R33 GT-R サスペンションセッティングの系譜

今日も朝から天気はイマイチ、
しとしと雨だと思ったら、いきなり豪雨になってみたり、、、
外で遊べないから朝からPC立ち上げて
R33 GT-Rの数値を使って計算して遊んでました

今回は「R33 GT-Rのサスペンションセッティングの系譜」を見てみると、、、

毎度の事ですが
スプリングレートから固有振動数を求めて傾向を掴んで比較すれば、
次の仕様を考える時に「思い込みや宣伝文句」に踊れされずに数値で見ることが出来ます。

メーカー純正OP、
メーカー系チューニングパーツ、
大手のチューニングパーツメーカー
ならメチャクチャな設定はまずありませんが、

結構アヤシイのが「ショップ オリジナルセッティング」
中には凄いヤツ(いろんな意味で)が混じっていて玉石混合の魑魅魍魎な世界が広がっています(笑)

さて、、、
まずは、基本となる標準車から

R33 GT-R 標準車 1名乗車
フロント
スプリングレート 3.2kgfmm
ACF 1.08
ホイールレート 2.96kgfmm
走行時ばね上重量 827.01kg
バネ上固有振動数 1.33Hz

リア
スプリングレート 3.2kgfmm
ACF 1.09
ホイールレート 2.94kgfmm
走行時ばね上重量 654.29kg
バネ上固有振動数 1.50Hz
sketch-1593953335380

標準車と言ってもGT-R 柔らかくは無いですね、、、
フロント1.33Hz リア1.50Hzはスポーツモデルの硬さで

「ドライバーが感じる脚の硬さ」として前後固有振動数の平均を見てみると 1.42Hz
一般の乗用車のバネ上固有振動数は1~1.3Hz付近に設定されているので 乗用車としては乗り心地クレームが出るギリギリ一杯

ダンパー減衰力の高速側を抑えて乗り心地作っているんだろうなぁ、、
前後の固有振動数差は0.17Hz
当たり前だけどセオリー通りのセッティング

この前後固有振動数バランス設定は色々考えたのですが、
結論はすごく簡単、
乗車定員全員乗って、トランクに荷物を突っ込んだ、一番重い「車両総重量」状態で
固有振動数バランスがフロント<リアを維持する事が第一条件だと考えます。

試しにこの車の前後固有振動数がフロント=リアになるまで人と荷物を載せてみると 5名乗車+トランクに荷物34kgでフロント=リアに達します。

フロント>リアになると何がマズイかって、、、
旋回特性がオーバーステアになって乗れたもんじゃない
旋回中などで横Gが入っている時のスリップアングルがフロント<リアになるのでリアがズルズル

イメージしやすいのは過積載のトラック
アクセル入れて加速させるとリアが腰砕けになってメロメロになって流れます
市販車じゃ絶対に販売出来ないでしょ(笑)

次はメーカーチューンのハイスペックモデル

R33 GT-R V-Spec 1名乗車
フロント
スプリングレート 4kgfmm
ACF 1.08
ホイールレート 3.70kgfmm
走行時ばね上重量 827.01kg
バネ上固有振動数 1.49Hz

リア
スプリングレート 5kgfmm
ACF 1.09
ホイールレート 4.59kgfmm
走行時ばね上重量 645.29kg
バネ上固有振動数 1.88Hz
sketch-1593953421038

フロント1.49Hz リア1.88Hz メーカーチューンって言ってもビシッと硬めてきてますね

「ドライバーが感じる脚の硬さ」として前後固有振動数の平均を見てみると
1.69Hzで乗用車の枠から出ちゃいます
ワインディングから小さなサーキットくらいならカバーできちゃう硬さ
ここまで来れば「乗り心地がぁ、、、」なんてクレームは通用しないから大丈夫!!
硬いのイヤ人は標準車選ぶでしょ

前後の固有振動数差は0.39Hz
標準車に対してリアを固めてリアのスリップアングルを浅くしてよりスタビリティ重視
リアの限界を高めただけ速く走れるけど、しっかり乗らないと曲がらない車

旋回加速することでリア荷重を増やして前後固有振動数を近づけてニュートラルステア方向に持っていく運転を要求しています
つまり、、、
「減速したらガッチリ一次旋回で曲げて
踏んで2次旋回を楽しめ!」って脚

で、、、
今回の主役比較対象車両の「大先輩号」のNismoノーマル形状のS-tuneを並べると

R33 GT-R Nismo S-tune 1名乗車
フロント
スプリングレート 6kgfmm
ACF 1.08
ホイールレート 5.56kgfmm
走行時ばね上重量 827.01kg
バネ上固有振動数 1.83Hz

リア
スプリングレート 6.7kgfmm
ACF 1.09
ホイールレート 6.15kgfmm
走行時ばね上重量 645.29kg
バネ上固有振動数 2.18Hz
sketch-1593852404810

フロント1.83Hz リア2.18Hz
ようこそチューニングサスペンションの世界へ!!
完全にワインディングが主戦場で、
「ドライバーが感じる脚の硬さ」として前後固有振動数の平均を見てみると 2.1Hz
街乗りはチョット我慢してね♪って設定

スプリング単体で見れば
毎日乗り回すならドライバーはOKだけど、
助手席の評判は、、、、
多分聞こえない場所で愚痴が出てると思います

この辺りになってくるとダンパー減衰力設定が特に乗り心地に効いてくるので
カタログの0.3m/sの減衰力からC/Cc(減衰率)を計算すると
フロント 32% リア 20%付近でリアを多めにブローさせて乗り心地作ってます。

縮みと伸びの減衰力バランスは
縮み29% 伸び71%で乗り心地に全振り
サグ管理が出来ていればスプリングは硬いけど乗り心地は悪くないはず。
「脚は硬いけど角を丸めてある」ってヤツ

前後の固有振動数差は0.35Hz
標準車とV-Specの間で V-Spec寄りの操縦性

固有振動数はV-Specより高く姿勢変化は少なくなってるので限界はV-Specより上がってます
「曲げることに関しては標準車ほど万人向けじゃないけど、V-Specほど攻める事を要求しない」って設定

「車はコレ1台」って人が普段の街乗りのお買い物から、サーキット走行をちょっと楽しむ位ならベストなんじゃないかな
「俺の車はNismo脚でね、、、」って威張れるし(笑)

この前後バランスで固有振動数を下げていくと「ピッチングを使って車を曲げる操作を楽しめる車(僕のE36 325i Cabriolet)」になります

ホイールベース アライメント(前後トータルトゥバランス)、
前後固有振動数バランス、
C/Cc、
の設定はNismo脚のR33と僕の325i Cablioretとほんとに似てるんだなぁ、、、

この辺りに[後輪駆動車(後輪駆動車ベース4WD)の黄金比]ってのがあるのかも知れない!?

ブログランキングに参加しています、記事を気に入っていただけましたら
↓クリックしていただけると嬉しく思います。

にほんブログ村 車ブログへ
にほんブログ村

全般ランキング


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です