週末にグライダー曳航で飛ばしている飛行機
A-1 Husky
軽い機体重量と大きな翼による低翼面荷重
不整地での短距離離着陸性能に特化した設計なので低速での安定性と操縦性は抜群です
尾輪式で離着陸が難しいですが
数年飛んで特性が見えてくると、だんだん面白くなってきます。
そんな尾輪式飛行機の着陸は、
・「海軍式」とも呼ばれるフレアー(接地前の引き起こし操作)をしっかり掛けて失速速度のチョイ前で主輪、尾輪同時に接地させる
「3点着陸(ストールランディング)」
・「陸軍式」とも呼ばれるフレアーを水平飛行姿勢までで安定させて、そのまま静かに主輪で接地させて減速の後に尾輪を接地させる
「接線着陸(ホイールランディング)」
の2種類があります。
今までは「海軍式」の3点着陸を練習してきましたが、「陸軍式」の接線着陸も練習して着陸技術の幅を広げます。
それぞれの着陸方法の特徴としては
「海軍式」の3点接地は
海軍式なだけに基本は空母着艦に用いる着陸方法
ガッチリと引き起こして速度を抜くので
接地する際の大気速度が失速速度付近になり
しかも、失速速度付近で接地した瞬間にタイヤの転がり抵抗での減速もあるので、急速にエネルギーは失われ
着陸滑走距離は最短になります。
アレスティングワイヤーにフックを引っ掛けて急減速させるので、
フックを掛ける為にもピッチアップ姿勢が必要ですね
やはり、、、
狭い空母に降ろすために必要とされた着陸技術なんですね
空母で離着陸は基本的に空母も風上に向かって走るので対気速度は同じでも対地(対空母)速度は空母が風上に走る分だけ遅くなります。
(20ktで走る空母に80ktでアプローチすると対地(対空母)速度は60kt)
慣性力は速度の2乗で効くので「如何に低速で接地させるか」が大切です。
欠点ももちろんあって、
・接地時の速度を削るので、接地直前の操縦性が悪くなり横風に対するコントロールが難しくなる
空母は何時も風上に向かって全力疾走なので「横風着陸」なんて状況がありえない、、、、
昔の空母は甲板真っ直ぐに使うから絶対に正面からの風、
なんかズルいよ、、、
空母乗りって横風着陸下手なんじゃない?(笑)
・接地寸前は地上姿勢近く(チョイ多目)に引き起こしているので前が見えない
機首を上げて前が見えない時は視界の左右の端の景色を見て真っ直ぐ走らせます
・接地寸前で着陸復航(空母だとウェーブオフって言います)するときは速度を絞っているので、再加速までの時間が掛る
Vy最良上昇率速度以下で迎え角が大きくなるほど翼の効率(揚抗比)が悪くなり抗力(空気抵抗)が増えるので再加速に時間が掛ります
もちろん失速速度寸前なんて最悪な状況で「バックサイド」の一番深い所
「低高度&低速度」の危険な時間が長くなります。
・中途半端に引き起こした「エネルギー余り」の状態で接地させると豪快にバウンドしてポーポイズに入る
ちょっと前に書いた尾輪式飛行機の着陸の難しいポイントです。
中途半端が一番危ない
海軍式の3点着陸ポイントは、
とにかくしっかりと引き起こしてエネルギーを抜いてしまう事
「地面をなでるような滑らかな接地」を狙うと大抵は失敗して跳ねまわります(笑)
僕の目安は高度30㎝位で失速警報を鳴らすまでキッチリ減速して、どてッ!と接地させます。
見てくれは悪いけど一番安全です。
「陸軍式」の接線着陸は
広い陸上滑走路を使って離着陸する陸軍(今は空軍か、、、)の離着陸方法なだけに
滑走路の長さにモノを言わせてフレアー操作は浅めで水平姿勢まで
その状態から、滑空状態で降下率をエンジンパワーでコントロールして静かに接地させます。
失速速度以上の速度を保ったまま接地させた後に減速に入るので、操縦性は良い状態
横風や突風を受けても対応しやすい状態です。
これが「接線着陸は横風に強い」って言われる要因ですね
僕も、ハスキーで横風着陸を色々試して見つけた楽な方法も「接線着陸っぽい降ろし方」でした
さらにエネルギーを残した状態での接地なので機体が不安定になって着陸をやり直す着陸復航(陸上飛行場ではゴーアラウンドって言います)の時に
「低高度&低速度」の危険な時間が短くなります
オマケ程度ですが、接地した後の着陸滑走時にも尾輪を持ち上げた状態なので前が見える安心感もあります
欠点としては
・浅いフレアーで速度を抜かずに接地させるので、着陸滑走距離は長い
感覚的に「海軍式」(3点着陸)の1.5倍は走ります。
これは地上滑走中のブレーキの使い方が難しく、ビビりながらブレーキ掛けている部分もあると思います。
尾輪式の欠点の
「ブレーキ掛けるとつんのめって逆立ちする」って事に対してのマージンが少ないんですよね、、、
逆立ちしないように じわっ、、、じわっ、、、って探りながらのブレーキなので全然止まりません
やっぱり広い滑走路で使う着陸方法ですね
・接地させるときに沈下率が大きいと大ジャンプ!!
浅いフレアーで速度を抜かずにエネルギーを持ったまま接地させるので
勢いよくドカンと接地させるとテールが下がり(=機首上げ)でAOAが大きくなり揚力が増えて、思いっきりバウンドします。
まぁ、、、あんまり酷ければ着陸復航)してやり直すのが一番安全で正しい判断
下手にパワー足して誤魔化して降ろそうとすると、やらかします(笑)
陸軍式の接線着陸ポイントは、
アプローチは同じで高度50~30cm位で降下姿勢から水平飛行状態まで引き起こし一度沈下を止める事
作った水平姿勢を維持していると速度の減少により機体が沈み始めるので沈下率を見て必要ならパワーを足して静かに接地させる
どんなに静かに接地しても、主輪と重心位置の関係でテールが下がる(=機首上げ)になるので
僅かにエレベーターDownを入力してテールが下がらないように支える
このエレベーターDown操作が接線着陸のポイントで接地した瞬間にほんの数度だけ機首下げにするイメージです。
そのままテールを上げた姿勢をエレベーターでコントロールしながら減速していきますが
「テールを下げる瞬間」が危ない時間で
今まで水平姿勢で効きが良かったラダー(方向舵)がテールを下げて尾輪を接地させると
胴体の陰の乱流に入り急激にラダーの効きが悪くなります。
この不安定で操縦性が悪い瞬間が一番グランドループを起こす危険性が高くなります。
状況に応じて着陸方法の使い分けは
通常の着陸は接地速度が遅く着陸滑走距離が短い海軍式の3点着陸
強風や横風条件は接地寸前の低速操縦性に優れた陸軍式の接線着陸ですね
暫くは3点着陸と接線着陸で交互に降ろして接線着陸を練習します。
着陸回数が多くて疲れてきたら あまり引き起こさない陸軍式
ハスキーの操縦桿重いからなぁ、、、(笑)
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