先週の日曜日、FOXのTCD対応とトレーニングで群馬県板倉滑空場に行ったときに、、、
JA2444 グローブG102 ASTIRⅢb型の組み立てを手伝っていたら、どこかで見た記憶のある救急箱が、、、
ちょっと横を見せていただきますね~
お久しぶりです、最後にお会いしたのは18年前ですね~
お互い搭乗機は変わりましたが、お元気そうで何よりです。
今後ともよろしくお願いします♪
先週末にFOXにTCD(耐空性改善通報)が出てしまった、
TCDは航空局から発せられる整備点検指示で、実施しなければ機体の耐空性(安全性)が満たされない(車だと整備不良で車検取り消し扱い)って極めて大切な点検整備指示です。
肝心の内容は「飛行中にエルロンリンケージのベルクランクが取り付け部から剥離してエルロンコントロールを失う恐れがある」ってちょっと怖い内容
さらに詳しくSB(サービスブリテン;メーカーの整備点検指示書)の内容を読むと、
事故事例は地上で車をエルロンにぶつけたり、グランドハンドリング中にエルロンにオーバーロードを掛けた後にフライトして飛行中に壊れたらしい
メーカーによるダメージの解析が終わり、リミテーション解除のSBが出るまでは、エルロンに後から荷重の加わる飛行が出来ない状況
つまり後ろ向きに飛べない、、、orz
具体的なシーケンスでは”ハンマーヘッド”、”テールスライド”が出来ない状態です。
しかし、今日はエルロンロール系を重点的に練習するからバックで飛べなくても問題なし!!
TCD点検作業の後、トレーニングを開始、
エルロンロール
前回の失敗を踏まえて、ピッチコントロールを重視してとにかく沈まないこと
バンク90°270°近辺でのトップラダーと背面領域でのエレベーターDownを特に意識
背面の姿勢のイメージはこんな感じに、ちょいと機首上げで、、、
方向転換はハンマーヘッドが使えないので、1/2キューバン8&1/2リバースキューバンで対応
(1/2ロールが入るので好都合)
離陸位置で機体に乗り込みスタンバイしていると、インストラクターのS井さんからの愛あふれる伝言
「甘ったれんな、一人で行って来い!!」
ひぃぃ、、、いってきます、、、(涙)
曳航中に改めて考えてみると、
準対象翼、上反角”0”の翼
薄い取り付け角
この2点を見ても基本特性は背面飛行時のピッチが異なるだけで操縦特性の変化は少ないはず
つまり過渡領域を上手くつなげば背面でも同じように飛べる
背面に向けてエレベーターを押す量は背面飛行の位置をイメージすればOk
ハスキーに曳かれ1200m上空から練習開始
シンプルにDown line45°で200km/hまで増速
レベルに戻して一呼吸おいて一気に右フルエルロン
バンク45°~90°はアドバンスヨーで機首が上がるのをトップラダーで僅かに助けて
120°付近から前方目標に押し付けるように”じわっ”とエレベーターを押し込む
前方目標を動かさないように、押し付けるイメージのまま220°まで周り
270°に掛けてトップラダーを入力がして機首を支える
270°から押していたエレベーターを緩めて出来上がり♪
沈まない&軸もズレない♪
そうそう、コレよコレ!! ポーランドで掴んだ感覚はっ!!
イメージを捕まえれば、いきなり動きが知覚できますね、
原因は単純、
エレベーターDown不足=背面ピッチ低い=揚力面の切り替え不足(背面飛行へ移行できてない)=背面で揚力が出ていなければアドバンスヨー(機首上げ要素) も不足する
しっかりと背面で翼の裏表を切り替えていないから全てがダイブする方向に作用していたんですね。
方向転換を繰り返しでぐりぐりとエルロンロール祭り
軸もずれないし、速度も大丈夫!! 楽しすぎるっ♪
最初のフライトでエルロンロールに関して良い感触、
持ち帰った問題は1/2キューバン8でのヘディングのズレ、
背面45°Downlineからの右1/2ロールでヘディングが左にズレる
地上でエルロンロールの感覚と操作を確認しながら、改めて考えると、、、
いままでのエルロンロールのミスと同じで背面飛行を確立できていないからダイブ
バンクが残っている状態からエレベーターUPで引き上げるから左にずれる、
対策は背面45°Downlineからの1/2ロールでエレベーターDown
バンク270°に向けてトップラダーを入力してみる事に
2回目のフライトで、エルロンロールの感触を確かめた後に200km/hから4Gで5/8ループ
エレベーターを押し、45°Downlineを確立して-1Gを掛けて、一気に右フルエルロン
アドバンスヨーでエルロンが引っかかり機首が僅かに持ち上がるような感覚、
トップラダーを入れて機首を支えながら 45°Downlineにエレベーターで押し込むイメージ
増速も穏やかに軸もズレないで1/2ロール♪ 失敗した時の機体が嫌がる感触も無し。
気になるのはロール中に僅かに機体が振動すること、
AOAも薄いし、Gも掛けていないから失速(この表現って絶対に変)じゃないから、、、
トップラダーを入れて滑りが大きいからでしょうか?
