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安全講習会

正月早々に安全講習会に行ってきました。
講習内容は、
「最近の法改正(特定操縦技能の審査)」
「運航に関する注意事項(ピストの運航判断)」
「グライダーの性能」
「気象入門」

今回の講習会のトピックスはやはり「特定操縦技能の審査」でした、、、
これはICAO(国際民間航空条約)締結国では常識となっているフライトレビューの概念を航空法で定め義務化したもので、
2年に1度技能審査を受けなければ機長としてフライトすることが出来なくなります。

まぁ、今までのようにペーパーライセンサーを野放しにしておくより、「安全を確保するために必要な一定の知識と技量を保つ」ための制度なので、
復習に励むしかありません♪

僕は飛行機と滑空機の2回受験でOKですが多種類ライセンサーの人は悲惨ですね、、、 


Guinand Cap Aviator model

晴天の飛行場や河川敷の滑空場で一日中動き回るスカイスポーツって結構過酷なアウトドアスポーツなんです。

グライダーやアクロ機は広い視界を確保するために、アクリル製のキャノピーに覆われているので、温室状態
冬はコクピットに乗り込みキャノピーを閉じれば眠くなるほど暖かいのですが、、、
真夏の離陸前のコクピットは炎天下のサウナ状態、1000m近くまで上昇すれば温度が下がって快適ですが、
日射のキツさは変わりません

もちろん帽子とサングラスは必須アイテムです。
最近はギナーンさんから頂いた帽子を使っているのですが、一点だけ改造が必要なポイントが、、、

帽子のてっぺんのココ、、、、
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殆どの帽子についているボタン 「天ボタン」って言うらしいんですが、
このボタン、危険があぶないです(笑)

コクピットって結構ぎりぎりに作っていて、キャノピーと頭のクリアランスって拳一つ分ほどしかありません、
静穏な空をのんびり飛ぶだけなら何も問題はありませんが、上昇気流を追いかけるグライダーの飛び方は、
見方を変えれば「わざわざ乱気流に飛び込みに行く」って事になります(笑)

飛行機やヘリコプターパイロットたちが天気図を眺めて、
「山岳波による晴天乱気流発生して荒れているからこのルートは避けよう、、、」って話している横で
グライダーパイロットは同じ天気図を見て、、
「ウエーブ(山岳波)が出るかも♪ 3000mまで昇るチャンスだー 飛び込めぇ♪」
そんな彼らを横目で眺めながらアクロパイロットは、、、
「僕はお留守番、皆が出掛けたら飛行場上空でアクロするから、離陸したら夕方まで一日キッチリ遊んで来いよ~」 

ってな具合にまったく飛んでいる空が違っていたりします。

もちろん全ての上昇気流の中が荒れているって事はありませんが、
強力な上昇気流が出ている時はほぼ大荒れです。
4点式以上のシートベルトで体を固定していますが、アクロ機みたいにギチギチには締め込まないので上半身は結構動き、
飛んでいて不意に強い下降気流にぶつかったりすると、「叩き落される」って表現そのままに体が浮き上がります。
田んぼのあぜ道を軽トラでブッ飛ばす位の荒れっぷりです(笑)

乱気流の中を飛び振り回されてキャノピーに頭をぶつける危険性もあるので、帽子のてっぺんにボタンが付いていると
文字通り「頭蓋骨を貫く」激痛が走ります(笑)
帽子をかぷってから、頭のてっぺんをジャンプでひっぱたいてみれば痛みがわかります。
(強くやらないでくださいね、、、頭蓋骨陥没しちゃいますから)

さらにキャノピー側も応力集中で割れてしまいます。

キャノピーが町のディーラーに行って交換部品5万円で購入できれば良いんですが、、、
ここまでマイナーな小型機&グライダーの世界、アホらしくなるほど高価で納期未定だったりします。
ちなみにエクストラ300のキャノピーは300万円程らしいです、、、
絶対に壊せない、、、

って事で、ニッパーを使って天ボタンを撤去、
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これで頭蓋骨とキャノピーの平和が守られました。

あなたも帽子をかぶってる時に暴漢に襲われ”天ボタン”を狙われた場合とても危険なので、外してみてはいかがでしょうか?(笑)


全日本曲技飛行競技会!!

10月6~8日は福島県のふくしまスカイパークで「第3回 全日本曲技飛行競技会」が開催されます。

毎年恒例のこのイベントにジャッジとして参加します!!

ジャッジとしての必要な知識の復習も必要なので、イベント前日の5日に行われるジャッジスクールにも参加しました。
選手、ジャッジ、イベントオーガナイザーともにレベルUPしていて、
昨年までのプライマリークラス スポーツマンクラスに加えて 今年からインターミディエト クラスが加わります。
競技構成も昨年までは”Known”だけでしたが、インターミディエトが追加されることにより ”Known” “Free” “Unknown”の3構成になり、競技のとして更に奥深くなります

競技機は昨年と同様のスーパーデカスロン&FA200に加えてピッツS2Bが加わります。

もちろんジャッジ陣も公正な採点が出来るように眼を鍛えなきゃなりません!!
さて、今年の福島はどんな3日間になるか!?
今から楽しみです♪


2011年 全日本曲技飛行競技会

今年で2回目の全日本曲技飛行競技会、
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今年の競技機はスーパーデカスロン、
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こんなノンビリした格好していますが、背面飛行も可能な立派な曲技機です!!

