S660 【スプリングレートを比較して傾向を掴む】

S660のスプリングレートが集まったから比較してみます
車両諸元は先日計算したノーマル車両値
※バネ下重量を実車計測していないので絶対値には誤差を含みます

まずはノーマル(無限の資料参照)
sketch-1591158125272
・スプリングレート
フロント 2.06kgfmm
リア 2.79kgfmm
・バネ上固有振動数
フロント 1.59Hz
リア 1.71Hz

おー 意外とノーマルでも硬いスプリング入ってますね

この辺りはホイールベース&ドレッドが軽自動車規格縛りが効いてピッチ&ロールモーメントが大きいから
そこそこスプリングレート高くしないと姿勢変化を抑えられない

軽自動車をどんなに弄っても限界があるのはコレで カプチーノとかを弄りまくると普通の人には乗れなくなっちゃう
本当にエライのは「小さくて軽い車」じゃなくて「大きくて軽い車」です。
高い材料使わないと作れないからお値段も凄いことになりますが、、、

スーパー7が反則なのは重心高とトレッドの関係
あんなサスペンションでもあれだけ曲がっちゃう(笑)
だから軽自動車規格でナロートレッド仕様のスーパー7は魅力半分なんだよね

話を戻して、、、
このスプリングレートだと細かい振動出るね
バウンスだけでもバネ上固有振動数が1.5Hz越えるって 第二世代GT-RやType-R系並みに硬いよコレ

でも実際に走らせると姿勢変化が大きいのは乗り心地を作る為に伸びストロークを長く設定して
減衰力は控えめにしてるからでしょ
縮み側をバンプラバーに当ててストローク規制掛けると
伸び側でストローク確保してボディを浮かさないと乗り心地作れないからなぁ

残念ながら減衰力値は見つかっていないからC/Ccは不明
映像を見る限りは乗り心地を作る為にあまり高く設定して無いと思う

前後のバネ上固有振動数の差は0.12Hzで結構近い弱アンダー設定

前後重量配分が後ろ寄りで前後の固有振動数が近いから
誰が乗っても良く曲がるけど、、、
スタビリティコントロール切ったらかなり手強いと思う
リアのアライメントに頼った感じ
NSXもリアトゥがっつり入ってたと思う

次にモデューロを見てみると
sketch-1590974140224
メーカーサイトにスプリングレート表記がなかったのでWeb記事を参照しています
フロント 2.3kgfmm(ノーマル比 111.6%)
リア 3.31kgfmm(ノーマル比 118.3%)
・バネ上固有振動数
フロント 1.68Hz
リア 1.86Hz

スプリングレートはサクっと110%位に上げてきてますね
バネ上固有振動数ももちろん上がって結構ビシッと来るはず。
車高も下がってるから「バンプラバーの設定」と「減衰力の伸び縮みの割り振り」が勝負ポイントになるねぇ

リアのスプリングレートを高める事で前後のバネ上固有振動数の差は0.18Hz
ノーマルよりアンダー設定
リアを軸とした動きをが強調されるからノーマルより安定感が出てくる
雑誌やWeb記事での好評価はコレがポイントだと思う
一番「大人向け」っぽい味付けだけど コレ位が楽しそう

最後に「無限」はどんな感じかと、、、
sketch-1590974060238
sketch-1591158170865
・スプリングレート
フロント 2.37kgfmm
リア 3.10kgfmm
・バネ上固有振動数
フロント 1.71Hz
リア 1.81Hz

モデューロに比べてフロントのレートが高め
リアのレートを低めで
前後のバネ上固有振動数の差は0.10Hz
ノーマルよりさらに前後バランスはニュートラル方向
「天気の良い日曜日の朝に走り行っちゃう」って人向けですね
かなり巻き付くように曲がるバランスで一番過激

ちなみにHKS MaxⅣ SPは
sketch-1591064287379
・スプリングレート
フロント 6kgfmm
リア 8kgfmm
・バネ上固有振動数
フロント 2.72Hz
リア 2.9Hz
で完全にサーキット仕様
だけど前後のバネ上固有振動数の差は0.18Hzでモデューロと同じバランス
チョイ乗りでもリアのしっかりした感触(直線だけ)は良かったので僕の前後バランスの好みはこの辺り

って データ並べて気がついた
HKSの脚が良く感じたのは当たり前
僕のM3も前後のバネ上固有振動数の差は0.18Hzだった(笑)

再設定したアライメントもフロントとリアのトゥ&キャンバーのバランスもほぼ同じだからカナリ良い感触に仕上がってるはず
次回の試乗が楽しみです♪

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「S660 【スプリングレートを比較して傾向を掴む】」への9件のフィードバック

  1. 初めまして。
    自分はS660に乗っていてこちらのブログに感銘を受けました。
    色々なメーカーのサスペンションの特性が分かり易く参考になります。
    今回自分はブログに比較対象にはならなかったSHOWAの極みというサスキットを導入しようと思っていますが、このサスペンションキットの仕様に関して狼の皮を被った羊さんの見解を教えて欲しく投稿しました。
    私は現在奥多摩の風張峠を純正サスで走っていますがタイヤの外減りが激しい限りです。
    アライメントをどのような方向に持っていけば良いのかアドバイス頂けたら幸いです。
    宜しくお願いします。

    1. たかぞうさん
      コメントありがとうございます。
      S660は離れていった車なので考察のみで終ってしまい製作していませんが
      ディメンション(ホイールベース&トレッド)が近いDA17V エブリィ キャンパーを横目で見ながら考えます。

