バンプラバーの考え方②

今回は「バンプタッチまでの荷重をどう考えるか!?」です
これはプリロード設定に関わってきますよね

まずは車両運動をシンプルに考えると、

鏡の様な路面で路面不正による突発荷重を除けば走る分には2G以上は必要にならないはず
理由は簡単、「2G以上の荷重はあり得ないから」

究極の荷重移動を考えると、ピッチング方向ならウィリーとジャックナイフ ロール方向なら片輪走行
もうスタントドライバーな世界です。

説明の必要が無い程シンプルですね
「車両重量は一定なので片方が浮き上がれば残った接地側に荷重が移る」
だからロール方向での最大荷重は2Gで、
ピッチ方向の最大荷重は1G対象軸荷重+他軸荷重になります
(フロントだったらフロント荷重+リア荷重 つまりリア荷重分が必要)

って事は、
「ロール方向で2Gもしくはピッチング方向では1G対象軸荷重+他軸荷重のいずれか大きい荷重」以上は
路面の不正にタイヤを追従させるための予備のストロークです。

実際にはそんな完全平面の路面は存在しないので突発荷重分の予備ストロークが必要になります。
この2G荷重までのストローク範囲内はスプリングが仕事をする事が理想で、
車両運動に関する荷重を全てスプリングでコントロールすることが出来ます。

実際にはダンパーの縮み側減衰力があるので、スプリング、バンプラバー、減衰力の分業で
突発荷重には対応していますね、、、

もし旋回姿勢中に路面不正による突発荷重が加わりストロークを使い切ると、
車両中央付近にあるロールセンターが一気にタイヤの接地面に移動するので挙動が不安定になります。
これが底付きで車両の動きが不安定になる原因で、
レート不足もしくはストローク不足の状態で旋回中にドカンとブッ飛ぶ原因ですね(笑)

ココまでの考えをまとめると
バンプタッチまでに想定するべき最低荷重は、

”前後軸重で重い方の車軸の1輪荷重の2G”が必要になります。

実際に計算してみると
前軸重量 650kg
後軸重量 500kg
の車両だと
ロール方向で考えると、重い方の軸は前軸なので
650㎏が基準になり
軸重から1輪荷重になるので1/2で 325kg
片輪走行までフルボトムしないように2Gを設定すると 325X2=650kg!!

650kgに戻ってきちゃいました(笑)

ピッチング方向で考えると
ウィリー&ジャックナイフしたときの軸荷重はそれぞれ
650kg+500kg=1150kg
1輪荷重にすると575kgで十分です。

荷重が決まればホイールレートで割ってあげれば必要なストローク量が計算できます。

つまり重い方の軸重の2G分の荷重をスプリングで処理できれば、
ダンパーの縮み側減衰も加わるので大丈夫って事ですね
しかも、片輪走行、ウィリー&ジャックナイフするほどの強烈な荷重移動は現実には不可能、
横転する時はあきらめてください(笑)

ただし、路面不正を超える状況はバンプラバーへの依存が高まるので、
「残りストロークが長く、長い(大容量)のバンプラバーを持つ方」が有利って事です
ショートストローク仕様のダンパーで短くて固いバンプラバーは
車両へのダメージと路面不正に対してのマージン(特に旋回中)が少なくなるので要注意です。

じゃあ、どれくらいのマージンがあれば大丈夫なのか?
もちろんストロークは長いほど有利です、
クロカン4WDでトライアル競技車両なんてフルボトムまでとんでもなくストロークしますし
ラリーのグラベル仕様なんてノーマルより車高を上げてきていますよね

って事は、、、、
路面不正の処理は許容突発荷重値よりも「絶対的な縮みストローク量」が勝負になるって事ですよね

たとえば、路面不正を超える時に、荷重的には5Gを処理する事の出来るスプリング+バンプラバーでも
単純に考えて縮みストローク20mmの脚で捌けるのは20mmまでの高さでしかないので、
30mmの路面不正を乗り越える時はボディが10mm持ち上げられます
(ダンパーの縮み側減衰力もあるので20mmの路面不正でもボディは持ち上げられますが、今回はシンプルに考えるから無視)

まぁ、、、無い袖は振れないって事ですね ストロークはあればあるだけ楽になります。

でも縮み側ストロークは車両設計と車高でほぼ決まってしまうので、「どの位置が適正か?」って考えると

僕にはわかりません(笑)

で、、、素人がスプリング、バンプラバー、ダンパーストロークの3要素をまとめて変更してしまうと
状況が解らなくなるので

出来るだけシンプルにして且つマージン特盛の安全策を選ぶと、、、
「ノーマルバンプラバー、ノーマル車高、車高調整アッパーマウントで縮みストロークを限界まで増やして、
これにロングストロークダンパーに高レートスプリングの組み合わせ」

コレが現状のM3の設定です。
実際に組んで走り回ってストローク位置を確認すると、最大荷重で2.1G付近までストロークしていました。

これが、僕の「プリロード設定時の想定荷重2Gの根拠」です。

結局、ロードクリアランス、重心位置、サスペンションアームの角度、車体設計で縮みストローク量が決まり
求める運動性能でスプリングレートが設定される
想定される最大荷重を吸収できるバンプラバーでフルバンプをコントロールして
それでも足りない部分は縮み側減衰力の高速側でストロークにブレーキを掛けるって方法もあります。
って結論が出ました、、、、

素人考えなので正しいかどうかはわかりませんが、参考になれば幸いです。

ブログランキングに参加しています、記事を気に入っていただけましたら
↓クリックしていただけると嬉しく思います。

にほんブログ村 車ブログへ
にほんブログ村

全般ランキング


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です