天駆けるクジラ、、、

日本飛行船(株)籍に置く日本で唯一の飛行船、「ツエッペリンNT」、
高校時代の友人が操縦士として乗務しています。

ゼロ戦の周りでウダウダと遊んでいると、、
西の空から飛行船がゆったりと飛んできます

着陸後、落ち着いた頃を見計らって、、、、
お仕事の邪魔をして見学させていただきます(笑)

友人に引率されて飛行船の傍に、、、

HI3C0128
HI3C0128

段々と近づいて行きますが、大きさのイメージが無いので、遠近感がオカシクなります
飛行船は学生の時に数回、空で逢った事がありますが、こんなに傍で見るのは初めて、、、

HI3C0146
HI3C0146

飛行船の下に入ると、、、、
ありえない大きさの物体が風に吹かれて無音で浮かんでます。

HI3C0139
HI3C0139

友人曰く
「今の飛行船の重量は全体で300kgにsetされて、係留しているんだよ~」
との事、、
こんなデカイ物が300kgですか、、、

HI3C0138
HI3C0138

地上に係留されているときは、巨大な吹流しなので
尾輪部分を押すと、巨大な飛行船がゆっくりと動きます!!

大きさのイメージを掴む為に、飛行船の諸元を調べてみると

全長   75.1m     25階建てのビルと同じくらい、、、
全幅   19.7m     サランラップ1本分、、
全高   17.5m     ガンダムとイイ勝負
ゴンドラ全長 10.7m   マイクロバスくらい、、、
最大客席数 12席     広々~♪
最大搭載荷重 1900kg   満席状態でも、2時間位の宴会セットは持ち込みOK!?
エンジン出力 200Hp×3基 船体左右と尻尾、各一箇所に1個のエンジンですね
最大飛行速度 125km/h   意外と足は速いんです
巡航高度 300~600m    遊覧飛行にはもってこいの高さネ
最大航続距離 900km    東京から青森くらい??
最大上昇限度 2250m    富士山5合目のちょっと下です
通常飛行時間 6時間    その位で勘弁して
最大飛行時間 24時間    流石に飽きるって、、

「25階建てのビルが横たわって浮かんでいる」って感じですね~
船体に触れてみると、運動会のテントみたいな生地で出来ていて、触感は”ぷにぷに”してます(笑)

HI3C0140
HI3C0140

ヘリウムの詰まった「でっかいエンジン付きの風船」って事は十分理解しているんですが、
エアライン機みたいにエンジン吠えさせてブッ飛んで行く訳でもなく、音もしないで浮かんでいるのは現実感が薄れます、、、

地上での係留中の保守管理の話を聞いてみると、優雅に天駆けるクジラの面倒を見るのは大変だそうで、、、

船体の中はヘリウムを詰めたガス室と形状維持の空気室で出来ているので、
気温、気圧が変化すると体積変化を起こして、船体形状が保てなくなるので、船体気圧と保つファンが24時間稼動し続け、

外気の気温、気圧が変化すると、船体浮力が変わるので、浮力を一定に保つ為に、人力でバラストを調整
もちろん雨が降れば、水滴分だけでも200kgは重くなるので、バラスト調整
雪が降った日には、2tonもの重量になるので、徹夜で雪下ろし&バラスト調整、、

最低でも2名が24時間張り付きで面倒を見ているそうです、、、
聴くも涙、語るも涙の苦労話です、、、、

グランドスタッフの根気と努力で維持している飛行船、スケールのデカイ話です。

さてさて、続きまして、キャビンに入ると、、、
凄いのは、窓の大きさ、、、電車くらいの大きさです!!

HI3C0142
HI3C0142

空飛ぶ乗り物でココまで窓が大きい乗り物は他には無いでしょう、

HI3C0145
HI3C0145

キャビン最後部にはパノラマビューですよ♪
フライトの時はエンジンが遠くにあるのでキャビンは静穏、巨大な船体で安定性は抜群、
遊覧飛行は最高でしょうね♪

さて、、、オタノシミのコクピット

HI3C0143
HI3C0143

おお~っ 流石は最新鋭飛行船!!グラスコクピットだぁ~♪
全く想像も出来ない操縦方法を教えてもらうと、、、
左のスティックでピッチングとヨーイング、、、ラダーペダルが無いんです!!
そりゃそうだ、、飛行船は船と同じ原理で曲がるので飛行機みたいに”ロール”する必要が無いじゃん(笑)

そのかわりにエンジンは3機、にプロペラ4枚!!
エンジンは機体の左右に1機ずつ、後部に1機、

HI3C0137
HI3C0137

後部エンジンには機軸方向とは別にヘリのテールローターそっくりなプロペラが付いてます

低速領域は、3つのプロペラをチルト(傾けて)前進、後退、
ピッチ(推力)を変えて上昇、降下
テールローターをコントロールして左右旋回

高速域はエンジン3機を機軸に合わせて推力として、尾部の3枚の舵でコントロールってコトだそうです。

チルトローター機(V-22オスプレイ)と潜水艦を合わせたような操縦方法なんですねぇ~(笑)

タイラップは、飛行船の「上昇と降下」ってガス詰めたり捨てたるするのかと思っていたんですが、、、
「捨てたらもったいないでしょ!! ヘリウム高いんだから」ってお話でした。
大体300kg~-100kg程度に浮力調整して、エンジン推力と船体で揚力を作って飛んでいるそうです。
コレなら推力調整で自由に飛びまわれますねぇ~

もちろん、ヘリウムで浮いているので、エンジンが止まっても墜落出来ません(笑)
気嚢(船体)も裂け目が出来てもストッキングみたいに「伝線」しない構造なので、ガスが一気には抜けないらしい
ヘリウムだからもちろん燃えないし、、、
安全性は一番かも、、、

んん~飛行船も乗ってみたい!!
雨上がりで空気が澄んだ東京のナイトクルーズを想像しちゃいます、、、
以前東京ヘリポートから乗ったヘリのナイトクルーズより優雅ですね~