クラクフでのエアショー”IX Malopolski Piknik Lotniczy”に参加

クラクフでのエアショー参加

翌朝、
共産主義時代に建てられたWi-Fi環境どころかTVすらない安ホテルから飛び出して
エアショー会場へ
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クルーテントで離着陸に関する注意事項や飛行禁止空域を確認
スケジュール調整

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ブリーフィング後に早速Solo FOXをエアショー仕様に、
まぁ、翼端にスモークシステムを取り付けて配線するだけですが(笑)

参加したエアショーは
IX Malopolski Piknik Lotniczy
ポーランド航空博物館主催のエアショーで、
普段は閉鎖されている旧飛行場をこのイベントの日だけオープンして開催されます
展示飛行は駐留アメリカ海兵隊の対地攻撃機 OV-10ブロンコが来たり
モーターパラグライダーが飛んだり、
さらにポーランド航空博物館のYak-18が展示飛行の予定

もちろん近隣諸国からの参加もあり、
ドイツからエクストラやSBACH300
なんとロシアからはのSu-26を駆るユルギス-カイリスが参加します。
“ポーランドのアクロはポズナンに拠点を置く”Zelazny”のエクストラ330LCとズリン マクラさんのSolo FOXです。

スケジュールみっちりで一日中何かが飛んでます(笑)

しかも、クルーとして登録さえているので、持っているパスはもちろんランプパス
基本的にどこでもOK 滑走路だってOK♪

Solo FOXの準備を早々に済ませてしまえば、夕方のデモフライト開始までエアショー見放題
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マクラさんはやはりココでも有名人、サイン&写真攻め
参加機を見て回ると、やっぱり全員お知り合い(笑)
覚えきれない程の友人を紹介してもらって一気に場所に馴染めます♪
(これが後でとんでもないことに、、、)

ポーランド航空博物館のYak-18をいろいろ見せて貰いました
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Yak-18は
現存機が非常に少ない貴重な機体です
一年に一度だけこの航空ショーで飛ばすそうです
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エンジンは星型5気筒エンジン
ぱりぱり、、、と良い音しています

マクラさんのお友達のメカニックのオッチャンが
「せっかくだからコクピットに座っていけ!!」と勧められて
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博物館の機体に座っちゃいました♪
Yak-18のコクピットに日本人が収まるのは初めてなんだろうなぁ~(笑)

そんなこんなで参加機を次々に眺めている間にもエアショーは進んでいて、見上げるとタイトな編隊を組んで Aerobatic YakkersのYak-52がローパスからループに入って行ったり
アントノフAn-2がパラシュートジャンパー乗せてノンビリ離陸していったり
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エプロンを歩き回ってエアショーを存分に楽しんでいると、気が付くとお昼ご飯の時間
お昼ご飯はクルー御一行様はミールサービス
チケットを出して、食べたい料理をリクエストすれば問答無用で大皿に山盛り
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基本的に肉+イモ+酢漬けキャベツの炒め物ってパターン、
別に凝った味付けはしていないんですが、塩コショウのシンプルな味付けが妙に美味い
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もちろんガッツリ食べさせていただきました。

順調にプログラムも進みSolo FOXの出番
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機体を滑走路端まで搬送して、マクラさんが乗り込みスタンバイ

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曳航機のエクストラ330LCとエアショー用のとんでもなく短い12mの曳航索を繋いだら即離陸
曳航中もエクストラが背面しちゃってます(笑)
残念ながら天候が思わしくなく、900m程からシーケンス開始

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エアショー初日も終わってZelaznyのエクストラやズリンにスモークオイルの補充をしていたら、
「ホテルに一度帰ってシャワーを浴びたら、ハンガーパーティーだっ!!」
って休む間もなく次のお誘い

速攻で機体の片付けを済ませて、ホテルに戻り身支度を済ませて、会場のポーランド航空博物館へ
うす暗い夜の博物館を通って案内されたのは、、、
普段は機体展示されている博物館のハンガーを会場にして宴会しちゃってます、、、
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天井にはポーランドグライダー史に残る機体が吊るされて展示されているんですが
いいのかぁ~?
日本の感覚じゃ絶対に無理でしょ(笑)

広い会場でなんとかマクラさんと合流して、展示機を教えてもらうと、、、
コブツ3やプロトタイプSWIFTはマクラさんが実際に乗っていた機体だし
マクラさんのおじいさんが乗っていたソアリング機まで、、、
実はこのハンガーを見て初めて自分がどこ居いるか気が付いたんです、、、、
wikiでポーランド機を検索すると出てくる有名な博物館だったんですね!!

