンを平行状態に組み立てる事」
sketch-1619070008200
ここを間違えて90°位相がずれると、
不等速状態になって高価な部品の意味がない（笑）
sketch-1619070726472
※実車だと、
ステアリングシャフトのカルダンジョイント位相を間違えて組むとメチャクチャなステアリングフィールになります（笑）

この高価な部品を採用したもう一つの理由は、
ジョイント部分の直径が小さい事

アルミアップライト化した時に
わずかなベアリングの振れでアップライトとユニバーサルジョイントのスナップリングが干渉したので

スペース的に余裕があるダブルカルダンジョイントを使えばトラブル回避になります

で、、、取り付けなんですが
M-05のアルミアップライトを使っているからM-07用のダブルカルダンジョイントはそのままじゃ取り付けできない

M-07説明書通りに内側にt=3.0㎜のベアリングを組めば、アップライト部分のスペース不足で折れ角が全くなくなり

内外両側にt=4mmのベアリングを組むと
もちろんアクスルシャフトが短くてハブのピンが通らない

それなら外側にt=3.0mmを組むと、
わずかにアップライトと干渉してハブのピンが入らない
アップライトを削れば外側にt=3.0mmベアリングで取り付け可能ですが
デミオ君は「初心者の練習車」なので
ブツける事を前提として耐久性と耐荷重を稼いておきたいので
t=4.0mmのベアリングを使えるように改造

って言っても部品変更なのでちょー簡単