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ポーランドのソアリング動画

You Tubeで欧州のグライダー動画を見ていたら、

なんか覚えのある景色だなぁ、、、
2012年のポーランド遠征の時に選手権の帰りに立ち寄った”ジャール滑空場”でした。
湖の畔の山の斜面に作られた滑空場で山の斜面を湖に向かって”駆け下りて離陸”
ちょっと怖そうです、、、

登場する機体はシェンプヒルト社製 ”デュオ ディスカス” 高性能複座機です。
湖の上空で離脱して、上昇気流を捕まえて3000m以上へ昇っています。
(パイロットはもちろん酸素を吸っています)

グライダーで高高度長距離飛行も魅力的です、、、
雲の上の美しい世界をずっと飛んでいたいなぁ

同じくジャール滑空場の動画で、機体はSZD-56 Diana2 サイドスティックのSZD社の高性能単座機でのフライト

2機でじゃれ合うように自由に飛んでいます。
(ちょっと自由すぎないか、、、!?)

アクロで機体の操り方と空中感覚を覚えて、ソアリングの練習を重ねれば彼らと同じ世界に入って行けるかな、、、


機体修理とトレーラー車検

FOXは先週からトレーラー車検と機体整備に入っています。
年に一度のトレーラー車検、今回は小山滑空場にあるウインパルさんにお願いするので、約30kmほど陸送
機体整備はテールバー(地上ハンドリングの取っ手)の修理です。

テールバーは先日の運航の時にジュラルミンの腐食で力を入れた瞬間に「ぱりっ」と軽い音と共に取れちゃいました、

その瞬間、「あ~こわしたー」とジト目で見られる、、、

「どう見ても腐食ですっ!こんなにモソモソになってるじゃん!!」
って言ったところで「トドメをを刺した人が壊した人」になるのがこの世界の恐ろしいシキタリです、、、

壊れた物は修理しなきゃならないので、トレーラー車検に合わせて格納庫で修理開始です
まずは僕が介錯したジュラルミン製のテールバーの残骸をリューターで削って機体から取り外して
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新しくステンレスチューブから切り出したテールバーをエポキシ接着剤で接着
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この上からFRPで補強するのですが、

ちょっと違うのが樹脂の種類と作業方法
普通のFRPで使われるポリエステル樹脂ではなく、
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さらに高強度のエポキシ樹脂
使ってみたいけど、高価なんですよね、、、、

このエポキシ樹脂をガラスクロスに含浸させる方法がちょっと違って
母材にクロス(マット)を乗せて、樹脂を塗り、脱泡ローラーで密着させるのが一番単純でポピュラーな方法ですが
今回のFRP修理方法は航空機修理に用いられる方法で
ビニールシートにガラスクロスを置いて上からエポキシ樹脂を塗り
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ビニールシートで挟んでヘラで脱泡と余分な樹脂を絞り出す。
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出来上がったシートをビニールごと必要な大きさに切り出せるのでパッチ当て修理を行う
樹脂も必要最低限に搾れるしサイズも適切に切り出る良い方法です。
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くっつける相手に樹脂を薄く塗ってビニールを剥がしてシールのように張り付けて
ビニールの上から指で十分に馴らして
ピールクロスを張りさらに余分な樹脂を吸い取る
樹脂硬化後にピールクロスごと余分な樹脂をぺりぺりと剥がしてしまいます。

FRP補強完了
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プロは仕事が早くて綺麗です、、、
勉強になるなぁ~
構造部材になるとクロスの種類と繊維方向の指定と「何度で何時間温める」ヒーティングの工程があるそうです。

接着と補強が終わったら不要なバリをアングルサンダーで削り落として
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塗装して出来上がり
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僕が出来ることはコクピット内のお掃除とキャノピー磨き(笑)
「たかがお掃除」とバカに出来ないのがアクロ機で、とにかくゴミは大敵

掃除が不十分な機体でアクロを飛んだ後は、髪の中から色々なゴミや砂が出てきます(笑)
飛んでいる時も砂埃が目に入りそうになって気が散ったり、枯草が目の前をふわふわ飛び回ったりで鬱陶しい、、、
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コクピットから外せるものは出来るだけ外して、掃除機であらゆる隙間を吸いまくる
アクロ科目でいろんな方向に振り回してGを掛けちゃうので、思ってもいない場所にゴミが入り込んだりしています。

一通り掃除が終わったらキャノピー磨き
アクリル一体成型のキャノピーは傷が付きやすいので、良好な視界を保つために事あるごとに磨いて傷を取っています

磨き材はバイクのスクリーン磨き等でちょっと有名な”ミラーグレーズ”
クリアプラスチック磨きの液体コンパウンドです。
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最初に白いボトルのNo17(スクリーンクリーナー)で大きな傷を磨き落として、
仕上げは紺のボトルのNo10(スクリーンポリッシュ)で全体を磨いて完了


簡単に綺麗になりますが、

アクリルをネル布で磨くので、、、、
仕上げ拭きをしているとウエスからパチパチと音がして、毛が逆立つような”もわっ”とした感覚
物凄い勢いで静電気が帯電していきます(笑)

一方車検上がりのトレーラーは板倉から30kmほど離れた小山滑空場から陸送です。
トレーラーの重量に負けないように重いクロカン4駈に繋いで、連れ帰ってくるのですが、、、
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毎度ながら、長いんです、、、

連結部分からトレーラ輪まではそんなじゃないけど、4tロング級のオーバーハング!!
気を付けないと結構な勢いで振り回して薙ぎ払っちゃいます

おっかなびっくり帰ってきて整備の終わった機体をトレーラーに戻して作業完了
女狐は巣穴に戻って一安心の様子(笑)
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これで2月9日からの合宿運航はバッチリです♪


