プリロードに関する記事を読み直してみると
プリロード調整とスプリングの特性 ①
プリロード調整とスプリングの特性 ②
以前の記事は文章メインでイメージ掴み難いなぁ、、、
文才の無いアホが書く「公開独学ノート」なので勘弁してやって下さい
今回はイラストを入れてもう少し判り易くしてみます
プリロードの説明も0G状態で伸びきったサスペンションに計算値を入れるより、
現実には不可能な1G状態での調整にしてみました。
(たぶんこっちの方が簡単にイメージできます)
最初に、、、
簡単にイメージできるように簡単な諸元を設定
設定重量 300kg
スプリングレート 5kgf/mm
レバー比 1.0
ACF(アングルコレクションファクター)1.0
ダンパーストローク 80㎜
指定プリロード20mm
取り付け角一切無しのストラットサスペンションを仮定します
本来ならストラット式サスペンションならばキャンバー&キャスター角の設定によりストラット軸は傾斜して
取り付けられるのでACF(アングル コレクション ファクター)が発生します。
今回はそれも無しでとことんシンプルに
今までのプリロードの説明だと「0G基準にプリロードによる初期荷重を軸重から引いて、1Gストローク位置を考える」って
プロセスでしたが、
今回は更に簡素化
イキナリ1G状態から見ていきます。
さて、、、いきなり車高調整式サスペンションを組んだ車をジャッキダウンします
300kgの荷重により5kgf/mmスプリングは60㎜縮みますが、指定プリロードが20mm入っているので
実ストロークは60㎜-20mmで40㎜
丁度ダンパーストロークの真ん中で良い感じです。
この1G状態からプリロードを変化させるとどうなるか?
(実車じゃ無理だけどイラストならチョイチョイです)
プリロードを更に20mm入れて合計40㎜のプリロードにすると
もちろん「スプリングを縮める力=300kgの荷重」は変化していないので
スプリングの縮み量は変わらず
単純にスプリングシートが20mm上がった分だけ
ボディ(車高)が20mm上がり(20mm上に逃げる)
縮みストロークが20mm増えて60㎜になり
伸びストロークが20mm減って20㎜になります。
逆に、プリロードを20mm抜いてプリロード0mmにすると
同じく「スプリングを縮める力=300kgの荷重」は変化していないので
スプリングの縮み量は変わらず
スプリングシートが20mm下がった分だけ
ボディ(車高)が20mm下がるので
縮みストロークが20mm減って20mmになり
伸びストロークが20mm増えて60mmになります
つまり、、、
1Gでのダンパーストロークの割り振りが20mm変化してその変化に伴い車高が20mm上下するだけ
「プリロードを入れるとバネの反発力が、、、」なんて考えると余計に混乱します(笑)
プリロードは1G状態でのダンパーストロークの伸び縮みの割合調整が主な目的で、
割合調整の結果として「車高が変化する」って事です。
この事から
極端にスプリングシートを下げて車高を下げていくと
縮みストロークが減少してちょっとした事でフルボトム
路面不正を乗り越える時に突き上げを喰らうようになり
極端にスプリングシートを上げて車高を上げていくと
伸びストロークが減少してすぐに伸び切り状態
(ちょっと見えていませんが ロアシートの裏側にダンパーピストンがあります)
引き落とされるような感覚が増え路面追従が悪くなります。
もちろん縮みストロークは増えるので突き上げにくくなります。
ダンパーストロークの割り振りは縮み;伸びが4:6~5:5 程度に設定されていて、
「メーカー設定のプリロード」はこのダンパーストロークの割り振りを指定しているので、安易に変更すると
「フルボトムしっぱなしの突き上げる脚」
もしくは「伸び切りまくりの追従しない脚」
になります。
結論としては、
①プリロードを変更してもスプリングレートは変わらない
(厳密に考えると変化していますが、この時点では考えない方が良いです)
②プリロードはダンパーストロークの伸び縮みの割り振りを決めているので、
メーカー指定値から大きくは変更できない
大きく変化させるとダンパーの底付きor伸び切りが発生して車両の操縦安定性に大きな影響を及ぼし、
更に部品破損の恐れがあります。
③プリロードはストロークバランスの割り振りを調整する部分なので車高調整には使えない
って事です。
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