前回のテストの結果
「適正ロック率を作り出すOIL粘度は4000〜2000番」って事がわかりました。
って事で3000番をテストして追い込む予定でしたが、、、
改めて説明書を見たら泣きそうになった
OP-1471 TA06 スチールギアデフユニットの説明書では
「ギアが隠れるまでOILを入れます」
って表記されていたので
すり切りイッパイまでOILを充填してテストしていましたが、、、
M-07とTA06の説明書を見ると
「GV3(クロスシャフト)までOILを入れます」
って書いてある
う〜ん、正解はどっちなの?
まぁ、「セッティング部分なのでお好みで」って事だろうから
ちょっと考えます。
走行中のギアデフOILの振る舞いを考えると
·走行中のギアデフOILは遠心力でケース外側に偏って張り付いている
·差動する事によりベベルギアで撹拌されて空気を含む事で粘度低下を起こしている
·最終的な動粘度(≒ロック率)はケース内に充填されたOIL粘度、OIL量.空気量のバランスで決定される
·封入されるOIL量が多いほどベベルギアがOILを撹拌(せん断)する面積が広くなるので
ロック率が高くなる
って事になるので
「低粘度OILをフル充填」と「高粘度OILを半量充填」で
異るOIL粘度と封入量でも等しいロック率を作り出す事が出来る事になります。
すり切りイッパイ フル充填だと
こんな感じで常時OリングがOILに浸かった状態になるので
Oリングは常時OILからの負荷が掛る事になり
ダメージを受けて膨潤の原因になり
OIL漏れの原因になります
コレを高粘度半量充填にすると
走行中のOILは遠心力でケース外側に張り付くのでOリング部分からのOIL漏れは無くなり
保管中のOリングの負荷は半分になり膨潤対策にもなります。
もう一つのOIL漏れの原因になる
デフケース(ファイナルドリブン)とキャップの取り合い部分のガスケットは
常時OIL浸透に晒されて、
更に走行中は遠心力による圧が掛かる厳しい環境
対策としては
組み付け前のガスケットにシリコンコーキングを含浸させてから組み付けて密閉します。
シリコンコーキングをガスケットに含浸させる事で僅かな隙間からOILを吸い出して道を作る
「毛細管現象」を止める目的もあります。
テストを進めて最終的にたどり着いたのが
口切り高充填
半量充填の考え方をもう一歩進めて
OIL封入量をOリング高まで減らして、ロック率を維持するためにわずかにOIL粘度を高くした仕様
保管中のOリングへの負荷を限りなく減らします。
理論上、車両水平ならば走行中及び保管中共にOILがOリング高を超える事は無いので
Oリング無しでもOILは漏れません
とは言っても必ずOリング付近にはベベルギアで撹拌されたOIL飛沫がかかり
走行中の発熱により封入空気が膨張して気密(液密)が一番弱いOリングから呼吸するので
同時にOILを押し出すはず、、、
まぁ、完全密閉は難しいけどOIL漏れは減少するでしょ~
もう一歩進めるならば
OutputシャフトのOリング接触部分にハッチ加工して前進時にOILを押し返すポンプ効果を付加って方法もありますが、
それは後のお楽しみって事で
OIL半量充填での運用で大切なのは
走行直前に駆動片輪を押えてモーターを回してデフOILを撹拌して粘度(ロック率)を作る事
コレを忘れるとロック率が安定しません
4000番半量充填からテスト開始
予想通り4000番フル充填とは全く異なり
かなり扱い易い
感覚は2000番フル充填に近い状態
「コレでOKかぁ?」って思うほど
動きが安定したので計時してみたら
Ave10秒台でタイム更新
方向性は間違って無いですね〜
4000番半量充填でOK判断ですが
念の為に3000番半量充填もテスト
ロック率が下がる事で
更にアンダー&オーバーが消えて安定感がある状態で軽く曲がる
ここまでロック率を下げるとトラクションが抜けそうだけど
しっかりとトラクションが掛かって前に進む
計時してみたら
Ave10″82でタイム更新
最良ロック率は3000番半量充填って事になりました~
最後に4000番口切り高充填をテストしましたが
3000番半量充填に比べて安定していて曲がりが重い
さっきまで「4000番半量充填でOK」って判断だったのに
更に良い3000を半量充填を知るとこんなもんですね〜(笑)
って事で
最終的なM-07のOIL封入式ギアデフの封入OILは「3000番口切り高充填」になりました!
長い旅だったなぁ〜
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