今日は地上でお手伝い

日曜日はアクロトレーニングが無かったので、富士川滑空場へソアリングに行きましたが、、、

朝、眼が覚めたら0800
見事に寝坊して出遅れました、、、orz

M3に乗って大急ぎで滑空場に向かい、機体を組んで点検を終わらせて離陸準備を終わらせて離陸のタイミングを図っていると、、、

「ピストお願いできる?」と声を掛けられて、
「え、、あぁ、、、」なんてナマクラ返事している間に無線と発航記録を渡されてしまう

グライダー運航での「ピスト」業務は、、、
グライダーの離陸時間、着陸時間の記録
無線機で飛行機やグライダーへの情報の提供
地上での駐機位置や出発順の調整
搭乗順番の整理
フライト後の会計
などなど、、、
まぁ、、、パシリですね(笑)

コレが結構忙しくて、
管制塔ではないので管制権(命令)はありませんが、着陸順番程度の交通整理しなきゃなりません

しかも
飛行機、グライダー、モーターグライダーで着陸進入速度は違ったり
Touch-and-go(連続離着陸訓練)と着陸機が重なったり
グライダーはエンジンが無いので着陸のやり直しは出来ない&着陸後自分で動けない
ベテランもいれば初単独飛行の練習生も飛ぶ、
何故か滑走路に入りたがる通りがかりの観光客やカメラを構えた人たち
(立ち入り禁止になっているのは、ぶつかったら即死するからです。クラブ員に話しかければいくらでも見学できます)
などなど、、、不確定要素満載です。
運航している機種や運航体系が増えるとリアルタイムで進行する”段取りパズル”になります。

この日はグライダーx3 モーターグライダーx2 飛行機x2
結構忙しい、、、orz

結局、自分が組んだ機体は後から来た会員さんが乗って飛び立ちソアリングを満喫中(笑)
積み上げられたおやつをカジリながら一日中無線でしゃべってました、、、

夕方になって「今日は飛ばないの?」なんて声を掛けられてもねぇ~

まぁ、普段楽しませてもらっているので、たまには地上でお手伝いもしなきゃね♪


2013年アクロトレーニング開始!!

板倉滑空場で2013年の初アクロバティックトレーニングを行いました。
年末から調子が上がってきているので、出来るだけ間隔を空けずに練習して良い状態を固めてしまいたいです。
3回の練習フライトを行ってみて、、、
全体的な感触は相変わらず良く機体の重さを感じない、自分の手足が舵面になって直接空気に触れているような感覚
この感覚だけでもFOXに乗る価値があります。

余りに調子が良いので、シーケンスの中のエルロンロールとハンマーヘッドを苦手の左エルロンロールと右ハンマーヘッドに挑戦

が、、、見事にぐだぐだ、、、

エルロンロールは軸が曲がるし高度は下がる、去年苦しんだ状況の再現
ハンマーヘッドは綺麗に反転できず、垂直上昇から「よくわかんない姿勢」でグチャグチャに100mほど自由落下
調子に乗るもんじゃありません(笑)

それでもチャイニーズループ(ループの頂点でエルロンロール1回転)は形になるし、
インメルマンターンは既に得意科目の領域に
昨年は全く形にならなかったのに!?

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グライダーの上達は人間が普段使っていない”3次元空中感覚”の開眼なので理屈じゃない部分がありそうです。
インストラクターの玲子さんが言っていた「とにかく100回飛べは世界が変わる」を実感しています。
去年の選手権から体が順応してきたようで、-Gマニューバーもあまり不快を感じる事も無くなり
不要な緊張が取れて”空に解放される”感覚があります。

同時に飛べない週末に、技量低下を恐れる「焦燥感」や翼を失う「喪失感」を強く感じるようになりました。

この日はBAT(ベーシックアクロトレーニング)受講生も一緒にトレーニング
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離陸前になると皆ニヤニヤし始めます(笑)
好奇心や向上心に年齢制限はありません♪


2013年初フライト!!

1月6日(日)は2013年の初フライト、

天候も良く上空に寒気が入りサーマルが期待できる予報でしたが、薄曇りの空で日射が弱く
コアの上昇率は高いけど小さいサーマル、、、
いくら単座機で小回りが利いても小さすぎて入れません、

山の斜面に張り付くように飛ぶと帯状の弱い上昇気流帯が出ているのを発見、
山の斜面が日射により温められて斜面に沿ってユラユラと立ち上っているみたいです。
リッジソアリングのように斜面を数回往復して”0粘り”で状況の変化を狙うも旋回の度に高度を失うジリ貧状態

高度を失って滑空場に戻ってみると、ほぼ同高度に単独飛行2回目の練習生が飛ばすASK-21が旋回している
サーマルを探して粘ることを考えたけれど、粘り切れないと練習生と同時進入になり、練習生に過大なストレスを与えることになるので
ケチケチせずに先に降りる事を決断

高度300mを切ったところでDownwindコールを入れて、時間短縮のため速度高めでパターンを回りファイナルで一気にエネルギーを捨てる方針
ピストからの指示は通常の接地点より奥に伸ばして滑走路の中間位置より先に着陸させる”ロング”の指示

滑走路を空けて”訓練生のノーマル着陸の邪魔をするな”って事ですね、、、

ファイナルアプローチのエイミングポイントを通常の滑走路起点から滑走路接地点に合わせてパスを奥に平行移動
進入速度を通常進入速度に合わせて、ダイブブレーキでエネルギー処理
対地1mほどでダイブブレーキを徐々に畳んで接地点を伸ばして帳尻合わせて着陸
着陸後、急いで機体を滑走路脇の芝生に押し出して滑走路をクリア

ちょっと慌ただしい2013年初フライトでした♪