この1年で曲技飛行を少しは学んだので、昨年に比べ更に楽しめました。
タイラップはジャッジ&ジャッジアシスタントとして参加
今後、グライダーで選手として飛ぶときにも
「ジャッジが何を見ているか?どこまで見えてしまうのか?」
を知ることも大切な要素になると思います。

金曜日のジャッジスクールで採点基準を教わり、
初日の予選はジャッジアシスタントとして、科目の読み上げと記録
(点数とコメント)
採点も大切ですが、コメントを残す事も同じくらい重要、
採点方法は10点満点からの減点方式、つまりは「ダメ出し」ですから、
後でパイロットから減点理由を問われた時に的確に減点内容を伝えなければ、次回のフライトに活かせません

この採点の基本は5度ズレたら1点減点、修正も1点減点、って厳しい世界
科目の中でのスピンやロールの角度誤差、飛行方向X軸Y軸からの姿勢のズレをカウントするので
極端な例だと、25度スピンの停止がズレて、正しい姿勢に戻したら、ズレで-5点 修正で-5点、この科目はいきなり”0”点となります。
科目(フィギュア)毎に採点を進めて、最後に「プレゼンテーション」として見栄えに関する採点をして集計となるのが競技と採点の流れです

去年のジャッジ席は山の中で、熊や猿のテリトリーでしたが
今年は滑走路端ですか人間のテリトリー
飲み食いの心配は無いし、トイレにも行ける素晴らしい環境(笑)

朝のブリーフィング後の離陸前点検から一日が始まります。
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室屋さんがエクストラ300でジャッジの目を馴らす為のウォームアップフライトを実施
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競技開始前の駐機場、、、
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作戦を練っているのでしょうか!?

全ての点検が終わり、いよいよ競技開始です。
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初日の予選はジャッジアシスタントとして目を馴らし、2日目はいよいよ正ジャッジ
採点を行うにあたって、飛行姿勢を重視 飛行姿勢は0度、45度 90度 135度 180度、、、の45度刻み
採点表を止めているバインダーの上に紙を折って即席の3角定規を付けて飛行姿勢をできるだけ正確に判断します。

で、「飛んでいる飛行機の姿勢変化や飛行方向がそんなに見えるのか?」って思われますが、、、
目が慣れるとだんだんミスが見えてきます。

とにかく難しいのは、「自分の感覚を一定に保つ事」、最初のフライトから最後のフライトまで、公平にするのが難しい、
人間ってブレるんですよね、見れば見るほど目が肥えてしまう、、、

実際の競技の見え方は、こんなカンジ、、、

室屋さんが飛ぶスポーツマンクラスのデモンストレーションですが、僕の目だとミスが見つけられません、、、
飛行経験やジャッジ経験が豊富な方々は、容赦なくダメ出ししてます(笑)

競技飛行毎に採点に悩み、公平な採点を考え 見つけたミスには情け容赦なく減点!!
競技最終日ともなると、機体と空域になれることもあり選手の技量も向上してくるので、採点がだんだん難しくなってきます。
明確なミスが見つけられなければ、減点できませんから
ジャッジは難しいけど、フライトとは違った面白さがあります

来年は更に上級のクラスも競技に入ってくるのでジャッジとしても目と知識を鍛えなければ、、、

競技が終わった後のお楽しみの室屋さんのデモフライト、

ストイックな競技フライトとは異なり、お客さんを魅了する華やかなエアショーフライト
低高度での科目もあり迫力ありますね~
飛行機の動画の撮り方も少しは出来るようになってきたかなぁ、、
今回のミスはピントを無限大に固定しなかった事ですね(笑)

大会の最後のシメの表彰式、
スポーツマンクラスの上位3名でのスパークリング日本酒ファイト!!
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勝った人は日本酒臭い(笑)
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震災や事故による機体及び人員喪失の後での開催に不安を感じていましたが、天候にも恵まれすばらしい大会でした。
来年は更にハイレベルな大会になりそうです。

いつか選手としても参加してみたいなぁ~


明日から福島に行ってきます。

明日の夜、「全日本曲技飛行競技会」のお手伝い&観戦に出発します。
会場は福島県のスカイパークふくしま
M3を使う予定ですが、神奈川からの移動距離は大体370km
震災の影響で東北自動車道の路面状態がわからないので神奈川県から4~5時間ってトコでしょうか、、、

7日はジャッジスクールに参加
8~10日はジャッジアシスタント&会場でのお手伝いの予定です。

4日間の「飛行機漬け生活」非常に楽しみです♪