前回までで「前後スプリングレートは加速時の荷重移動を織り込んで設定しているんじゃないか?」って事に気が付いたので計算して確認します。
この計算で考察の裏取りが出来れば視野が少し広がります。
まずは、、、
車両諸元から加速gを計算してみます
「加速g」の定義は
車両が加速するときの加速度を重力加速度のG(=9.8m/s2)を使って表したもの
計算方法はすごくシンプルで
加速度(g)=駆動力F(kg)/質量M(kg/g)
例として計算してみると
重量1000kg(質量は1000kg/g)の車がスリップロス”0″で300kgの駆動力で加速するときの加速度は、
300kg÷(1000kg/g)=0.3gになります
この式を使ってE36 M3Bの加速gを求めてみます
①走行時の重量(質量)を計算
今回は一度整理するためにノーマル車両で計算を進めます
※軸重は車検証の車両重量とする
「車両重量」の定義は冷却水、エンジンオイル、ガソリンは満タン状態で、工具やスペアタイヤは搭載しない状態
・車両重量:1480kg
・搭乗者 1名:77kg
・スペアタイヤ 19kg
・工具 :5kg
以上の合計で車両走行重量=質量は1581kg/g
②エンジントルク、減速比、タイヤ径から駆動力を計算
※エンジン発生トルクは回転数によって変動するので最大トルクの70%を平均トルクとして扱う
・最大トルク ;32.7kgfm
・平均トルク ::32.7 x70% =22.8kgfm
・各ギアによる減速比
1速 4.198
2速 2.493
3速 1.665
4速 1.240
5速 1.000
・最終減速比 3.15
・タイヤサイズ235-40-17の半径
タイヤ外径: 619 mm
タイヤ半径 309.5mm
駆動力計算は
エンジントルク(kgfm)x各ギアでの減速比x最終減速比÷タイヤ半径(m)なので、、、
表計算で一気に計算しちゃいましょう!!
各ギアでの平均加速度が計算できたので
視点を変えた裏取り計算としてE36 M3Bの0~100加速 5.4秒と対比すると
1g=9.8m/sの加速度は「1秒間に9.8m/sずつ加速する」って事なので
1速の加速度は0.62g 最高速度は64㎞/h
2速の加速度は0.37g 最高速度は108㎞/h
100㎞・hまでの加速度を加重平均すると
0.52g =(0.62g x64%)+(0.37g x36%)
9.8×0.52g =5.13m/sの加速度になり、この加速度で5.4秒加速すると
5.03×5.4 =27.68m/s
=99.66km/h
シフトUP1回分のタイムロスがどっかに消えちゃっていますが、
ほぼ近似値なのでこの計算式で使えそうです
1速は0.62g 2速で0.37g 現代の車から見ればショボイ加速gですが
この位が「爽快感のある加速」ですね~
「1g加速」ってとんでもないですから(笑)
現実的な走行時の最大加速gは2速フルパワーなのでココまでの計算を使って瞬間最大加速gを求めると
1速で0.88g
2速で0,52g
ピーク数値で見ると結構良い加速していますね~
今回の計算で加速gが求められたので
次回は重心点に瞬間最大加速gを作用させてピッチングモーメント(荷重移動量)を計算します
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サスとは全然関係無いですが。(笑)
太古の昔、JAF/JARI共催のトレーニングに当たって参加した時、ブレーキ踏力100kgオーバー、1Gの減速Gマークしました。
歳だし、もうムリですかね。(笑)
1g減速とは強烈ですね!
0.5g減速でも街中じゃ結構なカックンブレーキですから(笑)