R33 GT-R 「大先輩号」の仕様変更を考える①

今日は良い天気でしたねー 
気温は25℃くらいで気持ち良い風が吹く一日
雨続きで湿気が溜まりがちなので、一日車を乾してました♪
DSC_7879
クーペのM3はそんなじゃないけど、
幌のCabrioletはやっぱり湿っぽいですから

車より先に洗濯物と布団乾せって!?(笑)

今日はR33 GT-R「大先輩号」の次期サスペンション
HKS Max4 GTの仕様変更を考えてました

まずは、一番大切なリアメインスプリング選定です。

今までの計算での前後固有振動数の差(基本的な旋回特性)を並べて見ると

・HKS Max4 SP(0.08Hz)
・HKS Max4 GT(0.11Hz)
・標準車(0.17Hz)
・ Nismo S-tune(0.35Hz)
・ V-spec(0.39Hz)
・Nismo400R(0.41Hz)
って関係で
上位に行くほど回頭性重視、
下位行くほどスタビリティ重視になります

メーカー系とチューナー系で標準車を境にバッキリ分かれましたね~ 
正直チューナー系の動きは「如何にも!!」って雰囲気が出ますので好みが分かれます

「コレコレ、脚変えないとダメだよね~」ってお話はこの前後バランス差を感じ取っているんですね♪
人間の感覚って結構凄いんです

荷重移動による姿勢変化量(≒限界の高さ)と乗り心地の目安の
前後平均ばね上固有振動数を並べると

・標準車(1.42Hz)
・V-spec(1.69Hz)
・Nismo S-tune(2.01Hz)
・HKS Max4 GT(2.17Hz)
・Nismo400R(2.18Hz)
・HKS Max4 SP(2.62Hz)
この並び順はイメージそのままですね

現状でのHKS Max 4 GTのばね上固有振動数は
前後の固有振動数差は0.11Hz
この仕様でもアンダーステアが弱まって良く曲がるので面白いとは思いますが

「高荷重入れて踏みまくってガンガンに攻める」乗り方じゃないので、
前後のバランスを見直してスタビリティ重視に変更します。

基本仕様は同じで2バリエーション
HKS Max4 GTのスプリングIDが未だ不明ですが 
見た感じID65っぽいのでID65で選択

R33 GT-R HKS Max4 GT-kH 1名乗車
フロント
スプリングレート8kgfmm
ACF 1.08
ホイールレート 7.41kgfmm
走行時ばね上重量 827.01kg
バネ上固有振動数 2.11Hz

リア
スプリングレート 8.04kgfmm
ACF 1.09
ホイールレート 7.37kgfmm
走行時ばね上重量 645.29kg
バネ上固有振動数 2.38Hz
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リアスプリングをハイパコHC65-10-450 (8.04kgfmm)に変更
フロント2.11.Hz リア2.38Hz で前後の固有振動数の差は前後の固有振動数差は0.27Hz
これでバランス的には標準車とNismo S-tuneの間に入ってきます

もう一つのバリエーションとして

R33 GT-R HKS Max4 GT-kE 1名乗車
フロント
スプリングレート8kgfmm
ACF 1.08
ホイールレート 7.41kgfmm
走行時ばね上重量 827.01kg
バネ上固有振動数 2.11Hz

リア
スプリングレート 8.14kgfmm
ACF 1.09
ホイールレート 7.47kgfmm
走行時ばね上重量 645.29kg
バネ上固有振動数 2.40Hz
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リアスプリングをアイバッハERS H250-065-0080 (8.14kgfmm)に変更
フロント2.11.Hz リア2.40Hz で前後の固有振動数の差は前後の固有振動数差は0.29Hz
これでバランス的にはハイパコ仕様より僅かにスタビリティ重視
(たぶん殆んど分からないレベル)

この殆んど変わらない2バリエーションですがスプリング単体比較すると
スプリングの耐荷重に差があるので、動きの質感が変わります
最初の「大人仕様」のポイント

ハイパコ HC65-10-450
レート 8.04kgfmm
耐荷重1252kg
有効ストローク155mm
重量不明
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アイバッハERS H250-065-0080
レート 8.14kgfmm
耐荷重1161.93kg
有効ストローク145.45mm
重量1.96kg
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比較対照として対極設計のトーハツSWIFT Z65-254-080
レート 8kgfmm
耐荷重1000kg
有効ストローク124mm
重量1.84kg
sketch-1593699311980

同レートでのスプリング設計は「細く短い素線」と「太く長い素線」の2極設計が出来ます。
ハイパコとアイバッハはもちろん「太く長い素線」を巻いたコイルなのでスプリングの重量は重くなりますが
同じレートで耐荷重が高いのは有効ストローク(弾性変形領域)が長い事を意味していて
数値比較でも同じ傾向が読み取れます。
この有効ストローク量の違いはダンパーストロークに対して効いてきて

