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チェンストホヴァで空域慣熟

到着翌日、
朝からブリーフィング
滑空場と競技空域の確認、着陸進入経路の確認をして、フライト準備開始

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早速トレーラーからSWIFTを降ろして組立て、、、30分ほどで準備完了

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FOXはチェンストホヴァ所有機をレンタルするので格納庫から引っ張り出して離陸前点検、

僕の乗るSoloFOXは、、、まだ到着してない!!
どうやらマクラさんが急な予定が入って到着が遅れている様子、、、うーん困った
ここにきてSoloFOXに乗れないのは少々きついですが、到着してなきゃどうにもならない
明日の朝には到着する予定なので、複座のFOXを使って空域確認です。

機体の準備が終わってフライト開始、
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一人2回程度の空域確認と練習が出来るみたいです。

運航のお手伝いをしながら地上目標やフィールドを確認
しかし、、、むちゃくちゃ広いなぁ、、、
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他の機体の離陸と重なって、ちょっと気を使って離れたところに降りちゃうと、、、
スゲー遠いんですけど、、

搭乗順が近くなってきたところで、ポリーナちゃんからちょっとした提案が、
「複座のFOXだからお互いの後席に乗れば二人で4回空域確認できるでしょ♪」
ナイスアイディア♪ もちろん断る理由なんてありません

ポリーナちゃんは今年からアクロトレーニングを始めたばかりで、まだ20回程、ちょうど僕の3年前位ですね
この練習回数で選手権に出て実戦経験を積ませるのが凄いですね、、、
僕の最初の選手権は100回程飛んだ後でしたから

空域慣熟フライトは最初は僕が先に飛んでポリーナちゃんは空域確認に徹する事に、

小雨がパラつく空、BOXと空域を確認したらFreeシーケンス崩れの練習フライト
せっかく後席に乗って一緒に飛ぶなら、参考に出来る事は何でも持って行って欲しいです、
前席と後席を入れ替えながら合計4回飛んで、空域確認とポリーナちゃんにいくつかのアドバイス

確認したBOX(競技空域)は滑空場の北側の道を基準としていて、最大のランドマークになる
滑走路や誘導路とはオフセットした位置関係、
競技中に嫌でも見えてくる滑走路や誘導路に気を取られると、無意識に引っ張られてBOX内での軸がズレちゃいます。
ちょっと難しいなぁ、、、

明日からいよいよポーランド選手権が始まります。


選手権会場へ移動!!

約一週間のトレーニングキャンプも終わり、いよいよポーランド選手権が近づいてきます。

今年のポーランド選手権は、ワルシャワの南南西の町、チェンストホヴァ
ポーランド最大のカトリック教会「ヤスナ グラ修道院」」の町です。
Solo FOXはマクラさんが先にトレーラーで運んだので、僕が乗る車はSWIFTのトレーラーを曳いていきます。
移動距離は約350km 高速道路を使って4時間程ですね

今年の移動の脚は「VW T5 3,2 4mothon」
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VWお得意の狭角V6 3.2Lガソリン しかも4輪駆動のMT
昨年のレンジローバーディフェンダーとは比べモノにならない程快適です♪

この車、日本に輸入される予定だったらしいですが、VWジャパンの都合で輸入中止、平行輸入車がわずかに入っているだけの
日本では馴染みが薄い車ですが。

良いですね!! 

お買い物に行くのに乗り回してましたが、ロングホイールベースに4輪駆動、3.2Lエンジンは2tを超える車重でもストレスを感じません
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高速道路なんて超快適♪ 重い車重も相まって140km/hでも4WDの高トラクションでビシッと安定
操る面白さは全くありませんが、完全な高速クルーザーです!!
ここまでクルーザーしているとトルクで走る巡航が気持ち良いです。

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1トン近いトレーラーも楽々と曳いて一気に高速移動、

途中、給油と小休憩を挟んでグライダーの固定を確認
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このT5の後席に揺られて車窓を楽しみ、歌って騒いでお菓子を回して、ジュースを評価して遠足を満喫していると、、、

