ポーランド選手権が終わり、短い休暇の過ごして師匠のマクラさんがワルシャワから戻ってきました。
いよいよ、「今年の第2目標」のUnlimitedへの移行訓練が始まります。
」(といっても第1目標の「世界選手権」と同じくらい重要)
今年までの”Advanced”は難易度の高いフィギュアを除いた入門クラスで
この”Unlimited”文字通り「無制限」なクラスで、機体の持てる性能全てを使って戦う最上級クラス
ココで勝つことが競技者としての最終目標「世界一」を決めるクラスです。
アクロトレーニングを始めてから5年目、飛行回数は405回でようやく手が掛かりました。
今までのAdvancedとの大きな違いは背面飛行で行うフィギュアが一気に増えます。
垂直降下からエレベーターをDown方向に操作して背面飛行に移行したり
(気合一発で-Gに耐える)
水平飛行からエレベーターをDown方向でループを描くアウトサイドループ(背面宙返り)
(最大-5Gの我慢大会)
垂直上昇中に1/4ロールして軸を変えるUp line roll
(操作は簡単だけど、目標が取りにくいので精度が出ない)
Up line rollにテールスライドやハンマーヘッドが組み合わされる
(姿勢制御技術が桁違いに難しくなる)
エルロンロールしながら旋回するローリング サークル
(決められた旋回角度にロールレートを調和させる、「そんなこと出来るかっ!!」って位難しい )
グライダーアクロの花形フィギュアのスナップロール
(高速飛行中に一気にエレベーター&ラダーを操作して高Gとヨーを使って高速でスピンさせる一発芸)
コレらをポジティブ(水平飛行側)とネガティブ(背面飛行側)の両方で飛ぶ。
極端な話、3倍くらいフィギュアが増えます。
もちろん、独学でも少しづつ練習して行けばマスター出来るはずですが、、、
(昔は複座練習機が無かったので独学一発勝負)
やっぱり怖いっす、、、、(笑)
ちょっと速度管理ミスったりタイミングを間違えると致命的な状況にいきなり追い込まれる可能性が多いフィギュアばかりなので出来るかぎり安全に練習したいです。
って事で、師匠に相談したら「来年はUnlimitedに移行するのは大歓迎」って事でトレーニングを受けられる運びになりました。
早速トレーニングに入りたいんですが、トルンには単座のSoloFOXしかないので、複座のFOXを使わせてもらいにポズナンに移動して練習になりました。
「基礎的な飛び方を教えるから 1日で十分」って嬉しいような不安なような、、、
まぁ、師匠がOKって言うんだから大丈夫でしょう(笑)
トルンからポズナンまでは車で約3時間、、、じゃトレーニングにならないからトルンの飛行場長がモランで送ってくれる事に、
「ヒゲダルマ」な飛行場長(元ポーランド陸軍でC-130 ハーキュリーズのキャプテン)が駆るモランで飛んで50分くらい
半月ぶりにポズナンに戻ってきました。
グリッドに向かうとみんなが練習中、
「ちょっと練習するからFOX貸してね~」と挨拶して、早速トレーニング開始
ワルシャワからマチェックも来て練習してます、、、、してるよねぇ、、、?
ちょうどアガタが練習中でした。
ポーランド選手権はやっつけましたが、世界選手権に向けて詰めてきますね、、、
さて、僕もマクラさんと一緒にトレーニング開始
午前中3本、午後3本のいつものペース
後席にマクラさんを乗せて飛ぶのは毎度の事ながら緊張するなぁ、、、、
(エアライン キャプテン且つ世界選手権7回制覇の経歴ですよ、、、、僕なんて、、、僕なんて、、、)
で、、、やさしくキッチリ注意されながらトレーニング終了、、、
飛んでみての感想は、、
尋常じゃない開放感♪
連日のトレーニングで高G耐性が出来ているので、Gに苦しむことも無くビュンビュン飛べる
スナップロールは失敗して「慣性」を与えすぎると、スピンが止まらなくなって3回転くらい回りながらブッ飛んで行っちゃうけど
バッチリ決まれば 「ドンッってGを掛けた瞬間にバシッ!!って翼の気流が剥離してヒュン♪って綺麗に一回転」
これは、、、面白い♪
Advancedに比べて一気に忙しくなりましたが、飛んでる時の「時間の密度感」が、ぜんぜん違います。
とにかく濃い2分30秒
移行訓練も終了してトルンへの帰り道はポズナンに貸し出していたマクラさんのヤクで飛ぶ予定、、、だけど、、、
離陸前点検で、エンジンカウリングに何かをぶつけた痕を発見
機長のマクラさんに報告したら、、、「あちゃー」な雰囲気
だって凹んで5cm位裂けてるんだもん、、、
もちろん速攻でカウリングを剥がしてアルミ板金パッチ当て作業、この国ホントに修理は早いです。
修理の間に下半分のカウリングを剥がした星型9気筒エンジンを堪能
エアクリーナーがあまりにショボくてビビリました、、、フィルターってより茶漉し以下、、、
ごついキャブレターが見当たらないので多分機械式のインジェクター
真ん中のがフューエルデストリビューターかな?
面白いのがエンジンにコンプレッサーが装備されていて、アキュムレーター(空気ボンベ)に空気を詰めて、機体のエアー系統に送っている
つまり、、、トラックと同じですよコレ(笑)
エンジン後ろの黒い玉がアキュムレーター
エアー系はフラップ、ブレーキ、エンジンスターターでした
んで、修理完了して離陸すればトルンまでは40分の旅、帰り道は西風に押されて200km/hくらいで巡航していたみたいです。
さて、、、明日からSolo FOXでUnlimitedの練習開始です!!