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2011年 全日本曲技飛行競技会

今年で2回目の全日本曲技飛行競技会、
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今年の競技機はスーパーデカスロン、
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こんなノンビリした格好していますが、背面飛行も可能な立派な曲技機です!!

この1年で曲技飛行を少しは学んだので、昨年に比べ更に楽しめました。
タイラップはジャッジ&ジャッジアシスタントとして参加
今後、グライダーで選手として飛ぶときにも
「ジャッジが何を見ているか?どこまで見えてしまうのか?」
を知ることも大切な要素になると思います。

金曜日のジャッジスクールで採点基準を教わり、
初日の予選はジャッジアシスタントとして、科目の読み上げと記録
(点数とコメント)
採点も大切ですが、コメントを残す事も同じくらい重要、
採点方法は10点満点からの減点方式、つまりは「ダメ出し」ですから、
後でパイロットから減点理由を問われた時に的確に減点内容を伝えなければ、次回のフライトに活かせません

この採点の基本は5度ズレたら1点減点、修正も1点減点、って厳しい世界
科目の中でのスピンやロールの角度誤差、飛行方向X軸Y軸からの姿勢のズレをカウントするので
極端な例だと、25度スピンの停止がズレて、正しい姿勢に戻したら、ズレで-5点 修正で-5点、この科目はいきなり”0”点となります。
科目(フィギュア)毎に採点を進めて、最後に「プレゼンテーション」として見栄えに関する採点をして集計となるのが競技と採点の流れです

去年のジャッジ席は山の中で、熊や猿のテリトリーでしたが
今年は滑走路端ですか人間のテリトリー
飲み食いの心配は無いし、トイレにも行ける素晴らしい環境(笑)

朝のブリーフィング後の離陸前点検から一日が始まります。
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室屋さんがエクストラ300でジャッジの目を馴らす為のウォームアップフライトを実施
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競技開始前の駐機場、、、
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作戦を練っているのでしょうか!?

全ての点検が終わり、いよいよ競技開始です。
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初日の予選はジャッジアシスタントとして目を馴らし、2日目はいよいよ正ジャッジ
採点を行うにあたって、飛行姿勢を重視 飛行姿勢は0度、45度 90度 135度 180度、、、の45度刻み
採点表を止めているバインダーの上に紙を折って即席の3角定規を付けて飛行姿勢をできるだけ正確に判断します。

で、「飛んでいる飛行機の姿勢変化や飛行方向がそんなに見えるのか?」って思われますが、、、
目が慣れるとだんだんミスが見えてきます。

とにかく難しいのは、「自分の感覚を一定に保つ事」、最初のフライトから最後のフライトまで、公平にするのが難しい、
人間ってブレるんですよね、見れば見るほど目が肥えてしまう、、、

実際の競技の見え方は、こんなカンジ、、、

室屋さんが飛ぶスポーツマンクラスのデモンストレーションですが、僕の目だとミスが見つけられません、、、
飛行経験やジャッジ経験が豊富な方々は、容赦なくダメ出ししてます(笑)

競技飛行毎に採点に悩み、公平な採点を考え 見つけたミスには情け容赦なく減点!!
競技最終日ともなると、機体と空域になれることもあり選手の技量も向上してくるので、採点がだんだん難しくなってきます。
明確なミスが見つけられなければ、減点できませんから
ジャッジは難しいけど、フライトとは違った面白さがあります

来年は更に上級のクラスも競技に入ってくるのでジャッジとしても目と知識を鍛えなければ、、、

競技が終わった後のお楽しみの室屋さんのデモフライト、

ストイックな競技フライトとは異なり、お客さんを魅了する華やかなエアショーフライト
低高度での科目もあり迫力ありますね~
飛行機の動画の撮り方も少しは出来るようになってきたかなぁ、、
今回のミスはピントを無限大に固定しなかった事ですね(笑)

大会の最後のシメの表彰式、
スポーツマンクラスの上位3名でのスパークリング日本酒ファイト!!
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勝った人は日本酒臭い(笑)
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震災や事故による機体及び人員喪失の後での開催に不安を感じていましたが、天候にも恵まれすばらしい大会でした。
来年は更にハイレベルな大会になりそうです。

いつか選手としても参加してみたいなぁ~


明日から福島に行ってきます。

明日の夜、「全日本曲技飛行競技会」のお手伝い&観戦に出発します。
会場は福島県のスカイパークふくしま
M3を使う予定ですが、神奈川からの移動距離は大体370km
震災の影響で東北自動車道の路面状態がわからないので神奈川県から4~5時間ってトコでしょうか、、、