一通りの機体を見て、ぼちぼち呑みの誘いが入ってきたら、とんでもない状況に
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「マクラさんの紹介+珍しい日本人グライダーアクロパイロット」って事で昼間知り合った人が次々と攻めてくる
しかも、、、恐ろしい事に全員ウオッカが零れんばかりに満たされたのショットグラスを携えて、、、

普段はほとんどお酒を飲まない生活なので強くない、、、どころか非常に弱い

進められるままにチビリと舐めると、強烈なアルコールパワー!!
「ちょっとだけ舐めてココは逃げるか。。。」なんて思いながら笑ってごまかそうとしたら、、、、

「ウオッカの飲み方を知らないのか!! ウオッカはこうやって楽しむんだっ!!」
と言わんばかりにグラスを掲げて
一気にショットを空にしてオレンジジュースのチェーサーを流し込む、、、

にっこり微笑まれて逃げるタイミングを失い、イクしかない状況に、
意を決して一気に飲み干してチェーサーを流し込む!!
「あれ!? 意外と飲みやすいじゃん♪」って意外と美味いかも!?
ってだんだん楽しくなりながら、みんなで楽しく飲んだ記憶が4杯目位まで、、、

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その後は、、、すみません、、、、何にも覚えてないんです!!

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翌日、妙に重い胃をさすりながら話を聞くと、、、
普通に酔っぱらって、飲んで歌って踊って遊んでたそうな、、、
カメラの映像を見ると撮影した記憶の無い写真がちらほら、、、
踊りながら動画撮影してていたり、、

うーん、、、お酒って怖いですねぇ~


ポーランド選手権 5日目(最終日)

競技最終日、Unknownを飛んで決着ですが、、、
なんと雨!!
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朝のブリーフィングで早々に競技中止
KnownとFreeのみの競技会となりました。

競技自体はKnownとFreeそれぞれの成績のみの表彰で、総合での表彰は無し
残念ながら表彰台とトロフィーはお預けです。
この総合順位につけてUnknownで勝負出来ないのは悔しいです!!
順位を落とすことになってもいいからUnknownを飛びたかった、、、

まぁ、幻の3位となってしまいましたが、参戦2年目でこのポジションなら良しとしましょう
本番の世界選手権前にSolo FOXで実戦経験が詰めたのが最大の成果です。

2位はインストラクターのトメックが入り1位は地元のチェンストホヴァのパイロット
インストラクター トメックへの挑戦は世界選手権で再勝負です(笑)

表彰式を終えた後に今後のスケジュールを調整
僕の固定されているスケジュールは7月2日早朝にワルシャワを発つ事だけ
土~月までは予定なし
マクラさんから提示されたオプションは2つ
①ポズナンに戻って月曜までトレーニング
②クラクフのエアショーに一緒に行ってエアショーにクルーとして参加

もちろんトレーニングを希望したのですが、残念ながらポズナンの天候がイマイチ
戻ったところで飛べる確率はかなり低いとの事
飛べないなら戻ってもしょうがないので、クラクフのエアショー参加に決定

チェンストホヴァからクラクフのエアショー会場までの移動はSolo FOXはエクストラに曳かれてフェリーフライト
クルーとして参加するトメックと僕は空のSolo FOXのトレーラーを曳いて車で移動
ココからはヒュンダイのIX35に車を変更
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2LターボディーゼルのSUVです。
ヒュンダイとかキア等の韓国メーカーの車は日本ではほとんど触れる事はありませんが、
欧州ではメジャーな存在
実際に運転してみると、、、意外なほど出来が良い、、、
最近の日本車に似た演出過多な作りで、”パワー感”を演出するために電子制御スロットルのスロットル線形は
非リニア特性
ちょんと踏むとドバッとパワーが出ます(笑)
足回りはダンパーの伸び側を強めて、乗り心地はブッシュの硬度を下げてコンプライアンスで逃がす。
ロールスピードが遅く腰高感は少ないのですが、路面が悪くなると位置決めが甘くブルブル感が出ます

