今朝は強烈な霧から始まって
朝のブリーフィングが終わる頃には急速に回復
上空の寒気が北に押し戻されてしまったので、雨上がりの日曜日は暖かくなりましたが、
上空が暖かいと地表との温度差が小さくなるので上昇気流があまり発生しません
ちょうど生ぬるいお湯をヤカンに入れて弱火で温める(ぬる燗作る感じ)ような状況で
ほわ~んとした空
上昇気流頼りのサーマルソアリングには絶望的なコンディション
グライダーにとって良い天気は
上空に雪を降らせるような強い冷たく乾いた寒気が入ってきて、冬晴れで日射が強い日
ガンガンにサーマルが発生する”当たり日”になる確率が高いです。
詰めたい水をヤカンに入れてガスコンロでお湯を沸かすような状況が良いんです
いかにも対流しそうでしょ♪
今日はグライダークラブの運航スタッフでグライダー曳航します
「グライダーを飛行機で曳いて空に連れていく」って書くとなんだか良い響きですが
「さぁ、今日も一日安全運航で頑張ろう! えぃえぃ おぉ~」って感じで肉体労働です(笑)
機体を格納庫から河原の滑走路引っ張り出して「離陸前点検」を済ませたらコクピットに乗り込み「エンジン試運転(ランナップ)」です。
この「エンジン試運転」はエンジン始動~暖気運転~機能チェックを行い
正常に機能しているか?性能が出ているか?を確認します。
春と秋の湿度が高くて生ぬるい気温の日はちょっと要注意なんです。
外気温度が10~20℃位で湿度が高いとキャブレターアイシングが発生します。
キャブレターアイシングとは、、、
キャブレターが燃料を吸出すために必要な構造”ベンチュリー”で流速が速くなる事により気圧が下がり温度が低下します、
このときに吸気に湿気が高ければ、ベンチュリーによる気圧低下により水蒸気が凝結しベンチュリー側面やスロットルバタフライに結露する。
キャブレター内の温度が氷点下以下の場合、スロットルバルブを含みキャブレター内部表面に着氷を起こします
着水が進むとスロットルバタフライを凍結させたり
ベンチュリーを閉塞させてエンジン停止にいたる現象です。
このキャブレターアイシング(キャブアイス)、飛行機運航には危険な現象で
上空からスロットルを絞って降下するときにキャブアイスを起こしてエンジン不調に陥ります。
気温は低いし雲に入れば湿度100%ですから、、、
もちろんキャブアイスを防止するためにマフラーの周囲で暖めた空気を吸気させてキャブレターを温める「キャブヒーター」が装備されています。
今日の外気温度は16℃
濃霧で湿度が高い状況
キャブレターアイシングの条件に入っていたので動画を録ってみました。
動画はエンジン始動後3分程から撮影開始してます
僅かにエンジン音が変わり(僅かに息つきを起こして)から回転が下がります。
そこそこ回転が下がったところでキャブヒーターをONにしてリカバリーさせましたが
このまま放置するとエンジン停止に至ります。
IFRで4~5分雲中降下するとかなりの確率で凍るって事ですね
僕は幸運にもフライト中にキャブレターアイシングを喰らった事はありませんが
次のフライトで凍る可能性は十分あります
「降下中は忘れずにキャブヒーターを使いましょう!」
ちなみに、、、
車やバイクはキャブアイス(インジェクション社はバタフライアイシング)防止にエンジン冷却水やエンジンOILをキャブレターやスロットルボディに循環させて温める機能が付いています。
「俺は吸気温度を1℃でも下げてパワーUPだっ!」って安易に取り外すと
スロットルが凍結してスロットルが閉まらなくなって暴走するかもしれませんよ(笑)
エアクリーナー無しのファンネル仕様やキャブヒーター無しの社外キャブレターも凍りやすいですから要注意です
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