7日はジャッジスクールに参加
8~10日はジャッジアシスタント&会場でのお手伝いの予定です。

4日間の「飛行機漬け生活」非常に楽しみです♪


人間の耐空性確認

今年も無事に第一種航空身体検査に合格。
これで人間の耐空性も認められました♪
今年からは人間も耐空類別”曲技A”ですね(笑)

朝0930に検査開始で1000頃には終わる手際良さは助かりますね~

今回は「血圧とBMIを下げろ」とありがた~いお説教を頂きました。

4月に入ってから「とにかく痩せなきゃダメなんだよ!!」と思い
晩御飯に春雨スープを必ず出すようにして白米を減らしてます♪

毎年羽田空港診療所に電車で行くんですが
ターミナルが3つになっていて軽く迷いました。「羽田空港診療所」は国内線第1ターミナルですね
間違って国内線第2ターミナルに行ってしまった、、、

さて、これから急いで会社に行けば午後は仕事が出来そうです~


飛行機漬け

先週の3連休は「全日本曲技飛行選手権」に見学参加してきました。
写真と動画の編集に手間取りました

9日の0330頃に伊勢原を出発、、、
東名を東へ走り、東北道を北上、、、
那須を過ぎた辺りで日の出を迎え、
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0700に、ふくしまスカイパークに到着。
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究極の運動性能!!

ついに乗っちゃいました♪
憧れの曲技機「エクストラ200」

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HI3C0338

ドイツ国エクストラ社
エクストラ200
耐空類別A類(曲技)
全 長 6.51メートル
全 幅  7.5メートル
全 高 2.67メートル
自 重 539キログラム
最大重量 800キログラム
エンジン  ライカミングAEIO-360-A1E
エンジン出力  200馬力/2700RPM
超過禁止速度  220kt(407km/h)
巡航速度  158kt(292km/h)
最大上昇率  2,500フィート/分 (750m/分)
最大運用高度 16,000フィート (4800m)
最大荷重 +10G/-10G (単座)
+8G/-8G(複座)
ロールレート 360°/秒

±8Gの耐G性能と360°/秒のロールスピードは一線級の戦闘機並み(笑)
レッドブル エアレースやオートボルテージュで活躍している機体の複座仕様です
(もちろん競技仕様は更にハイチューンです)

操るパイロットは航空自衛隊OBの元イーグルドライバー(F-15乗り)
男の子ならワクワクしちゃう組み合わせでしょ♪

チョイ乗りだけどアクロバティックトレーニングです

緊急脱出用のパラシュートを背負いコクピットに乗り込みハーネス(シートベルト)で機体に体を縛り付ける

ハーネスからして普通じゃない、、、

5点式(両肩、腰、股)の3inchベルトなんですが、、、
腰のベルトは2本掛け+ゴツい革のベルトパッド
更にトラックの荷締めベルトみたいなラチェットが付いてます(笑)

飛び上がったら上下関係無しでグリグリ廻る飛行機ですから、
とにかくラチェットでパチパチ腰を締め上げて体を固定します。

コミュニケーション用のヘッドセット(イヤーフォン&マイク)もGで振っ飛ばないように顎紐で縛り付けます

ポケットの中も危ないから空っぽにして、、

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HI3C0347
HI3C0344
HI3C0344

少々ビビりが入っていますが、準備完了♪
振り回すので機内に手荷物は持ち込めませんので、写真は取れませんでした(泣)

エンジンを始動して暖機運転
滑走路の上で離陸前の最後のチェック、、、

「All check green let’s go!!」
フルパワーを掛けて弾かれるように離陸
かなりの上昇角を取っているのに吸い込まれるように加速しながら昇って、、、

海上に飛び出した瞬間
挨拶代わりの左エルロンロール!!
水平線が一瞬でくるりと一周♪
TopGunのオープニングみたい!

