機体修理とトレーラー車検

FOXは先週からトレーラー車検と機体整備に入っています。
年に一度のトレーラー車検、今回は小山滑空場にあるウインパルさんにお願いするので、約30kmほど陸送
機体整備はテールバー(地上ハンドリングの取っ手)の修理です。

テールバーは先日の運航の時にジュラルミンの腐食で力を入れた瞬間に「ぱりっ」と軽い音と共に取れちゃいました、

その瞬間、「あ~こわしたー」とジト目で見られる、、、

「どう見ても腐食ですっ!こんなにモソモソになってるじゃん!!」
って言ったところで「トドメをを刺した人が壊した人」になるのがこの世界の恐ろしいシキタリです、、、

壊れた物は修理しなきゃならないので、トレーラー車検に合わせて格納庫で修理開始です
まずは僕が介錯したジュラルミン製のテールバーの残骸をリューターで削って機体から取り外して
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新しくステンレスチューブから切り出したテールバーをエポキシ接着剤で接着
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この上からFRPで補強するのですが、

ちょっと違うのが樹脂の種類と作業方法
普通のFRPで使われるポリエステル樹脂ではなく、
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さらに高強度のエポキシ樹脂
使ってみたいけど、高価なんですよね、、、、

このエポキシ樹脂をガラスクロスに含浸させる方法がちょっと違って
母材にクロス(マット)を乗せて、樹脂を塗り、脱泡ローラーで密着させるのが一番単純でポピュラーな方法ですが
今回のFRP修理方法は航空機修理に用いられる方法で
ビニールシートにガラスクロスを置いて上からエポキシ樹脂を塗り
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ビニールシートで挟んでヘラで脱泡と余分な樹脂を絞り出す。
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出来上がったシートをビニールごと必要な大きさに切り出せるのでパッチ当て修理を行う
樹脂も必要最低限に搾れるしサイズも適切に切り出る良い方法です。
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くっつける相手に樹脂を薄く塗ってビニールを剥がしてシールのように張り付けて
ビニールの上から指で十分に馴らして
ピールクロスを張りさらに余分な樹脂を吸い取る
樹脂硬化後にピールクロスごと余分な樹脂をぺりぺりと剥がしてしまいます。

FRP補強完了
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プロは仕事が早くて綺麗です、、、
勉強になるなぁ~
構造部材になるとクロスの種類と繊維方向の指定と「何度で何時間温める」ヒーティングの工程があるそうです。

接着と補強が終わったら不要なバリをアングルサンダーで削り落として
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塗装して出来上がり
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僕が出来ることはコクピット内のお掃除とキャノピー磨き(笑)
「たかがお掃除」とバカに出来ないのがアクロ機で、とにかくゴミは大敵

掃除が不十分な機体でアクロを飛んだ後は、髪の中から色々なゴミや砂が出てきます(笑)
飛んでいる時も砂埃が目に入りそうになって気が散ったり、枯草が目の前をふわふわ飛び回ったりで鬱陶しい、、、
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コクピットから外せるものは出来るだけ外して、掃除機であらゆる隙間を吸いまくる
アクロ科目でいろんな方向に振り回してGを掛けちゃうので、思ってもいない場所にゴミが入り込んだりしています。

一通り掃除が終わったらキャノピー磨き
アクリル一体成型のキャノピーは傷が付きやすいので、良好な視界を保つために事あるごとに磨いて傷を取っています

磨き材はバイクのスクリーン磨き等でちょっと有名な”ミラーグレーズ”
クリアプラスチック磨きの液体コンパウンドです。
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最初に白いボトルのNo17(スクリーンクリーナー)で大きな傷を磨き落として、
仕上げは紺のボトルのNo10(スクリーンポリッシュ)で全体を磨いて完了


簡単に綺麗になりますが、

アクリルをネル布で磨くので、、、、
仕上げ拭きをしているとウエスからパチパチと音がして、毛が逆立つような”もわっ”とした感覚
物凄い勢いで静電気が帯電していきます(笑)

一方車検上がりのトレーラーは板倉から30kmほど離れた小山滑空場から陸送です。
トレーラーの重量に負けないように重いクロカン4駈に繋いで、連れ帰ってくるのですが、、、
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毎度ながら、長いんです、、、

連結部分からトレーラ輪まではそんなじゃないけど、4tロング級のオーバーハング!!
気を付けないと結構な勢いで振り回して薙ぎ払っちゃいます

おっかなびっくり帰ってきて整備の終わった機体をトレーラーに戻して作業完了
女狐は巣穴に戻って一安心の様子(笑)
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これで2月9日からの合宿運航はバッチリです♪


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