HypacoでID65 5inchが設定されたのでフロントスプリングのストロークと耐荷重の問題は解決、
次は車両の旋回特性の問題を考えます。
今の仕様での問題点は、旋回特性が「どニュートラル」な事
「そりゃ無理でしょ」って刺さる勢いのオーバースピードで旋回に持ち込まない限り酷いアンダーステアにはなりません、、、
「もうそろそろフロント逃げるかな?」って舵感から更にステアリングを入れていくと、
フロントの限界を超えてスリップダウンする前にリアがスルスルと流れて旋回を助けます。
僕が使うスピードレンジじゃ限界なんて超えられないって事ですね(笑)
ちょうどレンタルカートで減速からステアリングを切り込んでヨーを立ち上げる部分の動きに似ています(動きの速さはM3の方が俄然ノンビリですが)
ココまでの動きは良いのですが、、、、
旋回初期で大きく向きを変えて、「このままの状態で放置するとイン側のガードレールにバンパー擦るって姿勢と位置」からパワーON
加速によるフロント抜重 リア荷重でフロントを逃がしつつ、トルクを掛けてリアタイヤのスリップアングルを維持、
車を僅かに斜めに走らせて旋回させます。
(感覚的にはリアタイヤが数度外側に転がる感覚)
で、、、ここで困っているのが、
思ったよりフロントが逃げないで、リアが多く逃げるんです。
「ガッツリ踏んで、フルカウンターで白煙もくもく」なんて怖くて出来ませんって、
そもそも天下の往来で横向けちゃうのはどうかと、、、、、
まぁ僕じゃ「山登って芝刈り」もしくは「崖下で洗濯」ってオチですね(笑)
つまり、パワーを入れると自分が思った以上にリアタイヤが斜めに転がっちゃうから
巻かないように控え目なパワーON、ステアリングを戻してバランスさせる
「リアが出すぎちゃってパワー掛けきれない」ってフラストレーション感じますよね
もう少しパワーON状態でのリアタイヤのスリップアングルが浅ければ、アウト側が余った分だけパワー掛けられますし、
パワーONでトラクションによる安定したアンダーステアに確実に移行できるなら旋回中での安心感にも繋がります。
脚を弄るのは「安定した高トラクションを得ることが目的」とも言えますね、
4WDの安心感は優れたトラクションです。
現代レベルから見れば「重いくせに低パワー」なM3B
せめて気持ちよく踏んで旋回したいです。
同じ旋回を「メートル原器」の”325iカブリオレ”にやらせてみると、
「出来の良い妹」は模範演技バッチリ!!
ピークトルクで7kgほど低く、その分タイヤが弱いので一段低いスピードレンジですが
綺麗にバランスして気持ちよくパワーを掛けられる
BMWの旋回フィーリングってバイクに似てると思います。
まぁ、、、最良のFRとも言われているBMWが設定したサスペンション。
「アウトバーンを高速巡航して、石畳の旧市街を走り、ノルトシュライフェで楽しく遊ぼう」
ってレベルですからねぇ
やっぱりメーカー純正は最良のバランスです、、、orz
「自分が設定した脚のダメっぷり」に打ちひしがれていても何も進まないので、さっさと立ち直って原因を考えます。
んで、今回、着目したのが表題の「ばね上固有振動数の前後バランス」です。
ノーマルと比べてバランスを変えている部分を元に戻せば改善されるって実に単純な発想、
上手に作れないなら模倣からです!!
「模倣」と「ぱくり」は違いますよ、、、
散々悩んで困ってから正解を参考にして自分の考えに取り込むのが「模倣」で
なーんにも考えないで、成功例をそのままマルっとコピーするのが「ぱくり」です。
(大抵は、事象を理解していないのでトンチンカンな結果になりますが)
現在の1Gでのスプリングレートと固有振動数の関係は
フロントスプリングレート 8.24kgfmm
リアスプリングレート 18.35kgfmm
フロントとリアのスプリングレート差が非常に大きく見えますが、
フロントはACFが1.1掛かるので7.46kgfmm ばね上固有振動数 2.26Hz
リアはレバー比が1.53掛かるので、ホイールレートは7.84kgfmm ばね上固有振動数 2.37Hzになります。
これは、サスペンションの教科書を参考に
①「前後輪の固有振動数のバランスは現状の車両データ、あるいはその車両のメーカー基準値データを参考にし、前後バランスを崩さずに設定することが大切」
②「前後の固有振動数が、あまり大きく異ならないように配慮する」
と書かれていて
現状は②の考えで設定しました。
現状の固有振動数は2.26 : 2.37(Hz)でその差は0.08Hz
これで良い感覚にならなかったので、次は①の考え方に変更します。
ここで問題なのは前後の固有振動数バランスをどのくらいに設定するか?
ノーマルのM3の固有振動数を調べると
フロント1.2Hz
リア 1.5Hz
が検索でHitしました。
念のため裏を取ると、、、
M3B用のアイバッハプロキットのスプリングレートをから固有振動数を求めると
フロント 2.14kgfmm 1.21Hz
リア 7.65kgfmm 1.53Hz
ほぼ近似値なので使えますね
つまり、M3Bはフロントとリアの固有振動数差は約0.3Hzフロントを低く設定するのが「メーカーの答え=正解」になります。
これは僕の経験の「フロントのレートを下げる、もしくはリアのレートを上げると”入り口オーバー出口アンダー”」と一致します。
とりあえずこれでフロントレートを下げる方針は決定!!
あとは微調整です。
僕のM3Bはタイヤ&ホイールをトラクション重視のM3Cのフロント225 リア245に変更しているので、
235通しのM3Bのデータは使えません
改めてM3Cのデータを調べると
M3Cアイバッハプロキットのスプリングレートから固有振動数を計算すると
フロント 2.35gkfmm 1.21Hz
リア 6.32kgfmm 1.39Hz
固有振動数差は0.18Hz
タイヤ幅による出口アンダーステア成分を打ち消すために調整していますね。
(他にもアライメント値が大幅に違います。 )
って事で今回参考にするのはM3Cの数値で、狙う固有振動数はフロントを0.18Hz下げて
フロント 2.19Hz
リア 2.37Hz
スプリングレートを逆算すると
フロント 7.69kgfmm
リア 18.35kgfmm
になります。
さらにフロントの7.69kgfmmをトリプルスプリングの合成レートに当てはめて、逆算したメインスプリングレートは
約12.5kg/mm
幸運にもHypaco ID65 5inchに設定があります。
Hypaco ID65
自由長 5inch(127mm)
12.5kgf/mm
ストローク 74mm
耐荷重 930kg
以上から今回テストするスプリングが決定しました。
バネ上固有振動数の前後バランス、ストローク、耐荷重ともに満足したので良い結果が出るはず!!
これでダメだったら泣いちゃうよ、、、ほんとに、、、
フロントスプリング仕変更(バネ上固有振動数の前後バランス、耐荷重、ストローク変更)インプレ
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