先日のフロント編に続き、今回はリアを見てみます。
やはり車の運動性と安定性はリアタイヤのトラクションが勝負だと思います。
リアさえキッチリしていればフロントは結構適当でも走っちゃいますから(笑)
E36系のリアサスペンションの構成はセミトレーリングアームをベースとして、トレーリングアーム、ロアアーム、アッパーアームの3本構成のマルチリンク
特徴的なのは各アーム長が長めに設定されていて、ストロークによるジオメトリー変化を少なくしています。
ロアーアームのアーム角度は大きめに取られていてフルロール状態からトラクションを掛けてた状態で路面不正を通過しても余裕が残るほどのロングストローク対応
S字型に湾曲したトレーリングアームのボディ側支点はタイヤのトレッド面中心線上に設定されている事により、加速、減速でのトゥ変化を起こしにくく、
リアのハブセンター高とほぼ同じ高さにボディ側支点があることにより、加速時にリアの沈み込みを押さえ、減速時にはリアの伸び上がりを押さえ込む
アーム角度による、アンチスクワット、アンチロール要素を上手く使ったリアサスペンションだと思います。
フロント、リア共にアーム角度を見れば車高がサスペンション設定で重要な項目だと改めて考えさせられます。
リアスプリングの構成は、
メイン 18.35kgfmm
プライマリー 20kgfmm
のツインスプリング+ヘルパー仕様
これにレバー比1.53が掛かり ホイールレートは
メイン 18.35kgfmm/1.53/1.53=7.83kgfmm
プライマリー合成レート9.56kgfmm/1.53/1.53=4.08kgfmm
密着荷重は0.7G付近なので、ブレーキによるピッチングとロールでの姿勢変化を「脚が伸びきらない」事で抑えます。
この構成にサスペンションメンバー補強、ブッシュのスフィカルジョイント(ピロボール)化により長いストロークを正確に動かせるように変更しました。
どんなタイヤでも接地圧が低くなればグリップは下がってしまうし、
跳ねて飛んでいる間はコントロール不能
とにかくストロークさせて接地を切らさない事が大切だと考えました。
で、、、ウンチクはこの位で実走状態のリアサスペンションを見てみましょう。
カメラ取り付け場所は、右のリアタイヤ前から後ろ向きに撮影しています。
カメラ高さはフロントを撮影と揃えています。
惜しいのはタイヤのサイドウォールが全て映っていない事、撓みと対地キャンバーも見たかった。
ツインスプリングによりロール、ピッチとも姿勢変化が少ない脚になっています。
フロントのトリプルスプリングに比べればツインスプリングのリアの沈み込みは大きめ、
フルにロールした状態から路面の外乱を受けても脚がスタスタ動いて姿勢を維持できています。
トータルでのホイールストロークは約100mm程、リアダンパーのレバー比は0.74なので
ダンパーストロークは100mm/0.74=135mm
ほぼストロークの80%は使っていますね。
今回発見したのが、
リアの減衰力が適正範囲内だとホイールスピンの際にワインドUPによるジャダー(バタバタ)が抑えられて
綺麗にホイールスピンするのでコントロールしやすくなります。
高負荷状態でリアのスリップアングルが大きくなる状況でも動きは穏やかで、
自然と収束したがるのでコントロール性は非常に良く楽しく走れます。
サスペンションはストローク量が勝負です!!
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