S2000の脚を見てみました②

S2000サスペンションセッティングの考察を進めましたぁ

昨日、メーカー設定車両と主要な社外品のデータを集めたので
バネ上固有振動数計算して数値化

前後のレバー比がだいたい1.5&1.49なので感覚的に掴めるんだけど
やっぱり数値化して比較しないとネ

スタビライザー径もメーカー設定値が見つかりましたが
寸法情報が無いので仮寸法を使って径変更による変動率から傾向掴み

で、、、
ざっと見てみると

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バネ上固有振動数の前後平均値は想像通り
「市販スポーツカーとしての目安 1.5Hz以下」で前後バランスはお約束の「リア硬め」

初期型から後期型になるほどフロントとリアのバネ上固有振動数が近くなりニュートラルバランス傾向になるのが面白い

ポイントになるのが
フロント205&リア225のタイヤ設定
タイヤ幅使ってリアのキャパシティを増やしているから
前後同サイズの
前後差 0.3HzのE36 M3&325i Cabrioletや0.4HzのR33 GT-R「大先輩号」よりニュートラル傾向でも成立しちゃうんだけど

一番アンダーバランスのAP1-100でも
前後差 0.19Hzはちょっと過激なんじゃない?
たぶんコレが「大先輩がリアのキャパシティ不足」を感じた原因

スタビライザーを見ても
AP1-100は歴代で一番硬い仕様でロール剛性高め

たぶん、シャープ&ピーキーなのはスプリングとスタビライザーの組み合わせが原因なんじゃないかな?

スプリングが柔らか目だから前後ピッチング&ロール量が多めで
スタビライザーでロール剛性を補完しているから
旋回中のピッチングでの旋回力変動が大きい

パワーONで強めのアンダーステアからパワーOFFした時に前方への荷重移動量が大きく
スタビライザーが硬いからダイアゴナルロールでアウト側フロントタイヤが逃げる量が少なく舵角一定でも強い旋回力を出して
荷重の抜けたリアが振り回される

後期型になるほどフロントスプリングレートを高めて荷重移動量を減らし
スタビライザーレートを下げてダイアゴナルロールを増やしてフロントを逃がしている

同時にタイヤサイズ変更も効いていて
205/55/16 & 225/50/16→
215/45/17 & 245/40/17に変更
17inch化とリアを1サイズ上げる事でスタビリティ方向へ

いくらホンダのVTECでも所詮は2000cc級
リアのサイズUpはパワーによるトラクション要件じゃなくて
旋回中のスタビリティ確保に全振りでしょ

数値比較からもホンダのお約束
「初期型が一番良く曲がって楽しくて 後期になるほど安定方向」ですね♪

「花火大会 最後の一発」のType-Sはやっぱり趣味の世界
取り纏めした人の趣味丸出し(笑)

バネ上固有振動数は市販車限界の目安1.5Hzを越えてチューニングカーの領域
前後固有振動数差もフロントが硬い
スタビライザーもAP1-100に継ぐ高レート仕様

社外品で良さそうなヤツはかなり難しい
どうやら各社開発車両が違うみたいで見事にバラバラ
開発車両のタイヤサイズとスタビライザーの組み合わせでセッティングが多岐多様
ここまで散るかぁ

AP1-100~110系で使えそうなのは「無限」と「TEINの一番柔らかいヤツ」なんだけど

TEINの一番柔らかいヤツは単なる「シャコタン仕様」って感じだから
さすがに有り難みが薄いかな(笑)

イケそうなのはやっぱり「無限」

大先輩のインプレから加速旋回中のリアスリップアングルを減らした方が良さそうだから
リアバネ上固有振動数が0.42Hz高く設定されていて
お馴染みR33 GT-R「大先輩号」に近いバランスだからOK
リアタイヤが太い分だけ曲げるの大変かも!?

乗り心地は
平均バネ上固有振動数は1.87Hzでちょっと柔か目
コレはもうちょっと硬い方が面白いかなぁ

狙いは「一番純粋なS2000」のAP1-100系の動きを更に突き詰めた感じ
曲げるの大変だけど曲げちゃえば踏みまくれるから面白い車になりそう
リアはプライマリースプリングを設計してツインスプリング仕様にすれば曲げやすくなるから扱いやすくなるかなぁ

他の社外品は
傾向的にAP1-130系以降が開発車っぽい
ってコレ、、、
取り付け出来るからってAP1-100~AP2-110まで一緒にして売るのはどうなの?
少なくとも開発車両を明記しなきゃ

系式毎にスタビライザーレート&バランスが変わり
AP1-130系からリアのジオメトリー、タイヤサイズが違って「完全に別の車」になってるから
AP1-130系以後で開発されたサスペンションをAP1-100~110系に使うとヤバい車になりそう♪(笑)

改めて数値で見てAP1-100系とType-Sを市販しちゃうのはスゴい
初期型に試乗した時に
「コレが俺が考えるS2000だっ!」って車から開発者の目指した姿を感じた訳だ
機会があればType-Sにも触れてみたい

ホンダの脚は面白いなぁ~♪

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「S2000の脚を見てみました②」への2件のフィードバック

    1. 前園さん
      コメントありがとうございます

      S2000結構難しいんですよねぇ
      途中からリアのジオメトリー変更しているし
      スプリング&スタビライザーセッティングもチョイチョイ変えてきています。

      とくにType-Sは社外品車高調みたいなバランスになってるみたいなので
      バネ上固有振動数での確認はバウンスに加えてロールまで見ないとダメっぽいです

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