「車高を下げると縮み側ストロークが減り、スプリングレートを高めても底付きしちゃいます。」って結論から入った前回に続き、
理解しやすいように少しづつ書き進めていきます。
サスペンションはばね上固有振動数を挟んで2つの動きをしています。
ばね上固有振動数以下の動きと以上の動きです
今回は、ばね上固有振動数の動き、共振です
この固有振動数でサスペンションの硬さをイメージするのは一般化していないので難しいと思いますが、「固有振動数が高いほど硬い」ってイメージでOKです。
固有振動数とは、あらゆる物が持っている一番振動しやすい振動数のことで
固有振動数と同じ周波数で動かすと振動が増幅され、強い振れが起きます。
これを共振といい、その周波数を共振周波数と云います。
この共振現象をバネの入力端から固定端に力が伝わる割合を表す振動伝達率のグラフで見てみます
横軸が固有振動数(共振)を1.0とした割合
縦軸が入力端=固定端に等しい力が伝わる状態を1としたグラフです
バネ上共振状態は周波数の比1.0(共振)で伝達率が鋭く突きぬけちゃっている部分です
ばね上固有振動数と同じ周波数(ストロークスピード)でサスペンションを動かすと共振を起こして
理論上は無限大運動で激しいバウンドが起きます。
この激しいバウンドは完全にダンパーが抜けた車に乗った経験のある方は体験していると思います
身近な物でイメージすると「夜店の水風船ヨーヨー」です。
重りである水風船と輪ゴムで作られたバネ系に、リズムよく手を動かして入力すると
パンパンと勢いよく弾みます。
この状態が共振状態で、減衰するダンパーを持たないので僅かな力で運動が継続します。
こんな感じに「ぐわんぐわん」って船のように車体が揺られて止まらなくなっている状態です。
ダンパーの一番の役割がこの共振現象を抑えて車体を安定させるためです。
だからダンパー減衰力を設定する計算では
「ばね上固有振動数から臨界減衰を求めて臨界減衰力の何%にする」ってプロセスになります。
つまり共振を抑えることが第一の目的で、その減衰力を発生させる特性(カーブ)で
車両の運動性の味付けをしているってイメージです。
で、、、、この固有振動数付近を境にサスペンション動きが変わります。
ブログランキングに参加しています、記事を気に入っていただけましたら
↓クリックしていただけると嬉しく思います。
にほんブログ村
全般ランキング