325i Cabrioletのデフオイル交換に続き
M3のダンパー減衰力調整です。
スプリング比較の後はあまり変える気にはなりませんでした、
良いフィーリングが現れてきたので減衰力調整もそろそろ完了しそうです
山に引越しして環境が一変
街乗りは325i Cabriolet
ワインディングで運転を楽しむならM3
って完全に用途が分かれました。
まぁ、、、
「高レートスプリングを組んだM3で街乗りしても疲れるだけで楽しくないでしょ(笑)」って事で、
「ワインディング専用車」になったM3のダンパー減衰力をもう少しだけ高めて
「ワインディング仕様」に特化させます。
今回、設定した減衰率は、メインレートの臨界減衰力の35%
スポーツ走行セッティングとしては低めの減衰率になりますが
トリプルスプリング(リアはツインスプリング+ヘルパー)の特性で姿勢変化は十分抑えられます。
トリプルスプリングの特性と減衰力の関係を整理するとこんな感じになります
1.2G以上の高レート領域 : スプリングレートに対して減衰力が低い
0.7~1.2Gメインレート領域 : スプリングレートに対して適正な減衰率
0.7G以下の低レート領域 : スプリングレートに対して減衰力が高い
(リアはツイン+ヘルパーなので高レート領域はつかっていません)
つまり0.7~1.2Gのメインレートより大きな荷重が掛かり高レート領域に入ると縮んだスプリングに対して減衰力が低い状態なので
「早くメインレート領域に戻る」事になり
旋回中のロールによるIN側や加速&減速によるピッチングにより荷重が抜けて0.7G以下の低レート領域に入るとスプリングレートが下がり
減衰力が高い状態になるので
「サスペンションが伸びにくい」状態になり姿勢変化を抑えます。
つまりスプリングレートと減衰率の双方で車の姿勢変化を抑え「フラットな姿勢」を保とうとします。
これは前後左右4輪の荷重変動(移動)を少なくして4輪のタイヤのグリップを高く保ちます。
タイヤは「荷重変動(移動)が起こると限界が下がる」特性があります。
押し付けられたタイヤのグリップが増す量より、荷重が抜けたタイヤのグリップ減少の方が大きいので
荷重移動が発生すると4輪の総グリップは下がります。
「足を固めるとグリップが増す」そして
「姿勢変化が大きいサスペンションが限界が低い」理由です。
ツイン&トリプルスプリングによる姿勢維持特性
ノーマル車高による適切なアーム角度が作るアンチダイブ&スクワットジオメトリ
適切なロールセンター高によるロール&ピッチ剛性
豊富なストロークによる路面不正に対する許容性
とにかく「効率第一」で作ってます。
さて、、、
希望の減衰率をエクセルの計算シートに入れて調整角度を求めたら
ジャッキUPして作業開始
KONIは一度ダンパーを取り外して、一番縮めた位置でダンパーシャフトを廻すと減衰力が調整できます。
力任せにダンパーを縮めてシャフトを廻すのは大変なので、
「古いアッパーマウント」と「ストラップ」を使って縮めた状態に固定してしまえば
簡単に調整できます。
調整後に一回りして様子を見ると
減衰を高めただけあって安定感が高くなり好感触
縮み側減衰力は変化しないKONIの特性から乗り心地はあまり変化なし。
途中の微調整で少しフロントの減衰力を低めにして「こんなもんか?」って感じです(笑)
サスペンションストロークをたっぷり取って乗り心地に大きな不満も無く、
ワインディングでも姿勢変化を抑えてピタリと安定するようになってきたので、
仕上がりは近いのかな?
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荷重移動と荷重変動は、使い分けた方が良いと思います。ロングストロークサスの場合、大きくロールしても、ダンパーが減衰するので、輪荷重の変化は少ないです。ダンパーの減衰力の範囲内の荷重変化を荷重移動、それを越えたロールアンダー状態を荷重変動と黒沢元治さんは、使い分けていました。特に、雪道や氷雪路では、純正の柔らかい脚の方が、限界が高くなりますので、「足を固めるとグリップが増す。」「姿勢変化が大きいサスペンションが限界が低い。」とは、一概に言い切れません。もちろん、こんなことは、ご存知だと思いますが、若い人とか、知らない人も結構多いです。この前、元WRCエンジニアが「スノーテストとか、ノーマルサスでやったりしたよ。」と聞いて、ビックリしてた若い子がいたので、念のため誤解の無い様にです。