R33 GT-R「大先輩号」Step-2仕様
第2弾は、、、
これも地味な小変更
スラビライザーリンクの長さ補正
細かい部分ですが、
-30㎜の車高変更によりスタビライザーの取り付け角度が変わってしまい
スタビライザーレートがストロークが深くなるにしたがって強まる方向になっているので
スタビライザーリンクの長さを補正して
本来のスタビライザーレートを取り戻します。
「車高を下げるとスタビが突っ張る」ってヤツですね
スタビライザー変更してロール剛性の補正も予定していますが、
まずは正しい姿に戻してから!!
スタビライザーの角度が変わっちゃうと何が不味いかって調べてみると
まずは、
R33 GT-Rのスタビライザーリンクの取り付け位置を確認すると
フロントはコイルオーバーサスペンションユニットが取り付けられているリンクからブラケットが伸びているのでレバー比無しの1:1
車高が-30㎜なので、その分スタビライザーの腕も上方向に動い角度が付いてしまっていて本来のレートより高くなっている
アーム類を避ける為に末端部は下向きに曲がっていて”正しい角度”を見つけにくいけど
正しい角度はスタビライザーの腕が水平になる高さ
ざっくり考えて車高-30㎜って事はスタビライザーリンクの長さは+30㎜必要
リアはAアームの真ん中付近にスタビライザーリンクが取り付けられているのでレバー比が発生していて
ほぼ真ん中よりわずかにアーム根元側で
レバー比は2.32
リアは相当硬いスタビライザー入っていそう、、、
車高-30㎜なのでスタビライザーリンクは+30mm÷レバー比 2.32で +12.93㎜必要って事ですね
この辺りの部品は市販されていますが
なかなか高価
市販のボールジョイントを組み合わせて自作すればお安く部品は作れるし
ボールジョイントが劣化した時の補修も簡単
リアに関しては「お団子串刺しブッシュ」なので
リンクの取り付け方法を変更すれば、
フリクションとブッシュの初期たわみを減少させてレスポンス向上も狙えますね
残る疑問は、
NISMOが調整式スタビライザーリンクを発売していない事なので、思ったより影響は少ないのかも!?
ざっくりと事の次第が見えたところで
どれくらいスタビライザーのレートが変化しているかを計算してみると
ノーマル車高の位置でのスタビライザーアームの位置を水平として
伸び、縮み共に30㎜ずつストローク
スタビライザーのアーム長は258.5㎜
ストロークに従ってアーム支点の円運動による、スタビライザーバー(トーションバー)のストローク(ねじり量)を考えると
ひらすら三角関数の世界だなぁ、、、
式を組んでザッと計算してみると、サスペンションストロークが深くなるほど、円運動で捩じられるスラビライザーのアーム変位の割合は大きくなるって事ですね
ノーマル車高から30㎜のストロ―ク量での変化を見てみると
サスペンションストローク 0mm
スタビライザーアーム 258.5mm
ねじり角 0°
作用点X 258.5mm
作用点Y 0mm
スタビライザーストローク 0mm
ACF 1
スタビライザー レート 1.99kgf/mm
スタビライザー ホイールレート 1.99kgf/mm
サスペンションストローク 30mm
スタビライザーアーム 258.5mm
ねじり角 6.62°
作用点X 256.8mm
作用点Y 1.7mm
スタビライザーストローク 31.7mm
ACF 1.057
スタビライザー レート 1.99kgf/mm
スタビライザー ホイールレート 2.10kgf/mm
つまり 1g車高から30㎜サスペンションがストロークすると
スタビライザーホイールレートは平均ACFは1.029で 1.99kgfmm → 2.10kgfmmへ5%ほど連続変化しているって事で
ノーマル車高に対して-30㎜車高から30㎜のストロ―ク量での変化は
サスペンションストローク 30mm
スタビライザーアーム 258.5mm
ねじり角 6.62°
作用点X 256.8mm
作用点Y 1.7mm
スタビライザーストローク 31.7mm
ACF 1.06
スタビライザー レート 1.99kgf/mm
スタビライザー ホイールレート 2.10kgf/mm
サスペンションストローク 60mm
スタビライザーアーム 258.5mm
ねじり角 13.07°
作用点X 251.8mm
作用点Y 6.7mm
スタビライザーストローク 66.7mm
ACF 1.11
スタビライザー レート 1.99kgf/mm
スタビライザー ホイールレート 2.21kgf/mm
-30㎜車高から30㎜サスペンションがストロークすると
スタビライザーホイールレートは平均ACF 1.085 2.10kgfmm → 2.21kgfmmへ5%ほど連続変化しているって事になります
