薪ストーブ設置 煙突を取り付け④ 【煙突アンカー取り付けと煙突フレーム施工】

最初に、「煙突」を考えましょう
煙突は「薪ストーブからの排気を屋外に引き出す」役割があり
その「排気を引っ張る力(ドラフト)」は高温の排気が煙突を上るエネルギーを使っています。
また、排気によるドラフトで、薪ストーブは新気を吸い込む事が出来るので燃焼を継続することができます。
この事により強くて安定したドラフトは、より安定した燃焼をもたらします。

この煙突効果を使った着火器具が「チムニースターター」で、簡単に炭や薪に着火できます。
チムニースターター
BBQに持っていくと簡単に炭に火が付けられるので便利ですよ~

煙突の設計は大きく分類して2種類あって、

屋根抜き煙突 1
薪ストーブ本体から直上に煙突を立ち上げて屋根を抜く「屋根抜き」と

壁抜き煙突
薪ストーブ本体付近より90°横に排気を曲げて壁を貫通して屋外に出してからもう一度90°曲げて垂直に立ち上げる「壁抜き」があります

排気をスムーズに抜くには曲がりが無いストレート形状が理想的なので、
新築から薪ストーブ設置を織り込んだ家は薪ストーブから真っ直ぐ直上の屋根を貫通して排気する「屋根抜き」を選択施工する傾向にあり、
(新築なら建物本体を作る大工さん、屋根の防水工事の板金屋さんや防水屋さんが揃っているので自由度が高い)

既存の家屋への薪ストーブの設置は、若干のドラフト低下には目を瞑り
雨漏りのリスクを避けて煙突横引きで壁を貫通させる「壁出し」になります。
壁出しでも、横引きした後に十分な煙突高さがあれば強力なドラフトを得ることが出来るので安定燃焼に関しては問題ありません
あとは、垂直部分の煙突掃除は屋外で出来るので部屋内が汚れなくて良いかなぁ、、

どちらの煙突でも熱を持った排気ガスが煙突を上って行く力(ドラフト)をより安定させる為に
最低4m+標高補正が必要で 
基本的に煙突が高いほどドラフトが強く安定します

また、煙突は保温&断熱が重要で
熱エネルギーによりドラフトを得ているので、
保温力の低い煙突では排気温度が下がってしまいドラフトが低下します。
さらに排気温度が下がると、排気に含まれるクレオソート・タールや煤が煙突内部に溜り、煙突を詰まらせ
最悪は煤(カーボン)に引火する煙突火災を起こして煙突から炎を吹き上げます。
Chimney-Fire-1
煙突火災の際に煙突の断熱&耐火性能が低いと屋根が燃えて火事になりかねませんので十分注意が必要です。
(この辺の話題はチョット検索すればより詳しい説明が出てきますので、そちらにお任せ)

って事で理想の煙突の要件をまとめてみると

①安定した強力なドラフトを得る事が出来る
・十分な高さの煙突
・十分な口径の煙突
・高い保温性能で排気温度をキープ
・抵抗の少ないストレート形状

②煙突火災を防ぐために
・高い保温性能で、クレオソート・タールや煤を溜めない
・簡単に煙突掃除が出来るストレート構造
・煙突火災の際は煙突内部燃焼の高温を封じ込める耐火性能

が必要って事になります。
これらを踏まえて、妄想設計した煙突は、、、、
・基本は断熱2重煙突で保温性&耐火性を維持
・薪ストーブからの排気は1ヶ所も曲げない完全ストレート構造
・高さは煙突から4.5m
・コンパネ&ケイカル板で箱煙突を作り、保温性を高める

こんな要件の屋根抜き煙突を作るために屋根裏での作業を進めて準備はほぼ完了
今回は天井裏部分の枠を作ります。
薪ストーブの設置場所が家の角なので、屋根が低くなりおのずと煙突高さが高くなるので
天井からコンパネ1枚分の高さ(約1800㎜)の箱煙突を作ります

ざくっと高さを調べてみると
薪ストーブの煙突取り付け位置~天井が1700㎜
天井から箱煙突の頂点が1800mm
合計で3500mm 
箱煙突の頂点から更に1000㎜の煙突になります。

改めて数字で確認するとカナリ大きいなぁ、、、
断熱2重煙突の長さを増やしてドラフトを稼いで4000mm位で何とかならないかなぁ、、、

とにかく屋根からの高さがあるので、煙突を支える支柱(支線)を取り付ける必要があります
ココは強度を確保するために屋根裏の垂木に金具を取り付けて十分な強度を確保します。

使う材料は「潰し羽子板」って名前の金具とフラットバー
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①屋根裏の垂木の横にドリルで屋根を貫通させて羽子板をビス止めして
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②屋根裏側からウレタンコーキングを打ち込んで、(見えない場所なんで)ヘラで適当に均す
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③屋根に上って、飛び出した金具に、フラットバーを当てて位置を見てマスキング
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④外装部分で防水の要になるので、ウレタンコーキングの接着力を発揮させるために専用プライマーを塗布
プライマーを使わないと接着力が弱いので要注意です
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⑤プライマーが乾いたらガッチリとウレタンコーキングを打ち込んで、フラットバーが当たる部分にもモリモリにして
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⑥フラットバーを「ぺたッ」と乗せたらビスを4か所打ち込んで固定

⑦屋根の板金とフラットバーの取り合い部分にウレタンコーキングを打ち込み、ヘラで均して雨水を止めます。
DSC_1661

コレで基本的な防水は出来ているので、雨漏りはありませんが
後日、水流れを考慮して水上(みずかみ)から雨水が挿さない(水圧が掛らない)ように板金を追加します。

次は屋根裏に戻って煙突の枠を作り
煙突の重量を支えて且つ煙突に風圧が掛った時に横方向の応力が掛る部分なので、
DSC_1662
家の構造部材の柱から支柱を伸ばして枠を作っていきます。

2x4材と金具ビス止めでかなりの強度が出ますね、、、
DSC_1664
組み立てた枠の上に乗ってもビクともしない枠が出来ました
この枠にコンパネをビス止めして煙突を立ち上げていきます。
DSC_1665

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