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耐空検査?? 滞空検査???

29日は耐空検査フライトで富士川滑空場へ
全機種まとめての検査なので片っ端から組み立てます。

こんな日に限って出席者が少ない、、、

機体を組み立てながら空を見ていると
サーマルによる対流で次から次へと積雲が湧いては消える好条件♪

他の機体を手伝い、いよいよタイラップも離陸準備に
担当した機体はSZD-51-1ジュニア
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検査フライトの内容を調整して
「数値取りが終わったらすぐに帰って来るんですよね?」
って話を畳むと、

「人数少ないし、呼ばれるまで遊んでて良いよ」
との事、、、

奢りかつ好きなだけ飛んでイイですとー♪

「ゴチになりますッ!!」

曳航機と別れて静安定、動安定、失速速度計測、VAでの操縦性、などなどの検査
フライトを実施しながら山に向かって機を進めると、
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静穏な状態からゴトゴトと機体が揺すられ初めて空気が沸いている様な感覚を伴い上昇帯へ

ラダーを蹴りフルエルロンで機体を押し込むように一気に旋回に入れ
最も上昇率の良いサーマルセンターを捕まえる
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オーディオバリオが歌いグイグイと機体が昇ります。

最初のサーマルは900mを超えたところで弱くなり最良滑空速度付近まで加速して
次のサーマルへ

気温の上昇に伴いサーマルの上限が上がり最高到達高度は1100m
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久しぶりに昇りましたねぇ~

サーマルって有効な高度幅があって
ある高度以上まで上がると膨らむように直径が広がり捕まえ易くなります。

この日は大体700m~1000m位が有効なバンドのようで
700mを切らなければ簡単には沈みません♪
日射が弱まるまで飛び続けられる条件ですね~

しばらくするとASK-21が側に飛んできて同じサーマルで2機でソアリング
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ぐるぐる、、、
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2時間ほど春の空を楽しんできました♪

耐空検査は、、、
もちろん問題無しです~(笑)


曲技トレーニング 13回目

先日のことですが、、、
耐空検査フライトを実施して、無事に耐空性が認められました。
これで1年間フライトが可能です♪

引き続き、トレーニングフライトに入ります。
前回のトレーニングから約1ヶ月前 前席でのフライトは2ヶ月前
かなり間が開いてます。

No.13
シーケンスは前回と同じ
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スピン
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前回の失敗を踏まえてラダー先行でエントリーしたのでOK
手順としては、水平飛行状態を維持して静かに減速
(パスをはっきりと上げると減点対象)
80km/hを切る辺りから僅かにバフェットを感じるので、Fullラダー入力
旋転方向に倒れこむように巻くのでノーズの落下を釣るようなイメージでエレベーターFullUP
ラダーとエレベーターを保持して旋転持続、
スピン状態に入っていれば、A/Sは増速せずに持続、
(増速する場合はスパイラルに入っている)
旋転停止の90°手前でリカバリー操作
旋転方向と逆にフルラダー
エレベーターUPをニュートラルからDown方向に緩める
旋転停止とほぼ同時に剥離状態から回復するので、ラダーニュートラル
更に機首を押し込むイメージでエレベーターDown、垂直ラインを出す
垂直降下で次の科目のエントリー速度まで加速、
垂直降下中にエルロンロールでヘディングを修正 (気付かれないように静かに、、、)
次の科目の速度にあわせて水平状態に引き起こす。

インメルマン
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スピンから250km/hで出て、エントリーまでの科目のつなぎでポジション確認とヘディング修正を行った。
修正に手間取り230km/hまで速度を失う、ピッチを下げて増速を試みるが、BOXの縁になり240km/hからのエントリーになる、
この自転でほぼ失敗が確定、
1/2ロールでLevelに戻すがピッチが下がる

※250km/hからの高速エントリーが必要な科目で速度を失うと再加速には大きな失高を伴う、
前の科目のから出る時点で速度、ヘディング、水平姿勢を確立して、ラインを出したら速やかにエントリーすることが大切

45°DownLine
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翼端と水平線をみて-45°を確認ほぼOK、

