AK-12 マーチ君のスタビライザー交換の効果を地図にプロットしました
今までの大先輩の開発経緯は、
吊るしのブリッツZZ-Rのスプリング仕様だと
前後バネ上固有振動数差が−0.03Hz付近でフロントが硬く
平均バネ上固有振動数が1.8Hz
ノーマルより左上に位置するので
フロントスプリングレートを下げて
直進性&トラクション向上とスロットルコントロールでピッチングが表れる乗りやすい方向に変更
前後平均バネ上固有振動数 1.7Hz
前後バネ上固有振動数差+0.2Hz
ただし
同時にフロントロール剛性が不足するのでダンパー減衰力にツケを回した仕様
コレでも良く走りますが
荷重を受けて支えるのはスプリング&スタビライザーなので
スタビライザーを強化してロール剛性バランスを整えました。
スタビライザーの諸元を並べてレート差を求めると
AK-12用
54611 4V01A
Φ18.0
YK-12用&12SR前期
54611 4V11A
Φ20.0
ティーダ & 12SR 後期
54611 EW01A
Φ22.0
スペックを確認して今回はAK-12用→YK-12用&12SR前期に変更
この仕様変更で
車両運動による荷重はスプリング&スタビライザー、バンプラバーで受ける事になり
ダンパーはストロークスピードを調整する本来の仕事に専念できる
本来ならフロント&リアのスタビライザーホイールレートを求めて
スプリングによるホイールレートに加えて
ロール軸での前後バネ上固有振動数バランスを見るのが正しいグラフだけど
フロントスタビライザー換装によるホイールレートの変化量を使ってフロントバネ上固有振動数変化を見ています
このスタビライザー強化の効果は大きく
真っ直ぐ走る時は
フロント<リアの+0.2Hzの前後バネ上固有振動数バランスで
トラクションと直進性を確保
旋回中は
ロールする事によりフロントスプリングレート+強化されたフロントスタビライザーレートにより
フロントバネ上固有振動数が高くなる事で
前後バネ上固有振動数差が−0.02Hz付近まで少なくなり
ステアバランスがアンダー→ニュートラルに変化してグイグイ曲がる特性になります。
旋回加速時のトラクション性能は
クリップ付近での旋回はスタビライザーが効いていてニュートラル傾向ですが
旋回加速後半でロール姿勢から戻るに従いスタビライザーの効果が少なくなり
前後バネ上固有振動数差が大きくなり
トラクション性能が向上します。
さらに今までフロントロール剛性不足を補う為にダンパー減衰力を高めていたので
フロントダンパーは過減衰状態でしたが
フロントスタビライザー強化によりダンパー減衰力を適正化出来るのでしなやかに動く
直進状態と旋回状態で
前後バネ上固有振動数バランスを都合よく連続変化させている事が
「良く曲がり良く進む理由」だと考えます。
更にもう一つ見えてきたのが
「リアスタビライザー無しでも成立する理由」
廉価版グレードだと省略されるリアスタビライザー
無くても走る理由は
スプリングにより作られる基本的な前後バネ上固有振動数バランスが直進性を作り
旋回加速時にはアンダーバランスになるように
フロント<リアで設定されるので
フロントスタビライザーで旋回中のステアバランスを補完すれば成立出来るからですね
高性能仕様にするなら
欲しいロール剛性を作るためのスタビライザーレートを計算して
フロント&リアスタビライザーの基準レートとして設定し
フロントスタビライザーに
「旋回中のステアバランス補完するためのスタビライザーレート」を上乗せすればOKって事
ロータス エリーゼのベースグレードがリアスタビライザー無しなのも似たような理由で
ショートホイールベース&ワイドトレッドのシャシーディメンションでロール剛性が高い素性を持ち
スプリングで作られる基本的なロール剛性で成立するから
フロントスタビライザーでのステアバランス補完のみを行っているシャシーだと考えます
リアスタビライザー無しなら軽量化になるし
スタビライザー依存度を下げればロールによる姿勢変化時間を作れるので
扱い易い特性が作れるって事かなぁ?
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