あっという間に到着
チェンストホヴァでの暮らしはホテルをキャンセルして滑空場の宿舎の5人部屋での共同生活
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洗濯機が無くて手洗いだったり、時々シャワーが壊れて冷水になって叫び声が聞こえたりしますが

高校時代の寮生活を思い出します。


Solo FOXへ機種転換

突然、機種転換となりました。
今まで乗っていた複座FOXから単座のSoloFOXへ乗換えを勧められました。

 去年の選手権で単座のSWIFTの戦闘力の高さを痛感しているので、
機体の性能差を詰められるのは非常に嬉しいです。

が、、、もちろん乗り換えて即戦力になるほど甘いもんじゃなくて、ある意味ギャンブルです。
「乗り切れない高性能は逆に足枷になる」ってのは全ての乗り物に共通しています
トレーニングキャンプ期間内で乗りこなせなければ、確実にスコアを失います。

 そうは言っても何時までも「複座練習機」のFOXに乗っていては
この先のUnlimitedでは絶対に勝ち目がありません
いつかは乗り換えなければならないなら、チャンスが巡ってきた今年がその時でしょ!!

って事で改めてご対面、、、
昨年の選手権の時に見てはいたのですが、改めて見てみると
結構違います。
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開発を終えて生産が開始されて使い道の無くなったプロトタイプFOXを大改造して
「マクラさん専用機」として僅か2ヶ月で作られたSoloFOX
量産型FOXに比べてコクピット周辺が僅かに短い胴体、
後席を廃止して出来たスペースに引き込み脚を装備して抗力(空気抵抗)を大幅に削減
一人分の重量を軽減できるので、更に翼を短く切り詰めてロール率を向上、
もちろん運動性能向上狙いの改造です。
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エアショーに頻繁に出演する機体なので少々派手なカラーリングですね(笑)

地上で一通りレクチャーを受けてから飛ばしてみると、、、

最初のフライトは引き込み脚の操作確認と失速速度、スピン(錐揉み)特性の確認と垂直降下したときの加速性能、
幾つかの簡単なフィギュアを試して感覚を掴んでみると、
ダイブさせたときの加速は良いし垂直上昇の伸びも良い、

とにかくエネルギーロスが少ない感覚
翼も少し強度バランスが違うみたいで、最大Gはオリジナルと同じですがより柔らかくしなる翼
機体が「エネルギーを温存して大きなフィギュアを柔らかく描け」ってを乗り方を教えてくれます。

マクラ流の「出来るだけGを掛けずにエネルギーロスを最小限に抑えて、出来るだけ多くのエネルギーを保持する」 飛び方をするための機体ですね、

基本的にFOXではあるけど、より乗りやすく、運動性だけを向上させた感覚、トレードオフとなる安定性の低下はあまり感じません
驚いたのが引き込み脚の効果
とにかく機体の加速が良い!! 
垂直降下に入れると200km/hを超えてもシュパーッ!!って速度が伸びていきます。
調子に乗ってダイブしていると超過禁止速度を超えちゃいそうです。

ロールレートも体感で10%近くは早くなっていて、くるくると爽快に回ってくれます♪

大幅に向上した運動性と高速性能に対して、他の機体に劣るのが超過禁止速度、
最高速度制限が低くなっています。
FOXの282km/h SWIFTの295km/hに比べて明らかに低い250km/h
位置エネルギー(高度)から転換できる運動エネルギー(速度)量が少ないって事になります。
飛ぶ前に「なんてオリジナルより遅いの?」って質問してみたら

「テストの時の都合で遅く設定されているだけだよ、使うなら270km/hまで出しても大丈夫、、、まぁ、そんな速度まで使わないけど」
との事、

つまり250km/hで全てのフィギュアが出来るってことですね

実際のフライトを見ても、Swiftがロールスピードと高速を生かした鋭い動きに対してSoloFOXの動きはゆったりと柔らかい
スタイルの違いをポイントに繋げれば十分勝てるって事です。

