ヴィンテージ グライダー

ヴィンテージ・グライダー収集家の本多 誠之さんが行ってきた
コンドルⅣの修復作業。
修復前に本多さんは旅立たれてしまいましたが、ご家族の方が故人の
「富士山をバックに飛行させたい」との夢を実現させるため
に行われた土曜日に行われたフライトです。

美術品級のヴィンテージグライダー「ミニモア」

HI3C0455
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ウォルフ ヒルスの設計で1935年初飛行、74年前の作品です。
「航空工学」じゃなくて「鳥への憧れ」で飛んでいた古き良き時代ってヤツです、、、

トレーラーから引き出して翼を組み、操縦系統のリンケージを繋ぐ、、、
一連の組立作業も慎重に行って姿を現しました
胴体はリブに航空ベニヤをプランクした「木製モノコック」

HI3C0468
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特徴的なガルウイングは木製の主桁にリブを立てベニヤをプランクして羽布張りのクリアドープ仕上げ、、、

HI3C0444
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コクピットは本物のウォールナットのニス仕上げに真鍮の金具

HI3C0373
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HI3C0374
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キャノピー(風防)はアクリルの深絞り成型技術が無かったのか、絞りの浅いパーツをフレームに銅リベットで組み上げられています。

HI3C0412
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近代の低コスト、効率第一主義の工業製品ではまず見ることのない作り込みです。
地上で翼を休めている姿も美しい

スパン(翼幅)は17m
最良滑空比は28(1m降下あたり28m滑空できるって事)
最良滑空速度72km/h (最良滑空比が出る速度)
最小沈下率0.61m/s 
重量 350kg
1938年には積乱雲の中での上昇気流を使い6,687mの世界高度記録をマークしています。
コックピットの後のタンクに水バラストを積んだ最初のグライダーでもあります。
(水を積んで機体重量を増やすと、最良滑空速度が速くなるので、上昇気流の強い日では機体を重くして
滑空速度を早くして平均速度を高める、、、ってアイテムです)
1930年代のレース艇ですねぇ~
曳航パイロットに話を聞くと、曳航速度は100km/h 現代の機体に比べかなり遅いので、
「パワーを絞ってゆっくりと引かなきゃならないから気を使う」って話が、、、
間違って壊したら、お金じゃどうにもならない機体ですし、
無事に修理できても歴史に名を残すことになります、恐ろしいぃ、、、

2009年現在、飛行可能なミニモアは、3機のみ、
ドイツに2機(1機はグライダーメーカー「シェンプヒルト社」所有)と日本のこの固体のみです
ドイツ本国での扱いは展示ではロープを張られて遠くから眺めるだけ、、、
(希少性を考えれば当たり前、、、ペタペタ触れる方が恐いって)

HI3C0419
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フライト中はずっと機影を追って飛ぶ姿に見とれていました、、
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70km前後でゆっくりと優雅に太陽の光が透ける翼を輝かせながら飛んでいます、、
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飛んでいる姿はまさに「かもめの翼」、ため息しか出ません、、、

もう一機の複座機はハイニー・ディットマー設計 1951年 アレキサンダーシュライハーコンドルⅣ

HI3C0415
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HI3C0435
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ミニモアに比べれば若い機体(それでも58年前)
構造も木製モノコックの胴体に、木製羽布張りの18mの翼、、、
これも綺麗な機体です。

HI3C0471
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ミニモアと交互にフライトを行い、空撮を行っています。。。

HI3C0427
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ここで、コンドルⅣの体験搭乗のお誘いが、、、
「えぇ~ こんな機体に乗せてもらえるのっ!! 乗る乗るっ♪」
新入クラブ員なのにチャッカリ搭乗枠に名を連ねます(笑)
2枠に対して希望者多数、、、もちろん公正にアミダくじで抽選となり
なんと叔父とタイラップが当選!!

体験搭乗枠のフライトが始まり来賓フライトが終わり、クラブの枠へ、、、
夕刻も迫り、撤収時間が近づく、、、
叔父のフライトが終わり、タイラップまであと2名、、、
ココで残念ながら「このフライトで最後ね、、、」との宣告、、、
乗れなかったぁ~  残念、、、orz

まぁ、貴重な機体と一日を過せただけでも幸せな土曜日でした。

もちろん、晩御飯はご祝儀モードの叔父の奢り♪
格納庫兼合宿所(笑)に宿泊して、教官を囲んで飛行機話に盛り上がり
奢りの寿司を頬張り、飲める人は酒盛り状態(笑)
日曜日は残る体力を使い尽くす勢いでグライダーを楽しみ、ヘロヘロになって帰宅、、
良い週末でした、、


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