プリロード調整とスプリングの特性 ②

前回までのプリロードに対する理解は、
地上に接地した1G状態でロアシートを絞めこんでいくと、
全長調整しないので、絞めこんだ分だけ車高が上がり、ダンパーの1Gでの縮み位置が上がって行きます。
ここまでのイメージは簡単ですよね、

「ダンパーの伸びと縮みのストロークをバランス良く設定してまともに動く脚にしましょう」って基本的なプリロード設定をしました。

前回、プリロードを掛ける事の副作用として「スプリングレートの標記」を調べて分かった事は
「表記されているスプリングレートは、そのスプリングの”設計性能”を発揮しているレート」であり
スプリングの特性から、プリロードを掛けた分だけ深くストロークするので
実効ストロークがスプリングの有効ストローク後半でレートが高くなる領域に掛かる可能性がある
これは
「ダンパーストロークに対して有効ストロークの余裕が少ないスプリングにプリロードを掛けるとストローク後半でレートが上がってしまう=平均レートが表記レートより高くなる」
って事です
p1
実際にレートが高くなるのはストローク後半(バンプして深く沈んだ時)だけなのでレート変化だけを見ると1G付近ではほとんど変化が無く見えますが。
ものさしを変えて固有振動数で考えると
「同じスプリングで平均レートが上がる=固有振動数が高くなる」事になるのでプリロードを掛けるとスプリングの伸縮スピードが速くなるって事になります。
しかもプリロードを掛ける事により深くストロークするのでスプリングの受ける応力は高くなり、
スプリング鋼には厳しい状況

スプリングを縮める動きは路面の凹凸や遠心力&慣性力からの入力ですが、伸びるスピードはダンパーで制御する領域
伸びる側の感覚って乗り心地の感覚に直結しているので、同じレートでもプリロードを掛けると跳ねる&固くなるって感覚につながります。

スプリングが深くストロークして多くのエネルギーを蓄える事により「伸びるスピード」が速くなり、
同じ単位時間の間に吸収しなければならないエネルギー量が多くなるので
速いストロークスピード(ダンパーのピストンスピード)で必要な減衰力が高くなり、
減衰力を調整しなければ跳ねる動きが出てきます。

伸び縮みを一つのダイヤルで調整するシングルアジャスターのダンパーで、跳ねる動き(伸び高速側)を抑え込むために減衰を高めれば、

全体の減衰力(縮み高速&低速、伸び低速の減衰力)が伸び高速側に引きずられて高まり
固い(動かない)脚になります。

伸び縮みの高速、低速別々に調整できる4wayダンパーで伸び高速側だけを絞めれば美味しい部分を見つけられるかもしれませんね

Koni Sportsは伸び側減衰力のみのアジャストなので縮み側が受けないので一般のシングルアジャスター(伸び、縮み同時変化)より影響は限定的です

逆に減衰力一定でプリロードを掛けていくと平均レートが高くなり、相対的にダンパーの減衰率が下がる事になります。
ツインスプリングでプリロードを掛けていくとある一点で乗り心地が急に良くなる現象はこの辺りに要因がありそうです。
ツインスプリングだと1G付近を受け持つレートに対しては低減衰率、1G以下の伸び側のプライマリーレート領域は高減衰率なのでより強く表れるのでは?

考察が十分ではなく怪しい感じになってきたのでこの位で
もう少し考えてみます、、、

結論として、実際にプリロードを掛けていって跳ねるような動きやスプリングに硬さを感じたら
現仕様で使っているスプリングの有効ストローク後半のレートが上がる領域に掛かっているのでスプリングの仕様変更が必要になります。

この場合の仕様変更はスプリングの有効ストロークを長い物に交換する事です。

つまり、ダンパーストロークの伸び縮みを適切に割り振る為にプリロードを掛けてフィーリングが悪化した場合は
現状のスプリングの有効ストローク(mm)+プリロード(mm)分の有効ストロークを有するスプリングへの交換すれば伸びスピードを抑える事になり
プリロードによる跳ねや硬さの悪影響を避ける事になり、さらに有効ストロークの長いスプリングに変更すれば車両の動きがマイルド(ルーズ)な方向になります。

逆にレートに対して硬さは良いけど、動きが鈍く感じる場合は「ダンパーストローク=スプリング有効ストローク」まで有効ストロークが短いスプリングを
選択すれば同じレートでレスポンス向上を狙うことが可能です。

この為に直巻スプリングを使ったサスペンションはロアリングが可動式になっていて様々な自由長のスプリングを組むことが出来ます。
つまり、ロアリング調整機能はプリロード調整とスプリング自由長変更への対応が目的です。
車高の調整に用いる調整箇所ではありません

スプリングの有効ストロークの確認は各直巻スプリングのカタログを確認すれば適切なスプリングを選択できます。
各メーカーから色々な設計のスプリングが販売されているので、自分の好みで軽くて速い動きのスプリングor重くて遅い動きのスプリングを選べばOKです。

今回分かった事はこの位、もう少し調べてみます♪

もう少しシンプルにまとめてました
プリロード調整とスプリングの特性 ③

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