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15分 1000円で乗り心地改善

すべての車両に使えるお手軽作業です。

固めのダンパーの乗り心地って正直キツイですよね、
乗り心地悪化の原因の一つ「サスペンションのフリクション」
結構、影響大きいんですよね、、、、

単筒高圧式ダンパーはフリクションに関してはかなり厳しい状態です。

ダンパーの減衰力を発生させる構造は、ピストンに空けられた「オリフェス(小穴)」をダンパーOILが通過する時に発生する抵抗を使って運動エネルギーを熱エネルギーに変換して大気に放出しています。
ココまでがラジコンのダンパーです
車やバイクのダンパーは「オリフィス」だけではピストンスピードが速くなった時に減衰力が出すぎて突っ張ってしまうので、
大きめのオリフェスにバネ鋼で作られたバルブを数枚組み合わせて取り付けて任意の減衰カーブを作ります。
(ピストンスピードが上がるとバルブが開いてオリフィス径が大きくなったのと同じ状況を作る)

更にダンパーが縮んだ時にダンパーシャフト分の体積を逃がすために空間が設けられていて、ここに不活性特性の窒素ガスが封入されています。

複筒式、単筒式ダンパーに関り無い基本構成です
(複筒式は外側の筒にガスが詰められていて 単筒式はフリーピストンで仕切られています)

問題は減衰力、ガス圧、OILシール等のフリクション

ダンパーの仕事である減衰力を発生させるためOILが「オリフェス」を通過する際に、
あるピストンスピードに達するとOILが追従できずに真空部分が発生してしまい、
減衰力を発生させることが出来なくなります。
イメージとしては、水の中で手のひらを早く動かすと「ごぼっ!」っと音がして手の周りに泡が生じる現象で、
「キャビテーション」と呼ばれています。

この問題を解消するために封入した窒素ガスを高圧にすることで、
真空状態にならないようにOILを押さえつけます。

これがガス圧が必要な理由、

ダンパーが抜けると、OIL量が減少して結果としてガス圧が下がり、
キャビテーションが発生するので減衰力が発生せず「ぼよんぼよん」になります。

もちろん高い減衰力を発生させればさせるほどキャビテーションが発生しやすくなるので、
要求されるガス圧は高くなります。
これが高圧ガスダンパーのロッド反力に表れます。(手でダンパーを押し込むときのに感じる反力)
基本的に単筒高圧ダンパーだと強く 複筒低圧ダンパーは弱いです。

そして、ガス圧が高いほどダンパーOILを漏れないようにするOILシールの緊縛力も増やさなければならないのでフリクションが増大します。

このガス反力とOILシールフリクションでダンパーの動きが渋くなります。
高スプリングレートに対応するために高い減衰力を設定すると加速度的に動きが悪くなるのはこの影響です。
(高スプリングレートで伸び側ストロークが短くなるのも影響が大きいですが)

さらに倒立式だと、アウターケースとダンパー本体の間のスライドメタル、ダストシールの影響も受けて更にフリクションが増えます。

ガス圧と減衰力はO/H時の仕様変更しか方法はありません、
傾向として、「街乗りで、乗り心地重視」ってオーダーでも必要十分な減衰力設定です。

まぁ、、、この辺は個人の好みで、、、、

今回は、お手軽にフリクションを減らしてダンパーの動きを良くします。
必要な道具と作業時間は、、、

①ドライルブスプレー
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②φ2,0程の穴が空けられるキリ(マイクロドライバーでも可)
③100円ライター
④ジャッキ
⑤ウマ
作業時間は15分程

作業方法は
①ジャッキで持ち上げてダンパーシャフトを露出させます。
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②ダンパーシャフトにドライルブスプレーを吹き掛けます。
倒立ダンパーはインナーチューブ(外から見えている部分)だけでも効果あります
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最初は無色透明ですが、数秒で乾燥して白い粉が残ります。

たったこれだけです(笑)

「φ2.0のキリと100円ライターの使い道は?」って
ダンパーのダストカバーが蛇腹で捲れるヤツは簡単ですが、BMWのリアはプラスチックの筒なのでダンパーを分解しないとシャフトが見えません

なので、、、面倒なのでダストカバーに穴を空けちゃいます。
ダストカバーの上の方に穴を空けると埃が入るので、ダンパーを伸び切らせて、ダストカバーの下の方に穴を空けます。

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手でダストカバーを揉んでみてダンパーケースに近いところを狙いを付けて
100円ライターで炙ったキリで「ぷちゅっ♪」

この時に絶対にダンパーシャフトを傷つけないように、傷付けたら一発でダンパーが抜けます!!

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穴を空けたらスプレーのノズルを差し込んで、もにょもにょとダンパーシャフトを探って360°シャフト全周スプレーして作業完了
神経質な人はダストカバーの穴にテープでも巻いてください、 まぁ、ノーマルダンパーが走行中に伸び切るってトンデモナイ状況(横転とかジャンプ)ですで僕は無視します(笑)

これでダンパーのダストシールにドライルブを乗せられるのでダンパーの動きがスムーズになります。
倒立ダンパーはインナーシャフトに吹き付ければOK 分解してダンパーシャフトにも施工すれば効果倍増ですが面倒なので分解したついでに作業すれば良いでしょう

以前から「ドライルブforダンパー」って商品が出ていますが、

スプレーの方が簡単です。
時間があれば専用品をお勧めしますが、ほとんど効果は同じ

ドライルブスプレーですが
ワコーズから「バイダス ドライ」や呉の「ドライファストルブ」が出ているのでお好みで、、
ゴム製品に使える事だけは確認してください

ちなみに「バイダス ドライ」は使ってみたいけどかなり高価です 
ワコーズなので品質は絶対ですが、ケミカルスプレーで5000円近いってねぇ、、、、

このドライルブ、ダンパー以外にもベルトの鳴き止めや鍵穴などにも使えるので
1本工具箱に入れておくと何かと便利です♪

「潤滑剤なら何でもいいだろ!!」って556やWD40等の浸透潤滑剤は絶対にダメです
ゴムを侵食するのでダンパー抜けの原因になります。
高いの選ばなければせいぜい1000円です、ケチらずに買ってください(笑)

15分の簡単作業の効果は体感できます。
特に減衰力が高めに設定されていて「ごつごつ」とした乗り味のダンパーには効果的で
ビルシュタイン、KONI FSD、E46 Mスポーツ、に施工しましたが、どれも体感できました。
(もともとフニャフニャな車は体感効果薄いです。)

アスファルトパターンのザラザラ感、目地段差の突き上げが減少して”高級ダンパー”の味が楽しめます。

効果の持続性は3000km程度
「乗り心地が悪くなってきたなぁ、、、」って感じたり「明日、だれか乗せる」って時に再施工すればOK
”ごはんに「のりタマふりかけ」程度”の小手先技ですが、乗り心地改善の一手です。

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