5/8ループ~背面水平飛行
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200km/hからの5/8ループで背面へのエントリー -45°ラインが少し浅い、翼端と水平線の確認をする事
200km/hでの背面水平飛行は安定 真っ直ぐには段々飛べるようになってきました。

背面旋回
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コントロールが不安定なので45°バンクで実施、バンクを確立後のエレベーターDownが強くA/Sを失い失速
1/2ループでリカバリー

あまりにもコントロールが機体の後手を踏んでいるので、シーケンス中止を宣言

単品でのフィギュアを実施
ループ
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一番多く実施している基本的な科目なので安定して実施できます。

ハンマーヘッド
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210km/hからのエントリー
左翼端と地平線を見て垂直姿勢を確立、維持できたが、ラダーのタイミングが早く、綺麗に機首が落せない
滑らせる量も少なかったのかもしれない
かなりの回数を行っているが、、、かなり難しい
納得できたのは今までで1回だけ

エルロンロール
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200km/hからのエントリー
後半の背面からの1/2ロールで毎回沈むので、失敗を承知で緒言と姿勢を確認してみる

エルロンロールを2回実施したところで、対地高度300mでリミット

今回、エルロンロールを観察して見つけた傾向
エントリー200km/hからのエントリー
1/2ロールまではピッチを維持しているが背面状態からノーズを落として沈み始める
背面までの1/2ロールの間で速度は大きく変化していないのでエネルギー不足になっている訳ではない
背面からの1/2ロールで速度が10km/hほど増え、明らかにラインが沈む

今まで教わっていたロールは、ロール中でのエレベーター操作によるヘディングのズレを避け、
あらかじめロールエントリー前に僅かにピッチUPしてエレベーターは固定 ロール中の背面姿勢でのピッチの違いを修正していない、

これにより
200km/h positiveでのピッチを維持するエレベーター位置のまま1/2ロールで背面に入ると
200km/h negativeの姿勢にはならず、ピッチが不足してラインが沈む
ロール開始から1/2ロールに掛けて連続的にエレベーターをDown方向に入れて背面200km/hのピッチに持ち上げ
1/2ロールから2/2ロールに掛けては200km/h positiveのピッチにあわせてエレベーターDownを緩める

インメルマンやチャイニーズループでも背面からの1/2ロールで崩れるのは背面状態でラインを維持するピッチ角から
正面状態での200km/hのピッチに戻せずに
正面に移るに従い背面で使ったエレベーターDownが残り自分で突っ込んでいるのかもしれない

とにかく背面状態でのピッチ量を理解して姿勢遷移をコントロールできるようにならないと、
次回トレーニングでのエルロンロールは、ヘディングぶっ飛びは目を瞑って、ピッチコントロールによるライン維持をメインにして飛んでみます


人間の耐空性確認

今年も無事に第一種航空身体検査に合格。
これで人間の耐空性も認められました♪
今年からは人間も耐空類別”曲技A”ですね(笑)

朝0930に検査開始で1000頃には終わる手際良さは助かりますね~

今回は「血圧とBMIを下げろ」とありがた~いお説教を頂きました。

4月に入ってから「とにかく痩せなきゃダメなんだよ!!」と思い
晩御飯に春雨スープを必ず出すようにして白米を減らしてます♪

毎年羽田空港診療所に電車で行くんですが
ターミナルが3つになっていて軽く迷いました。「羽田空港診療所」は国内線第1ターミナルですね
間違って国内線第2ターミナルに行ってしまった、、、

さて、これから急いで会社に行けば午後は仕事が出来そうです~


MDM-1 FOX 耐空検査整備

一年に一度の航空機の検査です。
トレーラーを格納庫に着けて胴体を引き出し整備開始
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キャノピーを取り外し、コクピットのアクセスパネルとシート、バッテリートレーを全て取り外し、
掃除機を掛けて土埃を取り除き
リンケージ各部の清掃とグリスUP
効きが不安定だったブレーキの分解点検とフルード交換
が主なメニュー

