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読み物程度の航空工学② 「空気の力を使って飛ぶってなんだろう?」

タイトル写真の飛行機は”ポンドレーサー”
航空機設計の鬼才バート ルータン氏が率いるスケールド・コンポジッツ(Scaled Composites)社が設計、製造を行ったワンオフ エアレーサー
初飛行は1991年3月
ポンド氏が歴史的に貴重なウォーバーズがレースにより消失するのを懸念して”新時代のレース機”としてスケールドコンポジット社に依頼して生まれた生粋のUnlimitedレーサーです。
僕の好きな飛行機です。

さて!! 具体的に「空気の力で飛ぶ」ってなんでしょう?

実は「飛ぶ」って明確には定義されていません、実に感覚的(笑)
「俺は飛んでるぜッ ああっ 飛んでいるともっ!!」って思えは飛んでいる事になります

釈然としないな!!

スカイダイビングってスポーツありますよね、高い所から飛び降りて遊ぶアレです。
スカイダイビングは「飛ぶ」って表現されますが、実質は自由落下、落下時の空気抵抗をコントロールして行きたい方向に移動できますが、飛ぶってイメージからは遠いなぁ、、、

もう少し頑張ってみたのが「ウイングスーツ」 人間がムササビの真似をするアレです。
まぁ、頑張ってみたもののスカイダイビングに比べてコントロール性が高まるので「飛ぶ」感覚は強くなりますが、、、
まだ豪快に落ちてない?

昔、お仕事で「スカイダイビングの送りパイロット」やりましたが、行きは皆でわいわいと楽しいんですが、ジャンパーが飛び出した後はコクピットに一人取り残されます
ジャンプの邪魔になるのでドアも座席も取り外してガランとなった機内に氷点下の風が舞う、、、

一人ぼっちの帰りは寂しいっす

もし上昇中にエンジン壊れたら、ジャンパーたちは間違いなく僕を見捨るんだろうな、、、(涙)

気を取り直して、一気に「飛ぶ」に近づきましょう
お手軽スカイスポーツの代表「パラグライダー」 ココまで来るとさすがに飛んでいる雰囲気が強いですね♪
上昇気流を捕まえれば高度を上げる事も出来ます。

このパラグライダーの「飛ぶ」を数値で表すと 滑空比 7~8
これは1mの高度があれば7~8mは前進できるって性能の数値です
ちょっと事情通な言い方をするとL/D(えるばいでぃー)ってカッコイイ言い方がありますが
不用意に使うと更なる賢者に突っ込み入れられて知的にボコられますので要注意
このL/D、日本語で揚抗比と言いまして
Lift/Dragの略で揚力と抗力の比を表していて航空機の性能の一つの指標になっています。
601434m
NASAのイラストのL(Lift)とD(Drag)の長さの比がL/Dになります。

この「パラグライダー」一日体験コースで1~2万円で楽しめます。
僕もインストラクターと一緒に飛ぶ「タンデム フライト」で飛んだ経験があります。
着陸地点から標高差数百mの山を登って、キャノピー(パラシュート状の翼)を広げてハーネスと接続
インストラクターのお姉さんから説明を一通り聞いてから最初の指示は、
ニコニコしながら崖を指差して「合図したらコッチに全力で走ってください♪」

ええ、、、状況とヤラなきゃいけない事は理解していますよ、、、もちろん、、、でも崖だよね、、

心の準備をしようとしていると、いきなりお姉さんが「走ってー!!」って叫び、
(ええっ ちょ、、、ああっ 待ってぇぇぇ~)←心の叫び
でいきなり空中に放り出されます。 流石にビビって変な声が出ます。

「パイロットは高い場所大丈夫」って思われていますが、、、とんでもない誤解です
少なくとも僕は高いトコロは怖いです!! ってより全くダメ!!

ガラス張りのビルで3階以上は窓際に寄りませんし、スカイツリー登ったらマジで怖かったです。
(だって床がユラユラ揺れてるんですよ)
パラグライダーも足元が全部見えちゃうんで、怖いこと怖いこと、、、
ああっ、、、、思い出しても力が抜ける、、、

さて、、、気を取り直して話を進めます。
空飛ぶ乗り物でどうやらL/D(揚抗比)が7以上で滑空出来ると「飛んでいる」って感覚になるみたいです。
とりあえず飛んでるヤツのL/Dを並べて滑空のイメージを掴んでみると

①アポロ指令船 0.368
601437m
良かったねぇ~揚力出てるって認めて貰えたんだ、、、(笑)

②スズメ 1.98
601602m
おいっオマエ鳥だろ、、もうちょっと頑張れや!!