同じくリアを見てみると
ノーマル車高から55㎜のストロ―ク量での変化を見てみると
サスペンションストローク 0mm
レバー比2.32
スタビライザーストローク 0mmm
スタビライザーアーム 170mm
ねじり角 0°
作用点X 170mm
作用点Y 0mm
スタビライザーストローク 0mm
ACF 1
スタビライザー レート 8.85kgf/mm
ACFレート 8.85khf/mm
スタビライザー ホイールレート 1.64kgf/mm
サスペンションストローク 55mm
レバー比2.32
スタビライザーストローク 23.71mmm
スタビライザーアーム 170mm
ねじり角 7.94°
作用点X 168.4mm
作用点Y 1.6mm
スタビライザーストローク 25.3mm
ACF 1.07
スタビライザー レート 8.85kgf/mm
ACFレート 9.46khf/mm
スタビライザー ホイールレート 1.76kgf/mm
つまり 1g車高から55㎜サスペンションがストロークすると
スタビライザーホイールレートは平均ACFは1.03で 1.64kgfmm → 2.75kgfmmへ6.4%ほど連続変化していて
ノーマル車高に対して-30㎜車高から55㎜のストロ―ク量での変化は
サスペンションストローク 30mm
レバー比2.32
スタビライザーストローク 12.93mmm
スタビライザーアーム 170mm
ねじり角 4.35°
作用点X 169.5mm
作用点Y 0.5mm
スタビライザーストローク 13.4mm
ACF 1.04
スタビライザー レート 8.85kgf/mm
ACFレート 9.19khf/mm
スタビライザー ホイールレート 1.71kgf/mm
サスペンションストローク 85mm
レバー比2.32
スタビライザーストローク 36.64mmm
スタビライザーアーム 170mm
ねじり角 12.16°
作用点X 166.2mm
作用点Y 3.8mm
スタビライザーストローク 40.5mm
ACF 1.10
スタビライザー レート 8.85kgf/mm
ACFレート 9.77khf/mm
スタビライザー ホイールレート 1.82kgf/mm
-30㎜車高から55㎜サスペンションがストロークすると
スタビライザーホイールレートは平均ACF 1.07 1.71kgfmm → 1.82kgfmmへ6%ほど連続変化しています。
スタビライザーのツッパリ感はスタビライザーアーム角度の影響によるACFの変化が原因って事になりますね
もちろん車高をさらに下げればよりACFは大きくなるので より影響は顕著に表れますし
ノーマルの前後車高バランスを変更すれば より車高を下げた方のスタビライザーホイールレートが高まるって事です
前後車高バランスを変更した時の特性変化はコノあたりがポイントになりそうですね
つまり、
フロント車高を下げれば、スタビライザーACFが大きい方向に変化して、スタビライザーホイールレートが高くなり、フロントのロール剛性が高くなり
リア車高を下げれば、リアのロール剛性が高くなる
車高設定とスタビライザーホイールレートを切り離してセッティングするためには「調整式スタビリンク」を使ってスタビライザーアーム角度を補正する事が必要になる
って事になります。
NISMOが調整式スタビライザーリンクを使わない理由は、NISMOの推奨車高ではACFの影響が少ないので問題なしって考えたのかなぁ、、
もう一つ調整式スタビリンクが必要な理由は、スタビライザーアームが円運動ってコトで
リンク長さが十分に取れない設計のサスペンションだと、図のスタビライザーアームの軌跡とスタビライザーリンクの軌跡が一点になった部分で一直線になり
アームロック状態になり、サスペンションが動かなくなりますね
スタビライザーリンクが短いほど余裕がないので注意が必要です
さて、、、
車高変化とスタビライザーホイールレートの関係が見えてきて
現状の大先輩号では、あまり深刻な影響にはなっていないって事がわかりましたが、、、
5%のレートUPと平均ACFが増えたことにより深くストロークした時のツッパリ感は数値上での確認は出来ました
緊急性は無いけど、スタビリンクが消耗交換の時は、仕様変更も考えた方が良いと思います。
やっぱり、本命はスタビライザーレートUPですねぇ~
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スタビリンクがハイマウントで長いクルマがいる理由が分かりましたね。
車高設定によるスタビの効きについてはタミヤのラジコンで観察してみまーす
スタビライザーアーム長とスタビライザーリンクが長い程 スタビライザーレート変化が少なくてリニアな動きになるみたいですね!
