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バンプラバーの考え方①

バンプラバーについて考えていた事をまとめます

スプリングレートの設定方法、
減衰力の設定方法の基本的な部分は理解が進み、
M3で実験して少しは経験値となりました。

で、残った部品は「バンプラバー」

この部品単純に底付きを止めるためだけじゃないんです
最近の車は、速いタイミングから長いバンプラバーに当てて
2次スプリングとして機能させています。

で、、、車高を下げて底付きしないように短く切っちゃうとバッコンバッコン突き上げます
「15mm車高下げたから15mm短くカットしてOK」
なんて勢いだけで切る物じゃありません(笑)

下がった分だけ短くして逃げるから同じだと思いますが、
バンプラバーも立派なゴム(ウレタン)スプリングです。
短く切ると「金属スプリングを切る」のと同じでレートが上がって耐荷重が減ります

「硬くなって簡単に底付きする」って状況になって、
つまりは「バンプラバーの線間密着」(変な言葉)です

エネルギーを蓄えるのはスプリングとバンプラバーの仕事で、
縮むことで蓄えたエネルギーは一部は弾性変形で生じる熱として大気中に放出されますが、
ほとんどのエネルギーが伸びる事で放出されます
このストロークの過程でダンパーの減衰力により運動エネルギーが熱エネルギーに変換され
大気中に熱を放出することで運動が収束します

ここで設定されているストローク(耐荷重)が足りない状況だと
入力されるエネルギーを全て蓄える事が出来ないので、
余剰エネルギーがボディに伝わる、

ボディを攻撃してクラックを入れるのはこの余剰エネルギーで、
 バンプラバーの耐荷重が少なかったり(極端に切っちゃったり)、
 スプリングレートとストロークの関係が悪くてバンプラバーへの依存度が大きい
 (低レートで車高を下げてバンプラバー当てっぱなし)
これらの状況がボディに衝撃入力を入れる事になり、
ボディのアッパーマウント付近にクラックを入れる事になります。
意外と簡単にボディが割れて突き抜けます(笑)

コレだけでもストローク確保の大切さが理解できます。

「じゃあ直巻スプリングでレートを上げてスプリングで受け止めてしまう」ってのも方法なんですが
メーカーが想定している最大荷重は5~6Gに達します、
これは走行中に大きな段差を通過してしまう等の突発荷重に対するマージンを考えています。
ここで最後の荷重を受けてボディを保護しているのがバンプラバーの本来の目的

つまり、スプリングでは最大荷重を受け止めていません、

スプリングの役割はあくまでも軸重に対するストロークスピード(固有振動数)の管理
つまりは運動性の管理となります。

ここで、改めてバンプラバーとスプリングの関係をまとめると

スプリングは車両の用途により設定した固有振動数によりレートが求められる
バンプラバーは路面不正等による突発荷重から車体を守る
バンプラバーの形状と硬度を適正化する事でバンプラバーに乗る際の感触をコントロールできる

って事になりますね、
これを踏まえてノーマルサスペンションを振り返ると
車両設計により決まる限られたストロークの中で、
バンプラバーが受け持つ荷重とスプリングが受け持つ荷重が割り振られていて、

乗り心地を確保するための「低い固有振動数(低レートスプリング)」に、
「限られたストローク」の組み合わせにバンプラバーの設定でフルボトムしているのに不自然な動きが出ない

ノーマルサスペンションって凄い代物です
(中にはオイオイ、、、って設定の車両もありますが)

メーカー系のサスペンションKITは、車高を下げる事を狙いとして、
スプリングの受け持つ荷重とバンプラバーが受け持つ荷重の割り振りを変えて、
違和感が出ないよう(最小限)に仕上げられているって事ですね

バンプラバーを切るなら必要最低限、
シャコタンスプリングの取り扱い説明書を鵜呑みにしないで
少しずつ切って最良点を探す必要があります

直巻きスプリングを使った車高調サスペンションのバンプラバーカットはより慎重に、、、
単筒高圧ダンパーだとガス室とオイル室を仕切るフリーピストンにぶち当たって
一発OUTになる可能性があります

バンプラバーの考え方②

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