③ウイングスーツ 2.5
601603m
祝!!すずめに勝利♪

④曲技飛行専用飛行機(ピッツとかエクストラ) 4~5
601604m
石コロよりは幾分マシ エンジン止まったらきっとハンパ無く怖いです。

⑤スペースシャトル オービター 4.5
601608m
昇りはロケットエンジンを使い帰りは宇宙から滑空
実にダイナミックな世界最速のモーターグライダー(笑) 通称「空飛ぶレンガ」

⑥先ほど出てきたパラグライダー 7~8 高性能競技機で11
601610m
翼面荷重も少ないのでフワフワ浮いているような飛び方で「空飛ぶブランコ」な感覚です

⑦セスナ等の小型飛行機 7~9
601611m
エンジン止まったらこの程度、残り高度と相談しながら不時着です
ちなみに写真の機体はJA4003 昔の愛機です。
この機体で事業用操縦士取りました。
ドラマにも出演した綺麗なC-172です♪

⑧マッハ2でブッ飛ばしている時のコンコルド 7.14
601612m
音の壁を「ターボジェット+アフターバーナーx4発」で力任せにぶち抜きますッ!! これじゃ燃費悪いよねェ、、、

⑨ハンググライダー 8~15
601613m
最近のは意外と高性能!!

⑩かもめ 10
601614m
「ジョナサン」って名前の飛行研究家がいるんですよね♪一度お話聞いてみたいです。

⑭旅客機 17~20
601618m
飽くなき燃費追求で立派な数値です、初めて聞いたときは耳を疑いました
グライダーにそっくりな翼を持つB787はなんと20.83!!

⑪あほうどり 20
601615m
すずめに飛び方を教えてあげてください
あ、、、離着陸は期待してませんから教えなくてイイです、、、

⑫昔の練習用グライダー 20~25
601616m
懐かしの鋼管羽布張り「へぇ~布が張ってある」って関心されちゃいます

⑬現代の練習用グライダー&曲技飛行専用グライダー 27~35
601617m
FOXは30って書いてありましたが 絶対に嘘です(笑)

⑮オープンクラスの高性能グライダー 40~60
601622m
L/D60って滑空角度は僅か1度!! 殆んど水平飛行(笑)人の欲望は留まるところを知りません

このL/D (Lift/Drag)=滑空比のイメージを作ってみると
601623m
大抵の滑空場にあるカッコイイ単座のグライダーは大体L/D 40位は出ています。
(ちょっと野暮ったいヤツでも30以上はあります)
この機体を富士山山頂から「えいっ!!」って飛ばすと、、、3776m X 40 = 151040m なんと150km彼方まで飛んでいきます。

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これは富士山山頂から東に伸ばせは成田空港付近、北に伸ばせば軽井沢、西に伸ばせば豊田市付近って事になります
(標高は無視していますよ~)
航空機の効率の指標L/Dと「飛ぶ」ってイメージが結びつきましたでしょうか?

オマケの飛行機解説

ポンドレーサー:
機体構造はカーボンケブラー等の複合材による軽量高剛性なモノコック構造、
搭載エンジンは日産 VG30をベースにした600hp仕様を2機搭載、総出力は1200hp

減速ユニットを経由して4枚羽根のプロペラを駆動します。
このパワーユニットの凄いところは「バイフューエル仕様」で最高出力を使用しないフェリーフライトは航空ガソリンを使用して飛行
フルパワーを必要とするレースフライトはメタノールを使用します。
アンチノック性の高いメタノールを使用する事によりインタークーラーが不要になり空気抵抗を削減しています。
メタノールでフライトした後はメタノールによる腐食を防ぐための洗浄運転として航空ガソリンでエンジンを運転する必要があったそうです。

スケールド・コンポジッツ工場から空輸された1991リノエアレースでデビュー
テストパイロットのRick Brickert氏が駆り、400mph(644km/h)を記録しました。
1993年9月 Rick Brickert氏tの操縦でリノに挑み、予選中に、左エンジントラブルによりOIL漏れを起因として墜落 機体とパイロットを失いプロジェクトは終了しました。
悲しい結末ですが、バートルータン氏設計の美しい機体と日本製エンジン搭載の挑戦的なレーサー
僕の好きな機体です。

さらに安定したハイパワーを望めるRB26DETTや2JZをベースにして現代のチューニング技術で仕上げたらどうなるか、、、!?
復活してほしいプロジェクトです。

全長: 6.1 m
全幅: 7.7m
空虚重量: 1,588 kg
最大離陸重量: 1,878kg
搭載エンジン: Nissan VG-30DETT , 600 hp x2 1200hp
最高速度: 400 mph; 644 km/h

読み物程度の航空工学③「4つの力」


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