ヘッドセットから「機体に慣れて!! バンク45°で左右切り返し You have control !!」

機体のコントロールをもらい機体をバンクさせて軽く振り回すと、、、

操作に対して全く待ちや遅れが無いソリッドな動き
機体がまったく撓まない、ものすごい剛性感、、、
入力の全てが間髪措かず再現されるので、意外なほど素直で飛ばし易いんです。

左右切り返しの後
「バンク60で2G旋回!!」
2gを掛けながら水平旋回 この位ならタイラップでも楽勝♪

「VA(設計運動速度)以下なら機体強度は心配ないけど、先に人間が壊れるから注意して、」
手加減しないと運動性能で”人間を壊す”乗り物は初めてです(笑)

「先ずはエルロンロール 130ktからロール開始、エルロンだけでラダーは使わない インバーデット(背面)に入れたらエレベーターを少しダウンでピッチを維持」
エルロンロールでくるりと回りながら矢継ぎ早に操作手順のレクチャー

「Aileron roll You have !!」

マジっすか? ビビりながらも
「I have Aileron roll Air Speed 130kt catch up roll in !!」
教官付きなら度胸一発(笑) エルロンを押し込んで
慣れない背面状態の空中感覚に戸惑いながら機体をコントロール

「次、ハンマーヘッド 垂直上昇で減速 ラダーを入れて翼を横に落とすように」
デモを見ながら強いGの中で要点を頭に叩きこみ
You have !!のコールで科目開始
垂直上昇の頂点の一瞬の無重力を感じながらラダーを使って反転、垂直降下から引き起こし

「次、ループ(宙返り)130ktから4Gで引き起こし 垂直姿勢の時は横を見て姿勢を判断 インバーデット(背面)で機体の水平姿勢を直して4Gで引き起こし」
4Gなんて今まで乗ってたセスナじゃほぼ限界だよ、、

ループの頂点からの引き起こしは視界一杯に広がる海面
壊れたように回る高度計を見ると背中に冷たい物が走ります、、、

「次!! インメルマン ターン ループ頂点までは同じ 頂点でインバーデットからハーフロールでレベル(水平姿勢)」
ループとロールの合わせ技!!

「次! キューバンエイト ループ頂点を過ぎてインバーデッド45°ダイブからハーフロール」
垂直方向に大きく8の字を描く

「逆キューバンエイト 45°で上昇してからハーフロールでインバーデッド上昇後 ループの後半と同じく4G引き起こし」
キューバンエイトの逆の軌跡を描いて、、、
ループ系の曲技が続き次第にGに慣れてきます。
Gが掛かるタイミングを掴んでお腹に力を入れてとにかく耐える(笑)

「次 インバーデット(背面飛行)ハーフロールで背面姿勢 エレベーターダウンで背面水平飛行 ラダー操作は逆になる」
上下逆さまでハーネスに吊り下げられながらの操縦、、、頭に血が上るぅ~

「次! スナップロール 速度はVA以下で一気に引き起こしてフルラダーで片翼だけ失速させる 水平飛行状態のスピン」
一気にスティックを引きラダーペダルを蹴るといきなりズドドッと片翼失速でGが抜けてぐるり♪
綺麗に一回転で止めるのが難しい

「次! エルロンロール 130ktからフルエルロン 最大ロールレート インバーデットのエレベーターダウンが遅れないように」
ロールレートが早い!!
1秒で回っちゃうから瞬間的にピッチコントロールを合わせる
感覚が機体より遅れそうでコントロールに必死、、

「次!! 急旋回 フルエルロンで一気にバンク Gに注意してエレベーターアップで回り込む」
コレが一番キツかった、デモの時に簡単に6G over
「むぎゅーーっ」って押し付けられて視界がすーっと暗くなり、、、
Gが抜けると
「くはっ!!」っと息を吐いて元に戻ります。

自分で深いバンクで急旋回をしてみると、、、
速度不足でGを掛け過ぎてアクセレーションストールを起こす始末(笑)

アクセレーションストール(加速度失速)を初めて体験しました。
旋回中にGを掛けすぎて翼の表面から「バリッ」と力任せに空気が剥がれる失速
通常失速と違って旋回中にいきなりGが抜けて遠心力に引っ張られてスッ飛んでいきます

「最後にスピン ピッチアップでストールと同時にエレベーターフルアップ フルラダー」
スピンは結構経験しているので、キッチリ決めて科目終了

僅か18分で多く科目を効率的にまとめ上げる、密度の濃いフライトでした!!
短いフライトでしたが目一杯の集中とGでヘロヘロ(笑)

アクロバティックフライトはGに耐える力技に見えますが、的確なタイミングで正確な操作が要求される高度な世界。
3次元を自在に飛ぶって今まで味わったことの無い開放感があります。
この世界は強く惹かれます!!