機体特性が異なるので、乗り方も機体に合わせて少しだけアジャスト
Solo FOXの特性に合わせたスタイルにイメージを切り替えます。
空気抵抗が少ない特性を生かして、余剰エネルギーを速度に割り振ってスピードレンジを高速側にシフト
高い運動エネルギーを存分に活かし、通常4G最大5Gでエネルギーロスを抑えて、グライダーらしく柔らかく飛んで大きなフィギュアを描く
無駄な動き(=G)や滑りを押える事が何よりも大切です
(どんな乗り物でも高Gでの運動は大きなエネルギーロスになります。)
シャープな動きではSWIFTには勝てないので、しなやかに動き正確に止めるイメージです。

なんとなく気が付いたことですが、
柔らかい翼に早すぎる入力をしても動きにタイムラグを感じるので違和感が出ます。
一体感を持って飛ぶには機体の固さと動きの収束に合わせた入力をするイメージで、、、
この辺りは車と同じ感覚で、足回りのストロークスピードに合わせた運転で荷重を掛けたり抜いたりする感覚です。
僕の持っている感覚なんですが、各機種、車両毎に入力できるスピード(リズム)は翼やサスペンションの固有振動数である程度決まっていて、
固有振動数に合わせた入力(運転や操縦)をすれば一体感が出てきます。


新しい仲間が出来ました♪

今年から新しいアクロ仲間ができました。

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前席のポリーナちゃんと後席のミューレック君
21歳のバリバリの新人です。
どっかで見た覚えがあるなぁ~ なんて思っていたら、僕が始めてポーランドに行ってトレーニングを受けた時に居た高校生のサマーキャンプのメンバーでした。

話をしてみたら、「日没寸前で離陸してチーフインストラクターに無線でドヤされて、怒られついでにブチかましたローパス」
を覚えていたみたいです(笑)

二人とも今年が始めての選手権、去年の僕を見ているようです。
飛行回数を聞くとせいぜい30回程度
これで国内選手権に出場して実戦で育てるのが欧州流なんですね、、、
僕も出来るだけサポートします。

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もう一人の新人は、マーレック君
昨年のポーランド選手権開催地のイレニヤグラのクラブから
ポズナンのFOXでトレーニングを受けに週末電車で6時間掛けて通ってくるマジメなヤツ
去年の選手権のギャラリーが、新規参加してくるのは嬉しいです。

で、、、、ポリーナちゃん、東欧美人系の顔立ちでちょー可愛いです♪


今年のポーランドは気合入ってます

到着翌日からトレーニングキャンプ開始
6月17~22日まで毎年恒例のポズナンでのトレーニングキャンプ
今年のトレーニングキャンプは凄いです、

今年の使用機は
昨年に引き続き MDM-1 FOX
高性能単座アクロ機のS-1 SWIFT
マクラさんの愛機のSolo FOX
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さらに、、、

なんと曳航機がエクストラ330LC!!
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バリバリのアクロ機です。
普段日本で引いてもらっている機体は180馬力程度のハスキーだし、去年まではYakとか贅沢してもズリンで
1200mまで12~14分ほどかかりましたが、
なんとエクストラだとおよそ2~3分 300PSは伊達じゃないです!!
離陸直後の上昇なんて明らかに上向きながら凄い勢いで上昇していきます。
曳航速度も140km/h以上で機体はビシッと動くし、とにかく楽だし速い!!

朝0730から準備を始めて、日没が遅いので2100頃までキッチリフライト
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コクピットに収まるカーシャ、
お嬢様オーラ出してます、、、が飛ぶと凄いです。
隣は僕のインストラクターのトメック 
若手のエースです。

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お互いのフライトを観察して改善点を見つけて、技量を高める、
世界選手権経験者からコーチングを受けてのトレーニングは実戦的です

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師匠のマクラさんと息子のスターシェ
最上位のUnlimitedクラスにエントリーします。

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気になる部分はすぐに皆でディスカッション、
解決案がまとまればすぐに飛び立ちトレーニング。
もちろん曳航時間が短いのでトレーニングも高密度になり一日8回ほどフライト

力尽きるまで飛んできました。
今年は最高のトレーニング環境です!!