見つけたエルロンロールのポイントはただ一つ、、、
「とにかくスティックを押せ!! 全てはそこから始まる。」
単純なミスでしたがこれで体の感覚と機体の動きが一致してピタリと付いてきます♪
ミスを見つけ、原因と対策を考え、実行して成果が上がる
いつもはツンケンして気難しいFOXがようやく振り向いてくれた気がします、
FOXってツンデレ系か!?
今回のトレーニングでエルロンロール系のハマりから脱出できそうです。
今年の競技機はスーパーデカスロン、
こんなノンビリした格好していますが、背面飛行も可能な立派な曲技機です!!
この1年で曲技飛行を少しは学んだので、昨年に比べ更に楽しめました。
タイラップはジャッジ&ジャッジアシスタントとして参加
今後、グライダーで選手として飛ぶときにも
「ジャッジが何を見ているか?どこまで見えてしまうのか?」
を知ることも大切な要素になると思います。
金曜日のジャッジスクールで採点基準を教わり、
初日の予選はジャッジアシスタントとして、科目の読み上げと記録
(点数とコメント)
採点も大切ですが、コメントを残す事も同じくらい重要、
採点方法は10点満点からの減点方式、つまりは「ダメ出し」ですから、
後でパイロットから減点理由を問われた時に的確に減点内容を伝えなければ、次回のフライトに活かせません
この採点の基本は5度ズレたら1点減点、修正も1点減点、って厳しい世界
科目の中でのスピンやロールの角度誤差、飛行方向X軸Y軸からの姿勢のズレをカウントするので
極端な例だと、25度スピンの停止がズレて、正しい姿勢に戻したら、ズレで-5点 修正で-5点、この科目はいきなり”0”点となります。
科目(フィギュア)毎に採点を進めて、最後に「プレゼンテーション」として見栄えに関する採点をして集計となるのが競技と採点の流れです
去年のジャッジ席は山の中で、熊や猿のテリトリーでしたが
今年は滑走路端ですか人間のテリトリー
飲み食いの心配は無いし、トイレにも行ける素晴らしい環境(笑)
室屋さんがエクストラ300でジャッジの目を馴らす為のウォームアップフライトを実施
初日の予選はジャッジアシスタントとして目を馴らし、2日目はいよいよ正ジャッジ
採点を行うにあたって、飛行姿勢を重視 飛行姿勢は0度、45度 90度 135度 180度、、、の45度刻み
採点表を止めているバインダーの上に紙を折って即席の3角定規を付けて飛行姿勢をできるだけ正確に判断します。
で、「飛んでいる飛行機の姿勢変化や飛行方向がそんなに見えるのか?」って思われますが、、、
目が慣れるとだんだんミスが見えてきます。
とにかく難しいのは、「自分の感覚を一定に保つ事」、最初のフライトから最後のフライトまで、公平にするのが難しい、
人間ってブレるんですよね、見れば見るほど目が肥えてしまう、、、
実際の競技の見え方は、こんなカンジ、、、
室屋さんが飛ぶスポーツマンクラスのデモンストレーションですが、僕の目だとミスが見つけられません、、、
飛行経験やジャッジ経験が豊富な方々は、容赦なくダメ出ししてます(笑)
競技飛行毎に採点に悩み、公平な採点を考え 見つけたミスには情け容赦なく減点!!
競技最終日ともなると、機体と空域になれることもあり選手の技量も向上してくるので、採点がだんだん難しくなってきます。
明確なミスが見つけられなければ、減点できませんから
ジャッジは難しいけど、フライトとは違った面白さがあります
来年は更に上級のクラスも競技に入ってくるのでジャッジとしても目と知識を鍛えなければ、、、
競技が終わった後のお楽しみの室屋さんのデモフライト、
ストイックな競技フライトとは異なり、お客さんを魅了する華やかなエアショーフライト
低高度での科目もあり迫力ありますね~
飛行機の動画の撮り方も少しは出来るようになってきたかなぁ、、
今回のミスはピントを無限大に固定しなかった事ですね(笑)
大会の最後のシメの表彰式、
スポーツマンクラスの上位3名でのスパークリング日本酒ファイト!!
