サスペンション独学ノート2019年まとめ① 「スプリングによるピッチ剛性の設定」

旋回時のバンプタッチ対策を考えて色々調べていたら、
実はノーマルサスペンションって事が発覚した325i Cabriolet
スタビライザー交換でロールを減らし縮みストロークを残した事により旋回中のバンプタッチの頻度も減って、
更に楽しめる車に♪
E36 325I CABRIOLET【スタビライザー交換】①乗り心地は改善出来るか?
E36 325I CABRIOLET【スタビライザー交換】②仕様変更を数値化
E36 325I CABRIOLET【スタビライザー交換】③仕様比較して傾向を掴もう
E36 325I CABRIOLET【スタビライザー交換】④交換作業
E36 325I CABRIOLET【スタビライザー交換】⑤1STインプレッション

動きの変化を見る為に色々なルートを走らせていて気が付いた事は、、、、


旋回時に一番バランスが良くて旋回力(限界)が高くなるパートは「加速旋回の領域」

ブレーキリリース→初期旋回の後の
「狙った曲率に合わせてパワーを掛けて加速旋回」の区間
もちろんステアリングは戻し操作に入っています(ステアリングをコジッった状態での加速旋回はもちろん論外)
ココの姿勢が一番ロールが少なくてピッチングも最小限

ロールが減少していくのでタイヤを立てて使えているし、
ピッチングも最小限だから前後のタイヤもバランスよく使えている
リアタイヤにスリップアングルも付いているのでフロント舵角も少なくなり転がり抵抗(ステアリングブレーキ成分)も少なくなり最も効率の良い旋回パートになっています。

車の旋回操作の基本の「スローイン ファーストアウト」の意味ってコレなんですねぇ
いまさらかよ、、、、って(笑)

イキナリの結論ですが、
「フロントに対してリアのバネ上固有振動数が高くなる理由」ってコレなんだと思います

旋回は3つパートに別れていて

旋回プロセス
ブレーキリリース→スリップアングルを作る「減速旋回」
旋回半径を安定して維持する「定常(パーシャル)旋回」
狙った曲率に合わせて加速させながら旋回を終わらせる「加速旋回」

この3つのパートの全てで最良の前後バランスを作り出す事は金属スプリングを使ったサスペンションでは不可能
なにせ荷重移動により前後ばね上荷重が変わっちゃうので、ニュートラルステアは保てません

「減速旋回」では
images
フロント荷重が増えてリア荷重が減るのでフロントのバネ上固有振動数を高める必要があり

「定常旋回」では
images (2)
前後荷重は静的重量配分になるので、前後のバネ上固有振動数は揃える事がベストバランスになり

「加速旋回」では
images (3)
リア荷重が増えるのでリアのバネ上固有振動数を高めて支える必要があります

4輪のホイールレートと減衰率をを走行中に変更制御出来るアクティブサスペンションなら「全域完全バランス」になり確実に速くなりますが
違和感凄いだろうなぁ、、、

ロールしない&ピッチしないって事は動きの予測が難しくなりますからねぇ

「スローイン ファーストアウトでの旋回」でこの3つ要素でもっとも長い時間が「加速旋回」パート
「加速旋回」パートはパワーでコントロールされた弱アンダーステア領域から直線加速への過渡領域なので安定して安全な領域になります。

逆に、、、もっとも短くなるように組み立てなければならないのが「ブレーキング→初期旋回」のパート
sketch-1575469044421
ピッチングしてリア荷重が減少して、更にステアリング操作でヨー変化を加えるので一番車両が不安定なオーバーステア(スピン初動)に近づく危険な領域になります。

まだ裏取りの計算が出来ないので 考察の域からは出ませんが、、、
以上の事から
「加速状態での前後荷重配分で前後のバネ上固有振動数を揃えたホイールレート」
が基本になると思います。

計算プロセスを考えると
車両諸元から加速時の加速力を求めて
加速力を重心位置に作用させてピッチングモーメントを計算して加速時の前後荷重変化を求める
もちろんリア荷重が大きくなり、フロント荷重は減少する
この加速状態の軸荷重とバネ上固有振動数からホイールレートを求めてスプリングレートを設定すれば
加速旋回状態で前後のばね上固有振動数が揃いニュートラルステアになるので前後のタイヤを効率的に使える事になります。

現実のスポーツ走行で最も加速力を発揮するのは2ndの速度領域なので
2ndのフルパワー加速gの何%を設定するかで特性を作り分けられますね
高く設定するほど加速旋回時のロールオーバー特性は薄れてリアがガッチリと安定した特性
低く設定すればロールオーバーステアを誘発しやすい設定になりますね
実際にM3のセッティングで前後バネ上固有振動数とステアバランス特性の変化は体験したので、ほぼ間違いないと考えます

そして
「加速旋回」パートに合わせこんでいるので割を喰うのが「減速旋回」パート

減速なので荷重移動方向はもちろん逆転するので、フロントが沈みまくってリアが伸び切った状態はリアの接地が悪くなり
(車高調とかでバネの遊びを無くすためにリアの伸びストロークを切り詰めると ココの領域でリアタイヤの接地が切れるのでABSの介入が早くなります)

これじゃ危ないから、過剰なピッチングを抑えて「穏やかなフルボトム」を作るための長くて柔らかいバンプラバーを使って縮みストロークを規制して過度なオーバーステアを抑制する
ってシナリオになりますね

バネ上固有振動数の前後バランスの変化傾向としては、、、
・ハイパワーで加速力が大きい
・重心高が高くホイールベースが短い
ほどピッチングモーメントがが大きくなるので
リアの固有振動数が高くなることになります。

重心高さと加速力が判れば計算できそうですので
後で計算してみます

ココまでがピッチングに関する設定の考察
次にスタビライザーを使ったロール剛性の調整を考えてみます

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