まぁ、、、いくらでも文句は付けられますが、価格と性能を見れば売れているのは理解できますね、、、

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夕方にエクストラに曳かれたSolo FOX見送り、陸送開始
クラクフまでは1時間半程の旅

明日からクラクフのエアショー参加です♪


ポーランド選手権 4日目

ついに天候回復!!
2日ぶりに天候回復 遅れているスケジュールを取り戻すべく早い時間から競技開始
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初日のKnownの残り組7人が飛んで、すぐに続けてFreeの競技開始のスケジュール

ポズナンチームの残りは
マクダとカーシャ、二人ともかなり上手なので非常に気になります。

「現場取締役 番長」マグダがSWIFTで飛びます。

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完全に競技モード入ってます。

Known残り組のフライトは見ないでFreeのイメージトレーニングをひたすら繰り返す
去年はループ飛び忘れる単純ミスで勝負権を失ったので、今年は慎重に飛んで、順位をキープしてUnknownに
勝負を持ち込みを狙います。
Freeの搭乗順番は3番目またもや早めの搭乗順
空には積雲が浮かびしかも順調に成長しているので、時間が経つほど雲が大きくなり飛びにくくなりそうだし、最悪競技中止もあり得るので
早い搭乗順はラッキーかもしれません

いよいよFree競技が開始され、すぐに搭乗順が回ってくるので機体を引き出して離陸準備
2機の曳航機で曳いているので直ぐに1番目の演技が終わる頃には離陸です。
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2番目はトメックなので離陸前に挨拶に

弄られ役なので、もちろんイタズラの対象
5点ハーネスを締める手伝いをして、力いっぱい締め上げる
シーケンスカードを上下逆に入れ替える。。。

僕も早々とSoloFOXに乗り込みコクピットでイメージトレーニングをしているうちに
離陸の順番が回ってくる
曳航中にBOXを確認して目印となるランドマークを再認識
1300mから競技開始

テールスライドでミスを避けるために垂直が甘くなり少々スコアを落とす。
大きなミスも無く順調にフィギュアを飛べましたが、順位キープが頭にチラつき攻めきれない、、、
もう少し攻めても良かったかなぁ、、、なんて思いながらの着陸

どうも天候が優れないので気温が上がらない、
長袖着てても肌寒い程、、、
ポリーナちゃんが寒いって言い出すのでとりあえず着せときました
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REDFOX 新メンバー!?

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後半に搭乗予定の、マクダ、カーシャ、ポリーナがなにやら作戦会議中
Freeで一気にポジションUPを狙ってます。

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カーシャがFreeを飛ぶ準備を始めました。
”お嬢様”が猛禽類に変わっていきます。

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着陸後にお迎えに行ったらニコニコで上機嫌
かなり感触が良かったみたいです。
地上から見ていてもダイナミックに飛んでましたからねぇ、、
かなりの高得点でしょう!!

ポリーナの離陸準備をお手伝い
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カーシャは担任の先生ですから(笑)

この日は全員がFreeを消化して、明日の最終日にUnknownで決着となりました。
フライト後に順位発表をみると

ようやく終わったKnownは
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僕は76.49%で5位
トメックは2位で好調な滑り出し
マクダが4位に入っています!! やっぱり強い、、、

Freeは6位
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やはり攻め切れなった、、75.95%で6位
トメックは固く3位に入り
カーシャが4位 確かにダイナミックに綺麗に飛んでましたから

総合成績は
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なんと76.20%で3位!!
両科目を安定して飛べたのが良い結果に結びついています。
最終日のUnknownをまとめれば表彰台を十分狙えるポジションです!!
TOPまでおよそ4%
一気におもしろくなってきました!!

夕方に滑走路横でのBBQのお誘いを受けて、もちろん参加
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ギターを弾き、炎で炙ったソーセージをビールで流し込む

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お互いのフライト内容や失敗談で爆笑
いやぁ~ 美味かったっ♪


ポーランド選手権 3日目

今日も天候不良、、、飛べない日々が続きます。
朝のブリーフィングでスタンバイが決定

ブリーフィング解散後、プラプラしていてもしょうがないので
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アクロのシーケンスを描くソフト”OpenAero“の使い方勉強会

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担任の先生はカーシャ先生、

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クラスメイトはポリーナちゃん、、、
うーん、、、集中出来ないって(笑)