震災や事故による機体及び人員喪失の後での開催に不安を感じていましたが、天候にも恵まれすばらしい大会でした。
来年は更にハイレベルな大会になりそうです。
いつか選手としても参加してみたいなぁ~
ポーランドでのトレーニングキャンプ後の初めての日本でのフライト
約1ヶ月のブランクを経ての曲技トレーニング50&51回目
ぐだぐだ、、、(涙)
「時の流れで「思い出」は美化され、「技量」は確実に低下する」
ポーランドの夏は真夏の夜の夢だったのでしょうか、、、orz
雲底高度が1200mなので低空になる最後の3つのフィギュアはキャンセル
スピン、Downlineから3/4ループ、背面からDownline1/4ロールまではまぁまぁ
1+1/2エルロンロールから大崩れ
ピッチが下がり背面状態で250Km/hまで出てしまう、
背面状態でのピッチが安定しないのでもちろん速度が安定しない
ネガティブテールスライドは背面方向へカブり気味でテールスライドしないでひっくり返ってるだけ
ハンマーヘッドだけはまぁ、何とか回れる
全体的に見てロール系と背面がダメ、
Gの掛け過ぎと速度の出し過ぎでエネルギーロスが大きい
ポーランドであれだけ練習したのになぁ、、
2回のフライトでのソロチェック(単独飛行許可)の結果は
「曲技科目の難易度を下げる事」を条件付きで何とかOK
曲技トレーニング52回目での”初曲技単独飛行”は危なっかしい背面系を除いた科目
ループ
エルロンロール
ハンマーヘッド
ハーフキューバン8
を組み合わせての練習
離陸直後の索切れでの緊急操作も普通のグライダーより余裕が無い機体
曲技科目での失敗(特に低高度)の危険性
初めての単独飛行より緊張しました、、、
後席インストラクターの[絶対的な安心感]って凄いですね。
上空での曲技科目は、とにかく諸元を守り基本通りに
なるべくGを抑えて、特に速度コントロールを重視
①ループはGメーターをチラ見しながら4Gで回り出来るだけ滑らかに大きく
頂点でエレベーターUPを緩め円を描くようにアジャストしてみるもなかなか綺麗な円は描けていないようです、
②右エルロンロールは上手く出来ないなりに操作を変えないで失敗を観察
水平姿勢からバンク90°まではピッチが僅かに上がる
バンク90°から背面姿勢に掛けてピッチが下がって最初の水平姿勢に近いピッチに戻る、
背面からバンク270°に掛けてピッチが下がりノーズが水平線以下に下がる
バンク270°から水平姿勢に掛けて
下がったピッチを上げる為にエレベーターを引く事により左に大きく変進
背面姿勢姿勢まで上手く回れているのはグライダー特有の強いアドバンスヨーによりバンク90°までは自然にピッチが上がり
背面姿勢にかけてピッチが下がり戻ってくる
背面姿勢からはエレベーターDownの量が足りずにノーズが水平線以下に下がる
バンク270°から水平姿勢に掛けては下がったピッチをエレベーターて引き上げるからヘディングが大きく変わる
一番の失敗は背面姿勢から先でピッチを水平線以下に下げてしまった事
対策はバンク135°~225°付近までエレベーターを意識的に押しピッチを維持する
270°からわずかにトップラダーを入れればピッチを下げずに回れるはず
ピッチが下がらなければ270°からのエレベーターUPは必要無くなるので ヘディングも変わらない
③ハーフキューバン8は背面45°Down lineからの右1/2エルロンロールてdownlineが深くなり左に変進
原因はエルロンロールの失敗とほぼ同じ
背面からのロール初期でピッチが下がり降下角が深くなり
270°付近から水平姿勢に掛けて降下角修正の為エレベーターを引き左へ変進
対策は45°ラインからエルロンロールに入る前にわずかにエレベーターを押しピッチを上げ225°付近まで保持
270°に向けてトップラダーを入れ
360°に掛けてトップラダー戻し
エレベーターDownでラインを維持する
シーケンスが崩れる原因となっているのはエルロンロール中のピッチコントロールのようなので次回のトレーニングで修正する
大きく姿勢を崩さなければ修正も少なくて済むので背面姿勢も必ず安定する
ポーランドで出来ていたんだから必ず出来るはず!!
まぁ、凹んでいても上手にはならない、来年の選手権に向けて詰めていきます!!
フランスチームのデモ動画を教えてもらいました、、、
使用機はS-1 SWIFT 最強の曲技飛行グライダーにアンリミテッドを飛べるパイロットの組み合わせ。
スモークが付くと軌跡が見えるので動きがわかりやすいですよね
ポーランドの動画を探すと
マクラさんのデモフライトを発見
機体はSolo-FOX 世界に1機だけのフルオリジナル機
スモークONだとテールスライドの動きが面白いです、10m近くはバックしてます
最後に背面ローパス、、、
コントロールに絶対の自信がないと出来ません
競うフライトではなく観客に魅せるフライトかぁ、、、
まだまだ先の世界ですね(笑)