ポーランドのグライダー自家用技能証明取得に必要な経歴を調べました。
飛行時間15時間
クロスカントリー50km(25kmのout and return 教官同乗でもOK)
単独飛行前に2回以上のフルスピン(1回転)と完全失速
索切れトレーニングを6回(離陸直後を含める)
細かい事はもう少しありますが、重要な部分は以上です。
2012年にポズナンで高校生のサマーキャンプの運航を見ましたが、
スピンだけでなくループやハンマーヘッド(失速反転)など基本的なアクロトレーニングも実施していて
さらに練習生が単座機でクロスカントリーに挑戦していました。
(結構な頻度でアウトランディングしていましたが、、、)
また技能証明取得後も毎年1回はフライトを実施するクラブのインストラクター同乗でレビューフライトが必要で
この時にもフルスピン(1回転)を実施するそうです。
僕も毎年最初の1回目はインストラクター同乗です、
今年は背面スピンだったけど(笑)
やはり機体の設計コンセプトが異なるとパイロットに求められる要件も変わります。
ポーランド製の機体は基本的に「スピンする(出来る)機体」が設計思想のようです。
スピンは固定翼航空機のあって然るべき「自然な特性」として捉え
パイロットの理解と経験で危険を避けるべくリカバリートレーニングを必須としています。
スピン自体は充分な高度で完全に入れてしまえば飛行規程に定められた旋転回数を越えなければ危険度は低いですが
一番危険なのは低高度での予期しないスピンです
リカバリーに必要な高度が無ければ陥った瞬間に「詰み」ですから
危機に近い状況の「低速、低高度」に機体を陥らせない事が何よりも大切だと思います。
昨今の日本のグライダークラブのフリートはドイツ機が主流なのでスピンの習得は難しいのかもしれません
ASK-21(スピンキット無し)で色々試しましたが
僕の重心位置では全てスパイラルに入ってしまいました。
ポーランドの飛行経歴の中で「初ソロ前にフルスピンを経験させる」事は特に重要だと思います
「フルスピンに陥ってしまった場合」をソロ前に体験させ学ぶ事は
存在する「危険」を明確に認識させる事につながり
正しいリカバリーを学ぶ事でパイロットの精神的キャパシティを増やしパニックを回避できる糧になると思います。
また、数年前にライセンスを取得したばかりのパイロットと組んで曳航フェリーフライトを飛びましたが、
他の滑空場に降りる時の手際の良さを特に感じました。
これはアウトランディング(場外着陸)を想定するトレーニングと
実際にアウトランディングを経験している事に依ると思います
過去の同じ時期の自分を考えると同じ自家用操縦士でも明確な差があります。
「キャパシティ」とか「懐の深さ」しか表現が見つかりませんが、明らかに積まれている経験の方向が違います。
ブログランキングに参加しています、記事を気に入っていただけましたら
↓クリックしていただけると嬉しく思います。
にほんブログ村