車高変化によるスタビライザーの突っ張り感は-30mm程度なら大きくは無いので
しばらくはこのままでも良さそうですね~
スタビライザーリンクを消耗品交換するときに調整式をつくります!
R33 GT-Rに乗っておりいつも参考にさせていただいております。
サスアーム固定部のゴムブッシュによる反力(抵抗?)の影響はどの程度あるものなのか、考察を頂けると嬉しいです。
特に後輪側については、ショックやスタビを外してもナックルが自重で垂れ下がったりせずに突っ張ってしまっており、リンクのゴムブッシュ固定部分を全て緩めたらやっと自由に動くようになりました。
ゴムブッシュのせいで相当サスペンションの動きを阻害してしまっているように感じています。(バネ数キロ分になっているのでは無いか、と、疑っています。)
1G締結が有効である事からも、ブッシュによる反力がある程度影響する事は間違いないと思っているのですが、操安乗り心地にどの程度影響しているものなのか、の情報が、色々と探しているのですが見つけられておらず、考察いただけると大変勉強になります。
よろしくお願いいたします。
R33乗りさん
コメントありがとうございます
ブッシュの反力成分はありますね~
1g締めの実施はノーマル車高から下げるほど影響が大きくなりますよね
「大先輩号」は車高はノーマル-30mmで設定しましたが ダンパー下のブッシュのみ1g締め付けをしただけで突っ張り感が抜けましたから
ゴムブッシュのバネ係数から計算で追いかける事は難しいので、実測しちゃうのが早いと思います。
スタビライザーとダンパーをサスペンションアームから切り離して
体重計とパンタグラフジャッキを使えば実測は可能です。
が、、、
同じ手間なら1g締め付けを実施した方が早いです(笑)
1g締め付けの手順は
1gでフェンダーから糸を下げてハブ中心を通る垂直線を作ってフェンダー位置にマーキングして
マーキング~ハブ中心の距離を計り
ジャッキUpの後にロアシートを全緩めしてスプリングを遊ばせた状態にして
ブッシュ締結部のボルト&ナットのトルクを抜いて1g高さまでハブを持ち上げた後に締結し
元のプリロード値に設定
コレを4輪に実施した後に軽く走らせて
車高変化分=サグ変化を再調整すれば完了です。
「大先輩号」も時間を見つけて追い込んでみます。
1g締め付けにより
ブッシュ反力が抜けるので
縮みサグが減少し伸びサグが増えるのでプリロードを入れる方向
ブッシュ反力が抜けるのでピッチ&ロールが増えるので
減衰力は高め方向に振る方向になると予想します。
突っ張り感の減少とダンパー減衰力での抑えの関係で乗り心地がどっちに振れるかが興味があります!
1G締め付け実施したのですが、どうしてもリヤサスのストローク感が出ないんですよね。。。
今度、自分の車でショックとスタビ外した状態のストローク-反力特性測定してみます!
コメントへの返信ありがとうございました!
R33乗りさん
お使いのサスペンション仕様が不明なので
「原因はコレ!」とは言い切れませんが
サスペンションにストローク感が出ない要因は
①減衰力過多でダンパーが突っ張って動いていない
②サグ設定が悪くて縮み(伸び)ストロークのどちらかが極端に不足
の2点から調べてみて下さい
①は簡単です
減衰力調整を最弱まで緩めて走ってみて
ストローク感が出れば
最弱から次第に締めて
「ちょっと抑えてが足りないかなぁ」くらいに調整してみて下さい
②はちょっと面倒なんですが
ダンパーストロークの縮み伸びの割り振りを5:5~4:6くらいになるようにプリロードアジャスターで調整(サグ調整)して
最後に全長調整で車高を合わせて下さい
なんとなくですが②が原因じゃないかと思っています、、、