Cabrioletのボディ剛性のイメージが出来たところで
現状でのメーカー対策を見てみると
フロントセクションに関しては
ロアクロスメンバーの追加
コレは有名な部品ですよね、
サスペンションメンバーとモノコックを繋いでフロントバルクヘッドからサスペンションメンバー間の捩じり剛性を稼いでいます。
リアセクションに関してはトランクスルーを廃止してリアシートとトランクルームの間にリアバルクヘッドを追加して
更にソフトトップリッドを使って「箱」を作っています。
一番弱いキャビンセクションのAピラー~Bピラーの間にはガセット追加でサイドシル断面積を増やして剛性を稼いでいます
クーペのM3と比較すると
Aピラー側は
M3
Cabriolet
Bピラー側は
M3
Cabriolet
こんな感じにガセット(当て板)補強して稼いでいますが
手つかずなのがドライバー&パッセンジャーシート付近
シートを入れると寸法的に厳しくなるので、ガセット補強が前後でつながっていませんね、、、
まあ、、、
シートレールが前後方向に入っているので剛性の足しにはなっていますが、フロアカーペットを挟んでの取り付けなのでイマイチ期待できないかなぁ
今度、一度シートを取り外して確認してみます
この部分を上手く活かせばもう少し稼げるかなぁ、
こんな感じでボディが作られているので、
補強するなら最初に、Aピラー~Bピラー間のキャビンセクション
ココを補強してから前後方向の補強でバランスを取らないと上手く剛性感を作れないと考えます。
もちろんクーペも程度問題で同じ傾向
ドア開口部はやっぱり弱いんです。
ボディ剛性をいじって意外と気が付くのが
前後でボディ剛性のバランスを変えた時
タワーバー1本でもバランス変わりますからオーナードライバーなら確実に変化がわかります
タワーバーを追加した感触は好き嫌いが出るので、
一概に取り付ければOKって訳じゃありませんのでお好みで
僕はフロントタワーバーの感触は嫌いです(笑)
で、、、
こんな感じでCabrioretは簡単には補強出来ない事がわかったので、
「ボディ剛性」を求めずに「剛性感」を作る方が簡単って事になります。
サーキットでレースしちゃうなら乗員保護も含めて「ボディ剛性」は必要だけど
あくまでも公道を走らせる車じゃボディ剛性を高めても恩恵は少ないので「剛性感」を作ってあげればOK
そもそもボディ剛性を数値化することはユーザーレベルじゃ殆ど不可能なので
ドライバーが受ける「剛性感」で判断しているのが現状ですよね
・操作に対する車の反応が早くなったり
・路面からの入力がよりダイレクトになったり(乗り心地の悪化も含めて)
・細かい振動や音が増えたり(ビリザラ感の悪化)
・ドアの開閉音が変化したり(最近の車は高張力鋼を使って板厚を薄くしているからパカンッって軽い音でショボイけど)
ポイントは「音と振動でボディ剛性感」を感じていること
面白いのは、
ボディ剛性なんかこれっぽっちも触らなくても、内装の取り付け点や擦れ点を弄って
「ガタピシ音」や部品の擦れによる「キシキシ音」を消すだけで受ける感覚は変わっちゃうんですよね
内装弄ってから知人&友人でブラインドテストすると面白いです
「ちょっと車に手を入れた」って囁いてから車預けると
「なんか全体的にシッカリした気がする」ってコメント出ますから(笑)
コノ違いが顕著に出るのが屋根無し一族の必殺技
「幌を下せば七難隠す」ですね
「幌」や「折り畳みメタルルーフ」って可動場所の塊で”ガタピシキシキシ音”の温床
コレを畳んで後ろに仕舞っちゃえば音源が消えるし、そもそも走行時の風の音で聞こえなくなっちゃうから
ドライバーが受ける「車の質感」が激変しちゃいます。
こんな感じで、「ボディ剛性感」を作るポイントは音と振動なので
そもそもボディ剛性なんか期待できない屋根無し一族をコテンパンに補強するよりも、
振動を減らした方が手っ取り早いんです
中途半端に固めても「次に弱い場所」に捩じれ点が移動するだけですから
で、、、ボディを固めずに振動を消すなら、
ヤマハの「ボディダンパー」
ボディだって捻じれて撓っているので要は「レートがめちゃくちゃ高いスプリング」ってコト
もちろん固有振動数で共振を起こすので「ブルブル」震えます
だからブログカテゴリーか「サスペンション独学ノート」なんです
