R33 GT-R 大先輩号 【前後ロール剛性バランスの修正②】

先日の走行動画を見て、
改めてR33 GT-Rのピッチ&ロール剛性の見直しをしました。
実際は前後ロールセンター軸の傾き(FRは基本前傾)によりリアロール剛性が高い方向に動きます。
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今回のオーバーステア傾向を助長した要素の一つ「前下がりの車高設定」が生むステアバランスへの影響は
静的前後配分が前寄りになる事と
ロールセンター軸前傾が深くなる事によるフロントロール剛性低下&リアロール剛性向上あります。

これは、前後車高を基準の水平姿勢に戻す事で解決できますが
全体的なロール剛性不足と前後ロール剛性バランスの修正にはスタビライザー変更が必要なので
スタビライザーレートを求めてホイールレートに換算して定常旋回中の前後固有振動数を計算してセッティングマップにプロットしました。

現状での大先輩号は
直進状態では前後固有振動数差が0.41Hzでトラクション重視
定常旋回状態では0.18Hzで限りなくニュートラルバランス
この大きな特性変化を作り出せることがツインスプリングのメリット
ライトウエイトスポーツのような旋回特性と強大なトラクションを両立させることができます。

対比としてR33GT-R標準車、NISMO S-Tune、400Rの特性もプロットしました

面白いのはR33 GT-R標準車
ストレートより定常旋回中の方がリアロール剛性が高い設定
しかも前後固有振動数差が0.15~0.18Hzと少ないので、驚くほどニュートラルバランス寄り
アンダー特性で叩かれたR32に対して、とにかく曲げちゃって4WS&4WDで安定させつつフロント駆動で引っ張り出してアンダーバランスに踏み止まろうって感じ
確かに、このままでアテーサ切って2WDモードにしたら強烈なオーバーステア傾向になるなぁ、、、

NISMO製の2台は似たような旋回特性ですが、ハイパワー且つより高速域での旋回を重視した400RはS-Tuneに対してプロット点がそっくり左へ移動した安定傾向
特性としてはフロントロール剛性を高めて定常旋回状態ではニュートラルバランス方向へ変異し、高めた前後ロール剛性でロール角を浅くしています。

今回の目的の大先輩号のスタビライザー選択でNISMO、Cusco、ARCを検証してみると
NismoとCuscoはほぼ同じ特性でわずかなキャラクター違い
ツインスプリングの特性を残しつつ定常旋回中は前後固有振動数差が0.21Hzになるので安定方向に変化します。

対してARCは大幅にリアが固い特性で400Rよりはニュートラル寄りだけどアンダー傾向を維持
ARCを組むと結構コンサバな感じになりそうです

もちろんフロントスタビライザーがノーマルに対して1kgfmmほど強化されるのでダイアゴナルロールが減少
今まで、ダンパー過減衰でごまかしていた部分をスタビライザーで荷重を支えられるので減衰力を下げて足を動かせるようになります。

特性がほぼ同じでわずかに高レートでお値段が安いCuscoの前後セットを組んで、水平車高に再調整して再スタート
コレでもダイアゴナルロール過多で巻くようならば、フロントダンパーのサグ調整でストロークを縮みを減らして伸びに振って
バンプラバーを使ってフロントの縮みストロークを規制して
In側リアタイヤに荷重を残します。

これで限界は一つ上がると考えています。
更にスタビリティ傾向にしたいのならばフロントCusco リアARCの組み合わせもOK
大先輩!!いかがいたしましょう♪

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