先日、お友達の「スケベな歯医者さん」から
「軽バンのキャンパーなんだけど、高速でフラフラしちゃうんだよぉ」ってお問い合わせ。
軽バンをベースに架装したキャンパーで
ベース車両はDA17V スズキ エブリィ 2WD TURBO
架装重量は車検証重量で100kg
屋根を切り抜いたハイルーフ仕様
駆動方式はFR
う〜ん、、、
架装重量の70%位はリア軸重に掛かり
重心位置が後退
ハイルーフ仕様で重心位置は上昇
同時に屋根を切る事でボディ剛性の大幅な低下
不安定な後輪駆動
トルク変動の大きいターボエンジン
走行安定性を徹底的にディスった仕様で普通に考えればマトモに走るはずがない
かな〜り厳しい条件です(笑)
とりあえず、出来る事から着手で
車両諸元と各社から発売されているダウンスプリングと車高調整サスペンションkitを調べて
標準車のセッティングマップを作製しました。
計算条件は
フロントシートに2名搭乗
スペアタイヤ、燃料満タン、油脂類標準
車検証重量に人とスペアタイヤを乗せた状態です。
ノーマルスプリングの諸元は不明なので
各社のダウンスプリングから10〜20%ほどスプリングレートを下げた推測値
計算値をザッとセッティングマップに広げて見ると
スゲェ硬いぞ!
ノーマルですら1.8Hz
軽トラ&軽バンのポンポン跳ねる動きから
1.8Hzは体感的にもハズレじゃない
ノーマルスプリングでダンパーだけ良いヤツに交換して減衰力変更するだけで
「楽しい峠仕様♪」の出来上がりじゃん
車高調になると2.0Hz以上だから
ミニサーキット程度なら通用しちゃう硬さ(笑)
市販状態で1.8Hz設定のスパルタンな脚
軽バン 舐めてました、、、
この後は
標準車の諸元をベースとして
キャンパー架装重量
追い積みした家電&オモチャの重量
を加味してキャンパー仕様のセッティングマップを作ります。
標準車のセッティングマップを眺めた今のところの候補は、
「最低限の走行安定性を確保する」って事をコンセプトとして
ブリッツの車高調整サスペンションkitをベースとして仕様変更していきます。
TEINベースでも作れますが、
2.0Hzを超える硬い脚はど〜考えても不要
「ミニサーキット仕様の脚を持つキャンパー」ってアホでしょ
改造キャンパーってややこしい乗り物で
改造により車両重量と重心位置が激変していて
架装により増加した重量は運転席から後方に大半が掛かるので
リアのバネ上固有振動数がだだ下がり
トラックベースだと乗り心地のためにリアのダブルタイヤをシングルタイヤに変更したりで
オーバーステア傾向が強くなり
更にFRPのシェルにより全高が上がり横風影響が大きい
「キャンピングカーは育てる物」なんて風習もあり
納車後はユーザーが家具家電をガンガン突っ込んで飾り付けるから
更に重量は増加して過積載&高重心状態になるので走行安定性は悲惨な事に、、、
グーグル先生に
「キャンピングカー 横転」って訊けば事故事例は沢山に見つかりますので
とりあえず記事や動画を見て
どれだけヤバいかは知っておいて下さい〜
あまりにも簡単に横転し過ぎ、
風が吹いただけでオーバーステアに入ってコケちゃうんだもん
ちょっと闇を感じるぞ、、、
サスペンションをどれだけ変更しても高い重心高と屋根を切っちゃった事によるボディ剛性低下は免れないので
標準車みたいな感覚で走らせるのは危ないですよぉ
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