ボディダンパーは、
この「すげー硬いスプリング」のボディに減衰力を作用させて共振でのピーク振動を減らすって凄く理に適った部品
流石はヤマハさんです、、、
コレを使って最初に試したのがM3
フロントはスタビライザーブラケット周辺に取り付け点を作って追加して
リアはストラットタワーに取り付けて
かなりの好感触&好印象
M3はシャシー裏にラダーバーも追加して前後方向にもキャビンセクションを補強しているのでボディダンパー単品での評価って事にはならないけど、
妙なツッパリ感や捩じれ感も無いので良いですね~
コレを今回 325i Cabrioletに使ってスカットルシャエイク等のボディ共振を減衰させてみます。
取り付けは1ヶ所づつ取り付けて効果を調べながら進めます。
最初はスカットルシェイク対策としてフロントから試します。
取り付けポイントは絶対に効く場所
M3のスタビライザーブラケット周辺のフロントエンドも良さそうですが
今回は路面からの入力点に直接作用させるのでストラットタワーに取り付けます。
取り付け方法は手持ちのタワーバーブラケットにプレートを追加
使うブラケットはガルト製
鋳物でストラットタワーの形状に合わせて作られていて接触面積が大きく、肉厚で剛性も確保されています
取り付け部品の剛性が低くて変形しちゃったら意味なしですから、、、
ボディダンパー取り付け端はピロボール支持
これでフロントの左右入力差による捻じれや旋回横力による曲げには作用させずに
振動や左右ストラットタワー間の距離変化にのみ作用させます
まぁ、、、
距離変化に作用するので結局捻じれや曲げにもちょっとは作用しちゃうかなぁ
通常のタワーバーだと
ストラットタワーを繋いでいる部材がトーションスプリングとして作用して捻じれや曲げに対して押し返すので
左右でバラバラに入ってくる路面不正に対して捻じれて逃がす分が減少してツッパリ感として表れる
このトーションバーの要素をパイプ径で調整しているのがBMW純正のタワーバーで
こんな感じに取り付け点が動かない固定方法になっています。
とにかくゴツくて硬いヤツって選ぶと路面不正に対して神経質になったりフィーリング悪化になりかねません、、、
硬めれば良いって物じゃなくて何事も程度ってヤツがあります。
もう一つの考え方として、
ボディの捻じれや曲げへの作用を極力減らして、ストラットタワー部分の倒れ込みに対しての効果を狙ったのが
取り付け端がピロボール支持になっているタワーバー
原価が上がるし、他のメーカーがそこまでの考えに至っていないのか、、、、
市販されているのがIding製くらいかな
マグネシウム製で軽いってことより、評価するべきポイントはピロボール支持でボディの曲げや捩じれを残した事だと考えます。
って事で
ちょっと話が明後日の方向に飛んだけど
出来上がりイメージが出来たところで
部品製作開始
まずはブラケットとボディダンパーを繋ぐプレートの型取り
直接ボディダンパーを乗せて、クリアランス設定して仮止め
この状態で段ボールを使って型作り
この型を使って3㎜厚の鉄板を切り出して、、、
ドリルで穴あけて、、、
ハンマーで叩いてブラケット形状に合わせて曲げて
部品完成!!
組み立てるとこんな感じ
プレート固定はブラケット形状に合わせてプレートを削り込んでブラケットに密着させて回らないように固定
とりあえずテスト段階なのでこのままボルト止めですが
結果が良ければ耐熱エポキシ接着剤を併用して
取り付け部剛性を高めて塗装します
ついでにもうちょっとカッコよくするかな(笑)
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単車のスポークホイールも、キンキンに張っちゃダメですしね。「柔能く剛を制す」。
で、ふと思ったのが、あの稀代の名車「Z1」。ドアが半分残るとは言えFRP、でも無いよりマシ。どんな剛性感なのか、気になりますね。(笑)
ボディの感触って思った以上にドライバー心理に影響を与えますよね
しかも、
「ちょっとお買い物」程度の日常の低速街乗りでも体感出来ちゃう部分なのでサスペンションセッティングとセットで考える必要があると思います。
Z1はドアがスライドする部分までサイドシルから垂直方向に構造体があるので意外と剛性ありそうですよね!