スプリングレートは一定ではなくストロークにしたがって変化しています。
・ストローク初期(0~30%)
表記レートに向って低いレートから立ち上がり
・ストローク中期(30~70%)
表記レート付近で落ち着いて なだらかなレート上昇になり
・ストローク後期(70~100%)
表記レートより急激に高くなります

つまり、
ダンパーストロークに対してスプリングストロークが短いほどストローク後期のレートが高くなる領域に入るので
深くストロークしたところで突っ張る”ばね感”が強くなります。
ストロークが長いスプリングほど表記レート付近でのレート安定性が高く
表記レートの8kgfmmとして動くストローク領域が広くなります
この差は結構感じ取りやすくて、旋回中に路面不整を喰らった時に跳ねるか否かの差が現れます。

第二世代GT-Rのサスペンションが優秀なのは
ダンパーケース長が長く自由長が長いスプリングを使う事が出来るので
ダンパーストロークに対してスプリングストロークの余裕がありレート安定域の範囲内でスプリングが使える事
80230-an007_kit

どうやってもカツカツギリギリ一杯になっちゃうE36とは大違い!
ほんとに良い設計だと思います。

もう一つの性能の違いは
「路面からの入力を伝えない性能」
同一レートで「細く短い素線」(軽いスプリング)と「太く長い素線」(重いスプリング)の違いは、
「スプリング単体での固有振動数の差」を作り
重いほどスプリング単体での固有振動数が下がるので、”ストロークが遅いスプリング”

なんだか「脚が動かない」ってイメージですが、ばね上固有振動数はせいぜい2Hz程度なので殆んど変わらないから大丈夫

効いてくるのはもっと高い周波数域
タイヤ&ホイールを通じて伝わってくる舗装パターンなどの細かくて早い入力の領域
重くて固有振動数が低いスプリングは固有振動数以上の自由運動領域(免震領域)周波数が低くなるので、
ばね下入力が伝わりにくくなります。

コレは重いスプリングほど乗り心地の「ビリザラ感」が消えるので質感に効いてきます。

この方法を良く使っていたのが古いジャグワーやR/R
タダでさえ固有振動数を低くした乗り心地全振りセッティングに
バカみたいに長い自由長を組み合わせてます。

ちなみに同じ理屈として
「ホイール重量による質感変化」で
タイヤの空気ばねとホイール重量が作る固有振動数変化も「ビリザラ感」にテキメンに効いてきます。

重たいホイールほどビリザラ感を伝えにくくなるのでタイヤの転がり感や接地感(モチっとする)が良くなります、
欧州車が良く使う手法で、アルピナとかポルシェなんかも激重ホイール使ってますね
最近だとフーガかシーマの年次変更でホイール重量を1kg増やして「質感」を高めてます。
広報資料の端っこに書いてあったから殆ど知られていませんが、、、

「ホイール重量と乗り心地感度」はホイール1本で1kg変化すれば誰でも体感できるレベルで
更に重いホイールほどジャイロ効果が効くので速度が上がるほど車が座る

「大先輩号」はR34純正ホイールにミシュランなので重いホイールに柔らかくて軽いタイヤの組み合わせなのでこの点はOK!!

デメリットはもちろん慣性が大きくなるので加速&減速性能は低下
まぁ、、、
顕著になるのは高速道路の法定速度x2とかx3の世界でのフルブレーキングだから堅気には無縁な話

逆に、、、軽いバネ下は神!って勢いだけで
「競技用超軽量ホイールに剛性たっぷりの国産スポーツタイヤ」の組み合わせを選ぶとゴツゴツザラザラで違う車になっちゃいます(笑)

チューニング雑誌の記事にノセられて
・サーキットと街乗りを両立した車高調
・バネ下は軽い方が高性能
・タイヤはもちろん高剛性ハイグリップ
コレで全方位無敵!
なんて勢いだけで作ると凄い事になっちゃいます(笑)

こんな感じでスプリングを選ぶと、
もちろん「大人味メインスプリング」はハイパコ1択になるんですが
(更に重くて太いくて長い素線がエンドレスのXコイル黄色ですが、ID65で250mm(10inch)が無いので見送り、、、あれば絶対にコレなんだけどなぁ)

最後にもっとも重要な要素「お値段!!」
・ハイパコ HC65-10-450
2本1setでお値段なんと28000円+TAX!!
4本買ったら6まんえん、、、
安物中華サスペンションkit買えちゃう(笑)
本国米国で買えば「ピーーーっ」
(大人の事実的な配慮による規制)
まぁ、、、
流通量と経営規模を考えるとしょうがないか、

・アイバッハERS H250-065-0080
2本1setで26000円+TAX
ハイパコに劣らずの高級スプリング
2000円ちょっと安く購入できます

・トーハツSWIFT Z65-254-080
2本1setで24000円+TAX
国産なのに意外と高いのね、、、

2000円ずつ価格を刻むのは意図的としか思えない(笑)

さて、、、
コレでリアのメインスプリングは選択できると思います、
大先輩!! どうしましょ?
「大人の財力」炸裂しちゃいます!?

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