ロール剛性のセッティング① 【スタビライザーの使い方と考察ルートを考える】

今までの勉強で、
バウンスでのサスペンションセッティングの
「バネ上固有振動数からホイールレートを計算して、レバー比&ACFを織り込んでスプリングレートを求める」
大筋は掴めて、計算方法も確立出来たので

次は、ロール剛性の設定を考えます。

つまりスタビライザーの設定方法ですね~
僕のM3では「よくわからないスタビライザー」は変更するのはバランスを崩すリスクが高いので、
ノーマルスタビライザーから変更無し

バウンス系のセッティングは
ノーマルから崩さずにバネ上固有振動数を同じ割合で高めた仕様で
ワインディングで遊ぶには十分でしたが

ここに来て、
R33 GT-R「大先輩号」やお友達のE36 M3でワインディングだけじゃなくサーキット走行まで視野に入れたセッティングが必要になったので
あわててロール剛性の勉強開始、

・325i Cabrioletを使って実走テスト、
・R33 GT-R「大先輩号」でのサーキット走行でのドライバーインプレッション、走行動画、
・プロジムカーナドライバーからのセッティングアドバイス
等でだんだんセッティングのポイントが見えてきました

ロール剛性の設定を理解しちゃえばサスペンションセッティングのスプリング系は網羅できるので
もうひと頑張り

スタビライザーの役割と構造は
ボディにブッシュマウントされたトーションスプリングをリンクを介して左右のサスペンションに接続した
ロール軸のみに作用するスプリングで、
ロール剛性の絶対量と、前後ロール剛性バランスを調整する部品
Alfetta_front_suspension_antiroll

理論上ではピッチ軸には作用しませんが、
実走行ではピッチ軸のみの運動は現実的ではなく、
ピッチ&ロール軸が混じった運動になるのでステアリング入力や旋回加速時の過渡特性にも影響を与えています。
swaybar-tech-07

スタビライザーを使ってロール剛性を高めると得られるメリット&デメリットは
ロール剛性が高まり車両運動に伴うロール軸荷重変動(過渡領域だとピッチ軸も)が少なくなることで
タイヤの面圧変動が少なくなり4輪トータルでの平均グリップが高くなります

また、旋回時のロール角が減少する事でOut側のバンプストロークを稼ぐことが出来るので
旋回時のバンプラバー依存度が減少して旋回中の外乱影響が少なくなります。

かなり効果的な部品ですね!!
sway-bar-operation

ただし、強化すると良い事だけじゃなく
もちろんダメな部分も現れて

デメリットとして
左右サスペンションを繋ぐトーションスプリングなので、強化するほどにリジットサスペンションの特性が出てくるので
路面追従性が低下してトラクション性能は低下しますし
ロール軸で見たバネ上固有振動数が高くなるので
バネ上固有振動数より高い「自由運動による免震領域」の入力周波数もおのずと高くなり
低速域で左右にユサユサと揺さぶられる動きが現れます
バネ下が自由運動し始める快適な乗り心地の速度域が高速側に移っちゃいます。

これはE36 325i Cabrioletで実験済み
まぁ、、、何事もホドホドにってヤツです。

って事で
「スタビライザーはどんな風にセッティングされているか」を調べてみると、、、

これが結構難しい

なにせこのスタビライザーって部品、
まともにレート表記されている事が少ないので片っ端から数字を並べて比較してみるって力技が通用しないし
さらに、
ロール軸を支えるスプリングなので入力はロールセンターと重心高、軸重量を使ってロールモーメントを求める事が必要

・重心高
・前後の瞬間ロールセンター
・スタビライザーレート
って不明要素が多すぎる、、、

下手に弄るとドツボにハマるって難しい部品って話は聞いてましたが
どうやってセッティングしてるんだろ!? 

とりあえず、
手持ちで使えそうな資料を引っ張り出して、少しずつ進めていく事にします。

まずは、
車両諸元からスタビライザーレートを設定するルートを探索してから現車での数値を見て確かめる
って方針で考えてみます。

ロール剛性のセッティング② 【瞬間ロールセンターとロールモーメント】

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