「乗る」だけが楽しみじゃないよ!!

機体が耐空検査(年に一度の車検です)を行っているのでフライトは無し
整備のお手伝いです!

HI3C0490
HI3C0490

まぁ、偉そうな事言ってますが無能なタイラップは肉体労働の「パシリ」っす

で、お手伝いの内容は,,,
○ 機体の各所の採寸
○ 操縦系統の「操作力」「バックラッシュ」「舵角」の測定
○ 主翼の固有振動数の測定
○ 機体重量の測定、重心位置の計算
○ コンパスの誤差測定
ってトコです♪

まずはバラバラの機体を皆で組み上げて作業開始!
—機体各所の採寸—
機首、主翼の先端付近、尾翼の先端付近、コクピットの後ろ辺りの各所からの距
離を測定して歪みや変形を調べます。
まぁ、車の板金作業のフレーム測定と同じ作業です♪
測定機器は、、、巻尺!!(笑)
まぁ測ってみると、微妙に数値がバラつくも、もちろん範囲内♪
範囲外なら機体が歪んでいるって事、、狂っていたら誰かがムチャして壊したって事(笑)

HI3C0493
HI3C0493

 —操縦系統の操作力の測定—
操縦桿のやラダーペダル、各種レバーの操作力の測定です。
もちろん重さが決まっていて、緩すぎてもダメだし、固すぎてもダメ!!
「渋くて動かなかったり、左右で重さが違う操縦系統じゃ困る」って話です。
測定機器は、、、バネ秤!!
操縦桿やレバーにバネ秤引っ掛けて、、
「んん~~っ、、、何kg!!」

HI3C0492
HI3C0492

 —操縦系統の「バックラッシュ」の測定—
まぁ、ヨコモジっぽいカタカナを使うと偉そうな雰囲気ですが、、、単なる「遊び」の測定です。
操縦系統はリンケージ(ロッド、リンク、ボールジョイント、ワイヤー)で作られていて
各部品が磨耗すれば「遊び」が大きくなります、この「遊び」で磨耗度合いを調べます。
測定機器は、、、30cm定規!!
舵面を固定して、操縦桿の「ガタ」を定規で測る、、、

—「舵角」の測定—
規定値通りの舵角が出ているかの測定です、
少なすぎると設計通りの操縦性が確保できないし、多すぎてもオーバーコントロールになるかも?
(普通は全舵角使うような事は無いから問題ないけど、、、スピンリカバリー性とかに影響がありそう)
測定機器は電子プロトラクター(やっと測定っぽいアイテムが)
各舵面のニュートラル位置を出して、プロトラクター乗せてレベルを出して、全舵角を測定、

—主翼の固有振動数の測定—
主翼の固有振動数の測定する事によって主翼の剛性を測定判断します。
固有振動数が下がるって事は剛性が下がるって事ですから、構造部材のヘタリや損傷が見えてきます。
もちろん「FRP製の翼」の方が「木製の翼」に比べレートが高いので固有振動数は高くなります
スプリングと同じですねぇ~高レートはヒョコヒョコします(笑)
測定機器は、、、時計!!
翼端を揺すって1分間に何回「ぼよん ぼよん」振れるか数える、、、(笑)
風呂に入って100まで数えるのと同じレベルかい!!

—機体重量の測定と重心位置の計算—
乗り物の運動要素の基本の重量と重心位置の測定です
着陸脚を秤に乗せて機体重量を測定します。
異常や変更、修理が無ければ変化しないはずですね、、、前年のデータから大きく変わっていたらエライ騒ぎになります
測定機器は、、、分銅秤(市場でマグロが乗ってるヤツ)とヘルスメーター(女の子が一喜一憂するヤツ)
計れれば良いんですよ、、、(ほんとかぁ、、、)
皆で「ヨイショ!!」と持ち上げて機体を秤の上に、、、

続けて重心位置の計算
基準点からの測定位置と重量を使って重心位置の計算です。
「重量 x 測定位置 = モーメント」って関係になりますので、、、
重量測定値のモーメントを合計して、重量で割り戻せば、基準点からの重心位置が計算できます!
乗り物の安定性と運動性は重心位置で基本要素が出来ているので、非常に大切です。
もちろん重心位置が決まっているので、その値に収まっているかを確認です。
車でも同じ方法で重心位置の計算は出来ますよー

—コンパスの誤差の測定—
世の中には面倒な事に「北」がイッパイあるんです
そもそもコンパスが指している「北」って「北極点=真北」からチョットずれた「磁北」を指してます
でも地図の経線(南北の線)は北極点と南極点を結んでいます、この誤差が「偏差」って呼ばれていて
地図に記入されています。大体関東で西に7度ほど補正が必要です。

で、さらに機体に取り付けられたコンパスは、機体の磁性(磁気を帯びる性質)や電子機器(無線機等)の影響で
地磁気が歪み誤差を生じ「磁北」からズレた「羅北」を指してます、この誤差が「自差」って呼ばれていてます。

簡単にまとめると、、、
「真北(北極)」–(偏差)–「磁北(コンパスの北)」–(自差)–「羅北(機載状態での北)」
あぁっ、、、メンドクサイ、、、

これは、「自差」の測定です
測定方法は、、、飛行状態にして実測!!
自差は機体によってマチマチなので実際に測定して補正表を作成します。 
滑走路上にコンパスで「磁北」から30度刻みでラインを引いて、
無線機のスイッチを入れた飛行状態の機体をラインに乗せてコンパスを読む、
機体を押したり引いたりしながら測定を 360/30 で12回、、、orz

HI3C0494
HI3C0494

もちろん誤差が大きいと修正作業も入ります、

こんな感じで「知る」のも結構楽しいんですよねぇ~
乗るだけじゃなくって整備のお手伝いすると勉強になります、、、が、
一日中、測定して、機体を押したり引いたり、組んだりバラしたり、ヘロヘロに疲れました、、

まぁ、細かい事言う割には、測定方法が貧弱なのは、たぶん気のせいでしょう、、、
「かくして、空の安全は守られる!!」、、、かなぁ??(笑)