整備担当のN西さんは元エアライン整備士
プロが見る整備のポイント教えて貰えます。

先ずは、全てのアクセスパネルの取り外し
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パネルを固定しているスクリューを赤い小袋に入れてパーツに括る
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小袋に入れて部品毎に止めて置けばスクリューの取り違えは起きないし紛失も無い
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コレは良い方法ですね

次の作業は
キャノピー、シート、全てのパネルを取り外し空っぽになったコクピットをひたすら掃除機で吸いまくる、
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なるべく土埃を持ち込まないように乗っていますが、、、
アクセスパネルの奥などの細かい所に入り込んでます。

次に無線機のバッテリー端子の半田付け、
今まではカシメて圧着でしたが、この機会により確実な半田付けにしちゃいます

お昼休みを挟んで
気になっていたブレーキ関係の分解点検

構造は片持ちシングルピストン、フローティングキャリパーにソリッドディスクの組み合わせ
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原付のディスクブレーキと同じですね(笑)

分解してパッドもほとんど減ってないし、ディスクの不具合もなし、
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まぁ、考えてみれ600kg近い重量の機体を120km/hから止めてるブレーキだけど、1フライトに1回しか使わない
そんなに負荷が入っている訳じゃありません、、、

分解したときに気が付いたのがキャリパースライドの固着
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片押しシングルピストンキャリパーのスライドピンが固着すると十分にディスク
を挟む事が出来なくなるのでフィーリングが悪くなったり効きが悪化します。

しかも良く見るとスライドピンの部分にダストブーツが無い
水も埃も入り放題ですね、、、
スライドピンとキャリパーマウントを掃除して薄くグリスを塗って様子を見ます

最後に怪しいのはエァー噛み
背面飛行時にはブレーキシステム一式が裏返しになるのでリザーバータンクとマスターシリンダーの間で
フルードと空気が入れ替わりブレーキラインに入り込む
可能性があります。

作業はフルード全量交換
キャリパーのニップルが真下に付いているので普通にエァ抜き出来ないので一度
全量抜き取り、キャリパー側のニップルから新しいフルードをポンプで送り込み
ブレーキラインを満たします。

最後に整備士の目でリンケージやレリーズの点検をして確認完了
全てのアクセスパネルを閉じ、コクピットを組み立てて前半戦完了

週をまたいで後半戦。
良く晴れて良い天気だったので、先ずはクッションを干します(笑)
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N西さんは主翼の点検
負荷が大きい曲技機なのでより慎重にクラックをチェック
構造体のクラックテストはコインタップで音を聞きます。
構造体までクラックが入っていると、音が変わるのでクラックの深さの目安になります。
気になっていたエルロンヒンジの付け根のクラックはコインタップの結果構造体
までは届いていない表層のゲルコートクラックで一安心

主翼点検の間にタイラップに預けられた仕事は、コクピット内のプラカード(指示表示)の張り替えとキャノピー磨き
ちゃっちゃと古いプラカードを剥がし脱脂して張り替えで完了

続けてキャノピー磨き
最初は水拭きで終わりの予定が、、、
仕上がりが綺麗じゃない曲技中のショルダーハーネス外れて付いた傷も気になる、、、

N西さんに相談すると
耐水ペーパーとミラーグレース(キャノピー磨きコンパウンド)を出して磨くコトに

爪に引っ掛かる深い傷の周りにマスキングテープを貼り
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最初に3600番のペーパーで傷が消えるまでしっかりと水研ぎ

傷が消える代わりに擦りガラス状態になるので6000番→8000番の順番で磨き、透明度を上げて

最後はミラーグレースで全体的に研磨
仕上げにネル布で磨いて完了
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透明に輝くキャノピーは磨いた甲斐があります♪

最後に尾輪の分解点検
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アクスルシャフトを抜いて尾輪単体にして掃除
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ホイールのクラック、タイヤの摩耗と状態を確認
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アクスルシャフトやカラー部分にグリスを薄く塗布しながら組み立て

コレで整備完了
来週の日曜日に耐空検査フライトを実施します。


曲技トレーニング11,12回目

今回の曲技トレーニングはadvanceの科目を意識したシーケンスを組みました。
梶さんの後席でのシーケンスは初めてです。
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飛べば飛ぶほど難しく感じて、上達している感覚がありません(笑)