午後からは旧市街に出かけてカフェでうだうだ、、、

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飛べない日のアクロパイロットって時間を持て余しますねぇ~


ポーランド選手権 2日目

朝起きて窓の外を見ると、、、空は雲に覆われて真っ白
ポズナンでの灼熱の日々から、一気に気温が下がり15℃程度の冷たい雨
ブリーフィングで天候確認しても前線が接近していて天候回復は難しそう
今日は競技中止の線が濃厚に、、、

朝のブリーフィングでスタンバイが決定した後にUnknownの希望フィギュアの発表

Unknownとは、、、競技24時間前に発表される「未知(unknown)のシーケンス」で
各クラブ(国)から1~2個任意で希望するフィギュア(ループ、ロールなどの科目)を提出して
オフィシャルによりシーケンスが組立てられて発表されます。

このunknownで複座FOXは苦しい戦いを強いられます。
なにせ単座機より重く、固定脚で空気抵抗が大きいのでエネルギーロスも大きく
単座機でらくらく飛べるシーケンスも複座FOXだとかなり厳しくなります。

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で、、、出そろったフィギュアがこれ、、、
記号ばかりですが、アレスティカタログで定められている曲技飛行の科目を表す記号で
大体、線の形に添って飛ばします。
これが数時間後にはシーケンスになって発表されます。

ちなみに僕が提出したフィギュアはこれ
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水平飛行から45度の角度で上昇、そののちにそのまま機首を垂直降下まで下げて
1/4ロールの後に引き起こし
90度軸が変わって科目が終了します。
そんなに難しくはないけど、Gが±に振れるのでちょっと嫌な科目
45度上昇で速度を抜きすぎると降下へのループが綺麗に描けずに失速状態に入ってラインが折れます。
失敗するとラインの折れがジャッジに見えちゃうので
操縦桿を押し込んで確実にアウトサイドループに入れる事が重要です

ブリーフィングの後とりあえず朝食を済ませて、部屋で昨日飛んだKnownのオンボード映像を見直していると、
なんとなくSoloFOXが気になって、用も無いのに格納庫へ

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特に汚れてはいないけどウエスで翼をやキャノピーを磨いたり、コクピットに掃除機を掛けていると
、、、なんとなく、、、VHF無線機のスイッチに手が伸びる
”ぱちっ”っとスイッチを入れて液晶画面をみて周波数と電圧を確認、、、出来ない!!
液晶画面は何も反応せず、無線も沈黙

あ、、、バッテリー空っぽ。

昨日、機体格納を他のパイロットに任せて最終確認しなかったのが悪かった。
無線機のスイッチ入れっぱなしで一晩放置されてたらしいです。

慌てて機体からバッテリーを外して充電開始

SoloFOXが僕を呼んだのかなぁ、、、
過去何回かあったんですよ、
乗り物が意思を持つかのように振る舞ったり呼んだりして助けられることが

助かったぁ、、、競技日だったら一悶着でした。

結局、午後のブリーフィングで競技中止が決定
生殺しな緊張感が解けて気分が軽くなる
昨日までの中間順位発表では78%で暫定3位
残る7人が飛んでどこまで粘れるか!?
強敵のマクダとカーシャが控えているのでかなり厳しい状況ですが、次のFreeで5位以内に残ればUnknownに勝負を持ち込めます
まだKnownを飛んでいないパイロットには悪いけど、終わった側は気楽です

さて、飛べないならば開き直って観光です!!
みんなでヤスナグラ修道院に行くことに。
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車で旧市街に繰り出して、街を歩き、カフェでコーヒーとスイーツを楽しみながら大聖堂へ

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ヤスナグラ修道院は14世紀からあるポーランド最大の修道院でカトリックの総本山です。
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「黒いマドンナ」というマリアのイコンが強い信仰の対象になっています。
この「黒いマドンナ」にまつわる奇跡があります。
1655年にスエーデンが攻めて来た時にワルシャワからクラコフまで占領されて行く中でチェンストホーヴァだけは最後まで屈しなかった。
それは「黒いマドンナ」の御蔭だというものでした。

荘厳な只ならぬ雰囲気に包まれたまさに「聖地」そのもの、、、
中はバロック様式の非常に手が込んだ美術品のような仕上がり
讃美歌が聞こえてきて、とてもシャッターを切れるような雰囲気じゃありません、、、
もう、声が出ないくらい感動しました、、、
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