      ショウワの「極」はノーマルに対してF:23.0N/mm(約2.34kgfmm)
      R:34.5N/mm (約3.52kgfmm)
      なのでノーマル、モデューロ、無限よりリアのレートが高めに設定されているので
      トラクション確保傾向になりそうですね

      車高設定もF/R ±0mmで車高を下げないのでストロークが取れるので荒れた峠道に向いていると思いますし
      メーカーが設定したジオメトリーを崩さずに使える事が最大のメリットだと考えます。

      ストラット形式だと車高変化にロールセンター高が敏感に反応するので車高調整幅はロアアーム角度と相談しながらになり
      前後ロールセンター高を繋いだロールセンターの傾きは旋回特性に直撃するので
      前後重量配分がリア寄りで基本的にオーバーステア特性を持つMR&RRは後ろ下がりの前後ロール軸傾斜が必須になりますので
      車高調整は慎重に行う必要があります。
      見た目重視でフェンダーとタイヤの隙間で車高を作ると前下がりになり
      前後ロールセンター軸が水平方向に移動するのでオーバーステア傾向に変化して危ない車になります。
      この事だけでもしっかりとメーカー設計を理解して作られた良いサスペンションKitだと考えます。

      ただし、一つ問題があって
      たかぞうさんの走り方だとノーマルサスペンションでタイヤ外側摩耗が強いとの事からスタビライザー追加は必須になると考えます。

      タイヤ外側摩耗の程度はわかりませんが
      ノーマル調整幅でのアライメント調整でキャンバー角を増やし、トゥ角の合わせ込みでは不足しそうですし
      ノーマル形状サスペンションにキャンバー調整可能なピロアッパーの取付けは難しい(不可?)です。

      街乗り重視ならショウワ「極」
      走行質感を高めるならば前後にボディダンパーを追加
      更にロール剛性を稼ぐならスプーンの前後スタビライザーを組み合わせると面白い車になりそうです。

      回答遅くなりましたが
      ご参考にして頂ければ幸いです

      今後ともよろしくお願いいたします。

  2. 貴重なアドバイスありがとうございます。
    タイヤの片減りに関しては私の技量もあるのでもう少しロールスピードを減らす方向で行けばもうちょっとタイヤを平均的に使えるのではと思っています。
    スタビライザーは今までの車人生でもアフターパーツに交換した事が無かったのでぜひ検討して行きたいと思います。
    丁度、今週末にサスペンション交換+バネレート上がった分の剛性アップを考えてリジカラも投入します。
    風張峠が凍結する前に慣らし「サスではなく自分の」を済ませて走らせたいと思います。
    ありがとうございました。

  3. お久しぶりです。タイラップさん。
    真冬が来る前に風張峠に走りに行って来ました。
    登りの前走はたまたまですが同じS660のイエロー前期私は後期のイエローです。前走の車は車高長もしくはダウンサス使用してましたね。あきらかに車高落ちてました。
    又、私の車は妻が乗る事も考慮に入れたCVTで加速に差が出るポイントが違うのは楽しかったです。
    ここからは自分の車のインプレッションです。
    基本的にはコーナー侵入でビビってアクセル離すとナチュラルにリアが流れます。
    逆にしっかりとブレーキングして
    荷重を前に残し、方向が変わり始めた所からアクセルオンは後輪が蹴っ飛ばしてくれる感じが伝わりました。
    いままでよりコーナー出口の脱出スピードが上がったからかストレートの速度も上がりました。
    ただ唯一、スプーンカーブ的なコーナーが2箇所あるのですがそこだけはタイヤの角で曲がってるなと実感しました。
    そのコーナーだけは名一杯ロールさせますのでシュチュエーション的にタイラップさんが言っていた要交換スタビライザーなのかなと実感しました。
    拙いインプレッションでどうもすみません。
    報告以上です。

    1. たかぞうさん
      返信遅くなりました。

      S660楽しくなったようで良かったです♪
      やはり旋回中のスロットルOFFでリアが流れますかぁ〜
      原因は減速旋回時のダイアゴナルロール(斜めロール)で
      フロントOut側の接地荷重が乗る事で対角に位置するリアIn側の接地荷重が抜けてオーバーステアが発生しています。

      対処方法としてはやはりスタビライザー強化でのロール剛性UPでロール角を減らしてリアIn側の接地荷重を維持する事ですが、、、
      ダンパー減衰力を少し下げないと乗り心地が硬くなります。
      (車高変化無しの乗り心地まで見込んだサスペンションKitなので大丈夫だと思いますが)

  4. はじめまして。
    私は令和3年式のS660β(LSD有 他はノーマル)に乗っています。
    他に4WDをFR化したミラでドリフトを楽しんでいます。
    S660を下記の動画のアルピーヌA110のようなリアが簡単に流れドリフトコントロールも容易なオーバーステアよりの足まわりにしたいとネット検索していてこちらのブログに辿り着いたしだいです。

    https://youtu.be/R3WCgch3aKA?si=0hOMIX5zaD_vZm6a

    なるべく安価で済む方法として、
    リアのバネレートを上げる。
    リアのアライメントをトーアウトにする。
    リアのスタビライザーの強化。

    たかぞう様からのアドバイスをお願いできないでしょうか?
    よろしくお願いします。

  5. 宛名を間違えていました。
    たかぞう様ではなくタイラップ様宛です。
    よろしくお願いします。

    1. もんげさん
      コメントありがとうございます

      ごめんなさい、、、
      基本的に性能向上を目指しているので
      意図的にリアの限界を下げるセッティングはナンバー付きの車両には推奨できません

      他のドリフトが得意な方にお尋ね下さい

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