サスペンション独学ノート 2017年まとめ③「ダンパー長の設定」

スプリングレートの設定が出来たので、次はダンパー長の設定
ダンパーのロッド長さとケース長さはストロークと車高から決定されるので
最初に車高を決めます

基本的に車高は先日の考察から
タイロッド
●アーム角度(アンチダイブ、アンチスクワット、ロールセンター等のジオメトリ要素)、
●ホイールトラベル(フェンダーとの干渉、アームロック)、
●サスペンションストローク(操縦安定性)
●日常の使い勝手
を考え

ノーマル車高~メーカー系スポーツサスペンション(BMWだとM社&Mスポーツ)が適正車高と考えます

これより低い車高設定にすると
重心位置が下がるメリットよりサスペンションジオメトリに生じるデメリットの方が大きくなります
これを社外部品で補正することは難しく、メーカーエンジニアレベルでの変更になるので非常にリスクが高いです
ロールセンターアダプターのデメリット
E36 325I CABRIOLET & M3 「バンプトゥとロールセンターアダプター(アジャスター)を考える」

以上の理由からダンパーケース長、ロッド長さはメーカー系スポーツサスペンションと同等に設定して
高レートスプリング化による車高調整はヘルパースプリングとアッパーマウント部分で行う方法が
「ストローク不足」に苦しむ事がありませんし、以後のツインスプリング化の際にダンパー買い直しの必要がありません

もし、ケース長、ロッド長変更がどうしても必要になった場合O/H時に短くすることは事は容易です。
切って短くする事はできますが、接いで伸ばす事はできませんから
(ストロークを短くすると確実に性能低下するので、シャコタンにしない限りショートストローク化は考えられませんが)

市販の「車高調整式サスペンション」だと、車高を下げることが前提なのでノーマル並のストロークを確保した製品は殆ど売られていません
ワンオフしない限りはどうにもならない要素で、
走行性能に大きく関わりセッティングの幅に影響するので妥協を強いられるのは苦しいです。

僕はこの部分で妥協できなくなったのでワンオフしました。
p1

ダンパーをオーダーする際のポイントは、「可能な限りスプリングシートのタップを下まで切る」事です。
これは、調整幅が広いほどスプリング自由長の選択肢を広げる事が出来るので、
後述するスプリング自由長によるサスペンションセッティングの幅を広げることができます。

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「サスペンション独学ノート 2017年まとめ③「ダンパー長の設定」」への2件のフィードバック

  1. はじめまして。いつも楽しく読ませてもらっております。

    考察すればするほど、改めて純正状態のバランスの高さを感じ、
    安易なローダウンのリスクの高さを感じます。

    しかしながら、国産車の間抜けに開いたフェンダークリアランスは許容しがたいものがあります。
    そもそも私個人的には、BMW、メルセデスなどの自然なフェンダークリアランスなら、ローダウンしたいとは思わないのですけどね(笑)

    1. こんにちは、コメントありがとうございます
      調べるほどメーカー設計の正しさを認識させられますね、、、

      僕は「車は気持ち良く走ってくれる事」が最優先で
      フェンダーの隙間に興味は無いのでアピアランス的な車高には無頓着です(笑)

      フェンダーの隙間ってあまり考えない方が良いですよ、、、

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