ストーブ不具合発生により緊急要請

町に住むの母親から緊急要請
「ストーブ点けたら ボソボソ言ってから消えちゃう!」

完全に「便利屋」扱いだけど、
火事出されても困るし
一酸化炭素中毒で死なれちゃたまらん
って事で急遽ストーブのメンテナンスです
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年期の入った「ダイニチ製ファンヒーター」だけど、「枯れた技術」で作られた簡単には壊れない代物

試しに点火して様子を見ると
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点火後数分で炎の色が赤くなり

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自動消火でエラーを吐く(E2とE3)

まぁ、、、
原因は単純で引導渡してなきゃ良いんたけど、、、

このパターンの故障は大抵は燃料なんだよね
たぶん古い灯油入れたな、、、
「去年の冬に残した灯油」を使うとストーブ壊すから絶対にダメです。
変質してインジェクターにカーボン貯めて壊れます。
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最初は灯油タンク下のフィルターを確認

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それなりにゴミが溜まっているなぁ
このフィルターは水も漉し取る機能もありますので 掃除する時は水洗いはせずに
綺麗な灯油ですすぎます

フィルターを外したら灯油受皿の中に残った灯油をスポイトで全て抜き取ります
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抜いた灯油を確認すると、、、
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変質したうえにゴミだらけ
あらぁ、、、これはヤバいかも

この状態だと灯油入れ替えだけじゃダメそうだから
もう開けちゃいましょ♪
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カバーは前面と側面でスクリュー止めされているのでドライバーでグルグル
燃焼室カバーも前面に2本スクリュー止めと爪で止められているシンプルな構造

サクサク分解して燃焼室は大丈夫みたい、、、
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イグナイターとフレームセンサーを軽く磨いてOK♪

燃料系で怪しいのはやっぱりインジェクター
細かい部品で出来ているのでゴミやスラッジ、タール、カーボンが溜れば一発で詰まります。

って事で早速インジェクターに掛かります
最初にデリバリーチューブとリターンチューブを外して
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ヒーター、ソレノイド、サーモセンサー各配線のコネクターをメイン基盤から外す
インジェクターブラケットを止めているスクリューを2本外せば
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インジェクターユニットが外れます

インジェクターユニットをソレノイド部分とインジェクター&ヒーターに分解
インジェクター&ヒーターを更に分解します
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インジェクターのリターンチューブ部分をプライヤーを使って引き抜きます
この部分は圧入されていてОリングで止まっているだけなので慎重に取り外します
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中にはリターンバルブとスプリングが入っているので「お約束」に要注意です。

「飛ばすなよっ! 無くすなよっ!」

ぴんっ♪

「あ、、、」

わかっていても止められない一瞬ってありますよね(笑)

さて、インジェクターボディからニードル一式が出てくるはずなのに
ビクともしない、、、

ンな馬鹿な!
もう何も繋がっていないのに取れないなんて
ニードルボディをプライヤーでつまんで引っ張ったら
「ぞりぞりぞり、、、、」って何かに擦れて引っ掛かるような手応えで
何とかニードルが出てきましたが

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半端ない汚れっぷり
これ動いてなかったんじゃない?

触ってみると結構硬くてカーボンみたいです
燃料ポンプで送られた灯油がヒーターで温められてインジェクターのニードル部分を通る際に不純物が溜まっていくんですね

ニードルの掃除はやすりとかでゴリゴリ攻めちゃうと曲げちゃったり先端部分を折っちゃったりするので
プライヤーでつまんでガスコンロやバーナーで焼き切ります
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ガスコンロやバーナーの炎にかざすとカーボンがチリチリと燃えて剝がれます
一通りカーボンを焼き切ったら自然冷却させて
軽くサンドペーパーで磨く
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バッチリです

次にインジェクターボディのカーボン取りですが
インジェクターボディのヒーターを使います

ストーブの燃料ポンプの配線コネクターを基盤から外してポンプを止めます
次にヒーターのコネクターを基盤に接続してインジェクターボディ&ヒーターをプライヤーでつまんで(高温になるので火傷注意)
ストーブ点火!

しばらくするとヒーターでインジェクターボディが加熱されて「空焚き」状態になり
カーボンが焼き切られます。
(白っぽい煙が出てきてパチパチ言い始めます)

ストーブのコンセントを抜いてヒーターを止めて、火傷しないように注意しなければインジェクターボディを針金で耳掃除の要領でポリポリ掘ると
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カーボンごっそり(笑)

これを数回繰り返して掃除すると
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インジェクターボディもバッチリです。

インジェクターユニットのメンテナンス完了♪
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バイクのキャブより簡単な構造ですねー
ストーブ本体にインジェクターユニットを組んで配線コネクターを接続

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燃焼室を最後に再確認して燃焼室カバーを取付て
フロントカバーを止めて作業完了

早速、燃焼させてみると
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なかなか調子良いです
着火は早くなったし熱量も増えて暖かい!
運転も安定しているのでしばらくは大丈夫かなぁ、、、

不具合に原因はシンプルで、
長年の使用でインジェクター部分にカーボンが溜まり、燃料の量を調整するニードル(針)が固着気味になり燃料の量が調整出来なくなっていました。
インジェクターをオーバーホールしてA/Fの追従を正せば一発で復活します

再発したら燃料ポンプとセンサー見直し、インジェクターボディの酸洗いだな、、、

しかし
今回は会社帰りに直行しちゃったから工具が酷い(笑)

かき集めた工具は
BMWの車載工具、
ビクトリノックス、
クリップを伸ばした針金
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まともな工具なら労力半分だなぁ

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