1. スピン
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スピンエントリーでエレベーターを引き過ぎ 両翼剥離(普通の失速)に入ってからラダーを入れる
両翼剥離状態での超外滑り旋回、科目として成り立っていない
シーケンス最初の科目からコケる、
なにやってんだ、、、

2. インメルマンターン
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250km/hからエントリー なかなか上手く出来たと思うけど 最後の1/2ロールで沈みラインが出せず

3. 45°ダウンライン
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角度の認識と保持が甘く、角度が浅い 角度を決めた後にジワジワラインが変わってしまう

4. 5/8ループから背面45°ライン 背面レベルオフ
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水平を確立してからエントリーする事、
エントリーから5/8ループは良い感じ、背面45°ラインは角度浅い
背面状態でのピッチが確立出来ないので速度が安定しない
姿勢安定は前回よりはマシ程度、まだまだ自由にはならない

5. 背面旋回180°
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バンクが安定せず旋回率が変わる 旋回角度の認識が甘い135°旋回でロールアウト
背面での地上目標の見え方がイメージできていない、

6. 背面45°アップラインからシャーク トゥース
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苦手な背面引き起こしだか次第に体が慣れてきている
45°アップライン角度浅い
垂直降下に入ったところでヘディングのズレに気付くが後の祭り 30°程ズレて出てくる
確実に”0”点だね、、、

7.チャイニーズループ
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250km/hからの5Gエントリーは描けるが頂点のエルロンロールでエネルギー不足になり垂直降下
ロール開始の姿勢は良かったが、1/2ロールに至るまででエネルギーロスしている

8.ハンマーヘッド
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250kmからのエントリー
90°アップラインの姿勢を作った後にジワジワと姿勢が変わっていく
ラダーを入れる時には弱背面寄り(100°位)になり反転が上手くいかない

9.右エルロンロール
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200km/hからのエントリー
やはりロール後半にかけてピッチが下がりラインが沈む

10.45°アップライン
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特に角度を意識しながら姿勢を作ったので良かったとは思うが、
地上のジャッジには浅く見えた、、、

11.ループ
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シーケンスが終わった後の残り高度でオマケ練習低い高度でのループなので頂点からの引き起こしが無意識に強くてなる
引き起こし過ぎは剥離からスナップする危険があるので要注意
速度管理が出来ていればこんなミスはしないはず

シーケンス全般的に見た傾向としては、

①45°のライン精度が悪く浅くなる傾向
②ラインを確立した後に舵(エレベーター)が残りラインから離れて行く
③スピードコントロール精度が悪い 科目の出口で次の科目のエントリースピードに合わせるように組み立てるが、引き起こしのリードの読みが悪く狙った速度を超過する
④背面旋回での旋回角の認識がまだまだ

つまり姿勢認識が悪く機体を制御しきれていない、
要は姿勢(フライトパス)のズレに気付くのが遅いから操作遅れてになって後手を踏んでいる、
認知、判断、操作が反射的に出来ていない、または遅い

⑤何となく今までエルロンロールに苦手意識を持ったいたが、今回のフライトでエルロンロールに問題がある事が明確になった

具体的には不要なエレベーター操作でヘディングが変わり、ラインも下がる
速度の少ない状態でのロールほど顕著に現れるのでラインを維持するためのラダー&エレベーターのコーディネーションが出来ていない事になる

今までのトレーニングで
「僅かにピッチアップしてフルエルロン」
「フルエルロンで入り背面で一瞬エレベーターダウン」
の2種類のエルロンロールの方法を教った。

前者はピッチアップでのライン誤差を負い、エルロンのみでロールして
ロール中のエレベーター操作によるヘディング誤差を排除する飛び方

後者はヘディング誤差のリスクを取り
ロール中にエレベーター操作を行い積極的にラインを保つ飛び方

どちらにしても必要な操作とタイミングを確立させて練習すれば必ず出来る
前向きに考えれば、シーケンス全般で足を引っ張っている科目なので習得すれば間違いなく眼からウロコのブレイクスルーが来る!!

苦手科目から「軸の通ったエルロンロール」になるまで研究と練習ですね、、、